名古屋銀行(8522)企業分析レポート
注:本資料は公開情報の要約と定量比較であり、投資助言を行うものではありません。不明な項目は記載を省略しています。数値は特記なき限り連結・円ベースです(LTM=直近12か月)。
1. 企業情報
- 概要:愛知県名古屋市に本店を置く地域金融グループ。主力は銀行業務(預金・貸出・有価証券運用・為替・手数料)。グループでリース、クレジットカード、事務受託も展開。1949年設立。地域密着で十六銀行、百五銀行、静岡銀行等と連携。
- 事業ポートフォリオ:
- 銀行業務(主力)
- リース業務
- カード業務
- その他(事務アウトソーシング等)
- 預貸・資産構成(2025/3 参考)
- 預金内訳:定期29%、普通57%、当座8%、他6%
- 資産内訳:現預け金12%、有価証券16%、貸出金70%、他1%
- 融資内訳の指標:中小企業等向け比率86%、住宅・消費者向け比率31%(注:表示区分の性質上、単純合計は100%を超え得る)
- 従業員:1,992人、平均年齢41.2歳、平均年収635万円
- 所在地:愛知県名古屋市中区錦3-19-17
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:愛知県内で上位の地銀グループ。製造業集積(自動車・工作機械等)の厚い中小企業基盤を背景に、地域ネットワークと取引関係が強み。
- 競争優位性:
- 地域密着と地場中小企業向け与信のノウハウ
- 県内での預貸基盤の厚み、有力地銀との連携(広域でのソリューション補完)
- 課題:
- 預金金利上昇局面での調達コスト上昇
- 与信費用の変動、保有有価証券の金利リスク
- デジタル化・キャッシュレスの競争加速(メガバンク/ノンバンク/フィンテックとの競合)
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性(公開資料の要旨整理):
- 地域経済の回復・インバウンドを追い風に、貸出利息・配当収益の積み上げ
- 手数料収益(カード、リース、法人ソリューション)の拡大
- 金利上昇下でも資金調達費用をコントロールし利鞘を確保
- 与信・市場リスク管理の強化(不良債権比率の抑制)
- 2026年3月期計画(会社予想、変更なし):
- 経常収益 1,130億円(前年比+9.9%)
- 経常利益 217億円(+3.8%)
- 親会社純利益 152億円(+3.2%)
- 1株当たり利益(EPS)309.08円(株式分割後ベース)
- 重点領域:
- 地域中小企業向けソリューションと住宅・個人向け与信のバランス
- デジタルチャネル・キャッシュレス(カード)強化
- アライアンスによる取引先支援の高度化
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:利息収入(貸出・有価証券)+手数料収入(カード・リース等)+市場運用益。Q1で貸出金利息・有価証券配当が増加。
- 適応力:
- 預金利息の増加(調達コスト上昇)が確認される一方、貸出利回り・運用利回りの上昇で吸収。金利局面の先行きに応じた資産・負債ミックスの再設計が鍵。
- 地域密着+グループ多角化(リース/カード)で収益源の分散が一定に機能。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:地域中小企業の与信判断力、事務アウトソーシングの運用力。デジタル・キャッシュレス対応を拡大中。
- 収益牽引:
- 銀行業務が利益の大宗(2026年3月期1Qセグメント利益:銀行業務781億円ベースの「7,812百万円」)
- リース・カードは収益貢献は小さいが手数料基盤の補完
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価:3,445円
- 予想EPS:309.09円 ⇒ 予想PER:約11.15倍
- 実績BPS:5,733.14円 ⇒ PBR:約0.60倍
- 参考比較(業界平均):PER 10.7倍、PBR 0.4倍
- PERベース:業界平均比でややプレミアム(11.15倍 vs 10.7倍)
- PBRベース:業界平均比で高め(0.60倍 vs 0.4倍)
- 簡易ベンチマーク価格
- 業界平均PER適用:309.09円 × 10.7 ≈ 3,307円
- 業界平均PBR適用:5,733.14円 × 0.4 ≈ 2,293円
- 現在値は上記単純比較に対しプレミアム圏(算術比較)
7. テクニカル分析
- トレンド:50日移動平均 3,319円、200日移動平均 2,716.7円。株価は両移動平均を上回る上昇トレンド。
- 位置:52週高値 3,595円、52週安値 1,813円。年初来高値圏に接近後、直近日足は高値からの押し(3,595→3,445)。
- 出来高・信用:
- 直近出来高 418,700株(3カ月平均 223,500株を上回る)
