オイシックス・ラ・大地(3182)企業分析レポート
株価:1,617円(2025-10-10終値)
市場区分:東証プライム/小売業
時価総額:613.8億円
1. 企業情報
- 事業概要
- 有機野菜・青果、添加物に配慮した加工食品、ミールキット(Kit Oisix)などをECとカタログで販売する食品宅配サブスク大手。ブランドは「Oisix」「大地を守る会」「らでぃっしゅぼーや」ほか。
- サブスク顧客基盤に加え、UI/UX改善や温度帯物流、広告・EC支援などのソリューションも展開。
- M&Aで事業領域を拡張。傘下にシダックス(社会サービス・車両運行等)を抱え、BtoB給食・社会サービス領域にも展開。
- 連結事業(2025.3)
- BtoCサブスク 38%(営業利益率目安10%)
- BtoBサブスク 24%(同1%)
- 社会サービス 20%(同4%)
- 車両運行サービス 11%(同7%)
- その他 7%(同5%)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内の有機・高付加価値食品宅配およびミールキット分野で高い知名度。複数ブランドを束ね、ターゲット層を分散カバーする点が特長。
- BtoB(給食・施設運営等)や社会サービスまで含む広い事業ポートフォリオを有し、食品宅配単体より景気・季節性の分散効果。
- 競争優位性
- サブスク型の安定収益、独自のサプライヤーネットワーク(有機・安全志向)、UI/UXと温度帯物流の運用ノウハウ。
- ミールキットの商品力(安全配慮・時短提案)による継続率確保。
- 課題
- 食品・人件費・物流コスト上昇で収益性が圧迫されやすい構造。
- 競争は生協・量販の宅配、他EC、生鮮クイックコマース、ミールキット専業等と多岐。差別化維持と価格転嫁のバランスが論点。
- 連結に占める低利益率事業の比率が高まると全社のマージン希薄化リスク。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方向性
- 「安全・安心」「時短」「体験価値」を軸にサブスクを拡大。M&Aや事業再編でポートフォリオを適正化し、スケールメリットとシナジーを追求。
- 中期的な重点施策(短信・公表情報の要点)
- BtoCサブスク:ARPU向上(ミールキット・ベビー/キッズ等の高付加価値カテゴリ拡大)、解約率低減、UI/UX改善。
- BtoBサブスク:学校給食等の領域拡大と採算改善(原価・人件費のコントロール)。
- 事業再編:フード/社会サービスの持分比率引き上げ(66%→100%想定)と車両・その他の売却を計画。実行後は売上・EBITDA・営業利益は下期減少見込みだが、持分増加や金利負担減で純利益・EPSは小幅改善見込み(会社見解)。
- サプライチェーン:温度帯物流の効率化、需要予測と在庫最適化、PB拡充。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- サブスク会員料+定期購入によるリカーリング売上が基盤。アップセル(ミールキット等)とクロスセルで顧客生涯価値の積み上げ。
- 変化への適応力
- 原材料・物流コスト上昇には価格最適化・商品ミックス改善で対応。UI/UX改善で継続率・客単価の下支え。
- 事業ポートフォリオの見直し(再編)で資本効率・採算の改善を志向。
- リスク
- 物価・人件費上昇、物流制約、為替・金利、食品安全・法規制、チャーン率上昇など。
5. 技術革新と主力製品
- 主力
- ミールキット「Kit Oisix」:安全配慮・時短訴求。季節商材や限定企画で需要喚起。
- 有機・特別栽培の生鮮・加工品。ベビー・キッズ向け、健康志向ライン。
- 技術・運用
- ECのUI/UX高度化、需要予測アルゴリズム、コールドチェーン運用、移動スーパー/オムニチャネル支援、広告・ECソリューション。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(現在値ベース)
- 予想PER:14.04倍(業界平均 21.3倍)
- 実績PBR:1.81倍(業界平均 1.8倍)
- 予想EPS:115.16円、実績BPS:892.21円
- 配当利回り(会社予想):0.99%(年間16円)
- EVベースの概算
- EV ≒ 時価総額 613.8億 + 有利子負債 501.7億 − 現金等 209.8億 = 約905.7億円
- LTM売上高:約2,592億円 → EV/S ≈ 0.35倍
- LTM EBITDA:約141億円 → EV/EBITDA ≈ 6.4倍
- 所見(相対比較の事実整理)
- PERは業界平均を下回る水準、PBRはほぼ同水準。EV/EBITDAは一桁中盤(概算)。
- 成長率や収益性、事業再編の影響を織り込む必要がある点に留意。
7. テクニカル分析(短期〜中期)
- 直近推移(10日):1,778円→1,617円へ調整。出来高は10日平均23.3万株(3カ月平均21.0万株)でやや増加。
- 乖離
- 50日移動平均:1,724.5円 > 現在値(1,617円)
