芝浦機械(6104)企業分析レポート
株価:4,200円(2025-10-10終値)/市場区分:東証プライム/時価総額:約1,042億円
本資料は提供データに基づく客観的な情報整理です。投資判断はご自身でご確認ください。
1. 企業情報
- 概要
- 射出成形機・ダイカストマシンを中心とする「成形機」が主力(売上構成:約81%)。工作機械(約13%)、制御機械(約5%)も展開。東芝から資本離脱(自己株取得)により独立色を強化。
- 海外売上比率が高い(約77%)。主要拠点は日本、中国、インド、北米等。
- 事業内容(連結)
- 成形機:射出成形機、押出成形機、ダイカストマシン等
- 工作機械:大型門形・横中ぐり・立旋盤、超精密加工機等
- 制御機械:産業用ロボット、電子制御装置等
- その他:材料加工、環境測定等
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 射出成形機・ダイカストで国内大手の一角。大型機、超精密加工など技術難度の高い領域に強み。
- 顧客業界は自動車、電機・電子、包装、電池関連等に広がるが、電池関連装置(セパレータフィルム製造装置等)の影響度が高い局面。
- 競争優位と課題
- 優位性:大型機・高精度機の技術、海外生産(インド)や中国OEM移行によるコスト・供給体制、システムエンジニアリング(装置一式)対応力。
- 課題:受注残の大幅減少(成形機)、中国・EV関連需要の変動、主要顧客依存度の高さ、為替・地政学の外部要因。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略(中計2026)
- 2027年3月期目標:売上高2,000億円、営業利益率10%、ROE 9.5%以上。
- 重点施策:
- 事業ポートフォリオ転換、直販・システムエンジニアリング強化
- 生産最適化:インド工場増設、中国は人員最適化+OEM移行
- 地域×製品の強化:北米で超精密加工機を拡販
- 新領域:超大型ダイカスト(ギガキャスト)参入、次世代電池(ドライ電極・全固体電池)への布石(AM Batteries出資)
- ESG・DX推進、人的資本投資
- 2025年3月期の進捗
- インド増設稼働、超大型ダイカスト受注、中国構造改革、電池関連の先行投資・連携を実施。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 主要は装置販売(成形機・工作機械)、保守・アフターサービスも継続収益に寄与。
- 持続性評価のポイント
- グローバル分散と生産最適化によりコスト・供給安定性は向上。
- 一方で設備投資サイクルに左右されやすい業種特性。電池関連需要の変動、主要顧客集中はボラティリティ要因。
- 受注残の減少(成形機)が短期の稼働率・売上に影響しうるため、非電池分野や地域分散の進捗が鍵。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 大型・高精度の成形・加工領域に強み。電池セパレータフィルム製造装置、超大型ダイカスト(ギガキャスト)対応など成長テーマに沿った製品開発。
- 次世代電池(ドライ電極)等の将来技術に投資。
- 収益牽引
- 成形機事業が利益の大半を創出。2025年3月期は電池関連装置の動向が売上に寄与する一方、受注残は大きく減少。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価:4,200円
- 指標比較
- EPS(実績):529.56円 → 実績PER:約7.9倍
- EPS(会社予想):139.65円 → 予想PER:約30.1倍
- BPS(実績):4,901.31円 → PBR:約0.86倍
- 配当利回り(予想):3.33%(1株配当140円)
- 参考:業界平均 PER 16.6倍、PBR 1.4倍
- コメント
- 実績ベースではPERは業界平均を大きく下回る一方、会社予想(減益見通し)ベースではPERが高水準。
- PBRは1倍未満で資産面では抑制的な評価。割安・割高の混在(利益見通しに依存)。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均:4,142.9円、200日移動平均:3,656.9円。株価は両移動平均を上回り、中期的な上昇基調は維持。
- 位置
- 52週高値:4,475円、安値:2,944円。現在値は高値から約6%下、レンジ上側の水準(高値圏寄り)。
- 需給・モメンタム補足
- 直近10日で4,170~4,295円のもみ合い。出来高は3カ月平均(約11.8万株)に対し直近はやや軽め。
- 信用倍率0.99倍(中立)。買い残微減・売り残増で短期はやや上値重さも。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(百万円)
- 売上高:168,191(2025/3)→ 前期比+4.7%(3年で約1.56倍)
- 営業利益:14,095(同 +3.5%)
- 当期純利益:12,597(同 △29.7%:前期の一時利益反動)
- 収益性
- 粗利率:約31.8%(53,547/168,191)
- 営業利益率:約8.4%(14,095/168,191)
- 当期純利益率:約7.5%
- ROE(実績):11.01%、ROA(LTM):3.21%
- キャッシュフロー・財政状態
- 営業CF:+83億円、投資CF:+9億円(資産売却入)、財務CF:△65億円
- 現金等:577.9億円、有利子負債:101.4億円 → ネットキャッシュ基調
- 自己資本比率:58.7%、流動比率:2.22倍、D/E:約8.8%(健全)
- トレンド・留意
- 3年CAGRは高いが、直近期(LTM)では「四半期売上成長率YoY:△26.9%」と減速。
- 成形機の受注残が大幅減(前年比△42%超)。短期の売上・稼働への影響に留意。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 実績(2025/3):年間140円(中間70・期末70)、配当性向約26.4%
- 予想(2026/3):年間140円計画(業績予想との関係で予想配当性向が高水準になる注記あり)
- 自己株買い
- 当期に約20億円の自己株取得を実施。総還元性向を意識し、機動的実施を示唆。
- 5年平均配当利回り:3.16%(現行利回りは概ね同水準~やや上)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落率:約+9.2%。200日線上での推移が続き、中期的には改善傾向。
- 直近は高値圏での持ち合い。出来高は鈍化傾向。
- 関心テーマ・株価ドライバー
- EV・電池関連装置(セパレータ、ドライ電極等)、ギガキャスト向け超大型ダイカスト機、インド市場の堅調さ、為替動向。
- 受注残推移とFY26の減収・減益見通しの修正有無が注目点。
11. 総評
- 成形機を核に大型・高精度領域での技術蓄積と海外展開が強み。インド増強・中国OEM移行など構造対応も進む。
- 2025/3期は増収・営業増益だが、純利益は一時益反動で減益。受注残減やEV関連の変動で短期の不確実性は残る。
- 財務体質は堅健(高流動比率、ネットキャッシュ、自己資本比率58.7%)。配当は安定志向、自己株買いも実施。
- バリュエーションは「実績PERでは低位、予想PERでは高位」と混在。PBRは1倍未満。
- 中計は収益性改善(営業利益率10%)と成長の両立を掲げるが、外部環境(中国・EV・地政学)と受注動向が達成可否のカギ。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:3年CAGR約+16%と高い一方、直近四半期YoYは減速(△26.9%)。中長期は評価、短期の減速は留意。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率約32%、営業利益率約8%。機械業界として中位水準と評価(業界平均データ未提示のため中立寄り)。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率58.7%、流動比率2.22倍、ネットキャッシュ。指標は良好。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:実績PERは低位、予想PERは高位、PBRは0.86倍。割安・割高が混在し総合中立。
参考データの出所:提供の決算短信要約、財務・株価・指標データ。数値は百万円・円ベースで丸めの影響あり。記載内容は事実の整理であり、特定の投資行動を勧誘するものではありません。最新の有価証券報告書、決算説明資料等も併せてご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 6104 |
企業名 | 芝浦機械 |
URL | https://www.shibaura-machine.co.jp/jp/index.html |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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