- 信用買残 575,900株(前週比 +390,900)、信用倍率 12.85倍と高水準(短期需給の振れに注意が必要な局面)
8. 財務諸表分析
- 売上(経常収益に近い概念としてのTotal Revenue)
- 2022/3:737億円
- 2023/3:708億円
- 2024/3:896億円
- 直近12か月:892億円前後(資料により概念差で95.2十億円表示もあり)
- コメント:3年で増加基調に転換、直近四半期(2026/3期1Q)は前年同期比+22.1%
- 利益
- 税引前利益:2022/3 160億円 → 2023/3 115億円 → 2024/3 145億円 → LTM 207億円
- 親会社純利益:2022/3 116億円 → 2023/3 84億円 → 2024/3 100億円 → LTM 147億円
- 1Q(2026/3期):純利益 52.35億円(前年同期比+28.8%)
- 収益性指標
- 利益率(LTM):営業利益率 28.45%、純利益率 16.7%
- ROE(実績):約5.1〜5.6%
- ROA(LTM):約0.28%(銀行の性質上、低水準が一般的)
- 財務安全性
- 会計上の自己資本比率(連結):4.8%(注:銀行の規制自己資本比率とは異なる)
- 規制ベース(連結総自己資本比率):12.04%(2025/6末、Tier1 10.49%)
- 不良債権額(単体):7,950.8億円? → 提示は79,508百万円(795億円)(2025/6末、前年同月比減少)/対象債権合計比 1.95%
- キャッシュフロー:四半期CF計算書は未作成(銀行特有)
9. 株主還元と配当方針
- 予想配当:100円/株(分割後ベース)⇒ 予想利回り 約2.90%
- 直近実績(分割前換算):年間270円 → 今期予想300円(会社公表値、分割前換算)
- 配当性向:目安約30.1%(会社データ)
- 自己株式:自己株保有 62,900株(0.38%)
- 方針:安定配当を基調(記載の範囲で特別配当・大規模自己株買いは確認できず)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- パフォーマンス:52週変化 +69.98%、β値 -0.03(5年)で市場連動性は低めの統計。
- 直近の値動き:高値更新(3,595円)後に利食いの押し、出来高増。信用買いの積み上がりから、短期的には需給の振れ幅に留意。
- 需給・イベント:
- 次回決算:2025/7/31〜8/4(予定)
- 権利落ち日:2026/3/30(予定)
11. 総評
- 収益は金利上昇局面を追い風に拡大、1Qは二桁増収・増益。預金利息の上昇によるコスト増を、貸出・有価証券収益の増加で吸収している。
- バランスシートは、会計上の自己資本比率は低く見えるが、規制自己資本比率(総資本)12.04%と足元の健全性は一定の水準。NPLは前年より縮小。
- バリュエーションはPER/PBRともに業界平均比でややプレミアム。株価は移動平均線上に位置し高値圏での推移。信用買い残の増加など短期需給の影響に注意。
- 地域密着の顧客基盤とグループの多角化が下支え。一方、金利動向・与信費用・市場金利リスクが主要な変動要因。
12. 企業スコア(5段階:S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上は前年比ほぼ横ばい〜微減だが、3年CAGRは+6%台、直近期は増収・増益。
- 収益性:B
- 根拠:純利益率16.7%、ROE約5%台。日本の地銀水準として中位。
- 財務健全性:B
- 根拠:規制自己資本比率12.04%(Tier1 10.49%)。会計上自己資本比率は低いが、銀行規制ベースでは標準的水準。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PER 11.15倍(業界平均10.7倍)、PBR 0.60倍(同0.4倍)と平均比で割高寄り。
データ出所・補足
– 株価・指標・出来高等:ご提供データ(2025/10/13時点)
– 決算短信(2026年3月期 第1四半期、2025/8/6公表)抜粋
– 業界平均:ご提供の比較値(PER/PBR)
– 注意:銀行は一般事業会社と財務指標の意味合いが異なります(自己資本比率等)。同業比較は目安としてください。
企業情報
銘柄コード | 8522 |
企業名 | 名古屋銀行 |
URL | http://www.meigin.com/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 銀行 – 銀行業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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