- 200日移動平均:1,531.3円 < 現在値
- 位置づけ
- 52週高値:1,997円、安値:1,014円。現在値は高値比約-19%、安値比約+60%。
- 短期は調整基調、長期は上昇トレンド維持という中間帯の位置。
8. 財務諸表分析
- 成長(売上・規模)
- 売上高:1,134億円(2022/3)→1,152億円(2023/3)→1,484億円(2024/3)→2,560億円(LTM)
- 3年CAGRは約32%(M&A・連結範囲拡大の寄与を含む)。直近1Qの売上成長率は+5.1% YoY。
- 収益性(LTM)
- 粗利率:約29%(セグメント構成の変化で低下傾向)
- 営業利益:68.6億円、営業利益率:約2.7%
- 当期純利益:36.4〜40.5億円(データ差あり)、純利益率:約1.6%
- EBITDA:約141億円、EBITDAマージン:約5%台
- セグメントではBtoCサブスクの収益性が相対的に高い一方、BtoB・社会サービスは低〜中位。
- 効率性・資本収益
- ROE:10.3%(LTM)〜12.2%(実績)、ROA:3.3%
- 総資産回転(簡易):約0.49(四半期年換算の参考値)
- 財務健全性・流動性
- 自己資本比率:22.6%(連結)
- 総有利子負債:約501.7億円、現金等:約209.8億円 → ネットデット約292億円
- 流動比率:0.97(流動資産 < 流動負債に近い水準)
- D/E(簿価):約125%
- 金利負担耐性(概算):EBIT/利払い ≈ 9〜10倍、EBITDA/利払い ≈ 17倍
- コメント
- 売上は拡大、利益は薄利だが改善傾向。事業ミックス(低マージン事業比率)とコスト上昇がマージンの制約要因。
- 流動性・レバレッジはややタイト。再編とキャッシュ創出での改善進捗に注目。
9. 株主還元と配当方針
- 会社予想配当:年間16円(中間8円・期末8円)、予想配当利回り約0.99%。
- 予想配当性向(概算):16円 ÷ 115.16円 ≈ 約14%。
- 自己株式:約8.66%保有(3,295千株)。自社株の取得・消却方針等の詳細は開示ベースで確認が必要。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 需給
- 信用買残:326千株(前週比+3.6千株)、信用倍率:2.73倍。買い残の積み上がりは短期の上値圧力要因になり得る一方、回転が高まれば流動性は確保。
- 関心度
- 出来高は3カ月平均を上回る場面が増加。Beta(5年):1.01で市場並みの価格感応度。
- 予定イベント
- 2025/11/13:決算発表予定(会社イベント)
- 2026/3/30:権利落ち予定(配当)
11. 総評
- マルチブランドの食品宅配サブスクとミールキットに強み。近年はM&AでBtoB・社会サービスにも裾野を広げ、売上規模を拡大。
- 収益性は事業ミックスとコスト環境の影響で薄利だが、サブスクの継続率改善や商品ミックス最適化での改善余地あり。
- 財務面は自己資本比率・流動比率がややタイトで、レバレッジは高め。事業再編による資産・負債構成の変化とEPSへの影響開示に注目。
- バリュエーションはPERが業界平均を下回る水準、PBRは同程度。EV/EBITDAは一桁中盤。今後は再編の実行タイミング・条件と、その後の成長・収益性のトレンドが評価の焦点。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 3年CAGR約32%、LTMで大幅な増収(M&A・連結範囲拡大含む)。直近期のYoYは+5%。
- 収益性:B
- 粗利約29%、営業利益率約2.7%、EBITDA率約5%台。業態特性上は標準〜やや薄利、改善余地あり。
- 財務健全性:C
- 自己資本比率22.6%、流動比率0.97、D/E約125%とややタイト。利払い耐性は確保。
- 株価バリュエーション:A
- PERは業界平均を下回り、PBRは同程度。EV/S約0.35倍、EV/EBITDA約6.4倍(概算)。
参考データ抜粋
– LTM:売上約2,592億円、営業利益約68.6億円、純利益約36.4〜40.5億円、EBITDA約141億円
– ROE:10.3%(LTM)〜12.2%(実績)、ROA:3.3%
– 予想EPS:115.16円、予想配当:16円、予想PER:14.04倍、PBR:1.81倍
– 50日MA:1,724.5円、200日MA:1,531.3円、年初来高値:1,997円、同安値:1,014円
企業情報
銘柄コード | 3182 |
企業名 | オイシックス・ラ・大地 |
URL | https://www.oisixradaichi.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 小売 – 小売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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