セブン&アイ・ホールディングス(3382)企業分析レポート
株価(終値):1,961.5円(2025-10-14)
市場:東証プライム|業種:小売(Grocery Stores/Consumer Defensive)
本レポートは公開情報に基づく一般的な企業分析であり、投資勧誘や個別銘柄の推奨を目的とするものではありません。
1. 企業情報
- 概要
- 国内外でコンビニエンスストア(セブン‐イレブン)を中心に、スーパー(イトーヨーカ堂、ヨーク等)、金融(セブン銀行)などを展開。2023年に百貨店を売却済み。2025年6月に銀行事業を連結範囲から除外、2025年9月にスーパーストア等を分離。
- セグメント
- 国内コンビニ、海外コンビニ、スーパーストア、金融関連、その他(専門店・不動産等)
- 連結売上構成(参考):国内CVS 8%、海外CVS 77%、スーパー12%、金融2%、他2%(かっこ内は営業利益構成比のイメージ)
- 事業の核
- 国内・北米のセブン‐イレブンが利益の柱。フランチャイズを主としたCVSモデルで高い収益性・安定性を志向。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内CVS市場で最大規模の店舗網・ブランド力を保有。海外では北米を中心に7‑Eleven, Inc.が広域展開。
- 競争優位性
- ブランド認知、フランチャイズ網、商品開発力(中食・惣菜、プライベートブランド「セブンプレミアム」等)、サプライチェーンの最適化力。
- 課題
- 原材料・人件費・エネルギーコストの上昇、為替の影響、国内人口動態の変化による需要構造のシフト。ドラッグストアやディスカウント等、異業態との競合も継続。
3. 経営戦略と重点分野
- ポートフォリオ再編
- 2023年:百貨店売却。2025年6月:セブン銀行を持分法化(連結除外)。2025年9月:スーパーストア等の分離。コンビニ集中型ポートフォリオへ再構築。
- 重点施策(2025年「7‑Elevenの変革」)
- フレッシュフードの差別化(出来立て・中食の強化)
- 店舗ネットワークの最適化・強化
- デジタル(7NOW等)による即時配送・利便性の最大化
- 顧客エンゲージメント強化(マーケティング組織の強化)
- 北米の収益改善
- 既存店売上の地域差に対応し、コスト最適化と荒利率改善を継続。
- 資本政策
- 大型の自己株式取得枠(上限4億株/総額6,000億円)。中間期に約1.33億株取得済み(期末自己株式数1.41億株)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- フランチャイズ中心のCVSは固定費負担が相対的に軽く、景気変動耐性が比較的高い。日配・中食比率の高まりで高付加価値の追求が可能。
- 変化への適応
- 物価上昇・消費二極化に対応した価格帯・商品構成、デジタル経由の即時ニーズ取り込み(7NOW)、店舗オペレーションの効率化を推進。
- リスク
- 為替(米ドル・人民元)、原材料高、規制・税制変更、事業分離・M&Aに伴う一時的な財務数値の振れ。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・デジタル
- 7NOWの活用、アプリ・デジタルマーケティングの強化、データ活用による商品・販促最適化。
- 主力商材
- 中食(惣菜・出来立て商品)、プライベートブランド「セブンプレミアム」、即時性の高い日配・飲料・スナックなどが収益を牽引。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価:1,961.5円
- 予想EPS:104.07円 → 予想PER:約18.85倍(会社データ)
- 実績BPS:1,453.02円 → PBR:約1.35倍
- 配当:年間50円(予想)→ 予想配当利回り:約2.55%、配当性向:約47.7%
- 相対比較(業界平均)
- PER:業界平均21.3倍に対し同社18.85倍
- PBR:業界平均1.8倍に対し同社1.35倍
- コメント
- PER・PBRともに業界平均比で低位。事業分離(銀行・スーパー)に伴う収益構造変化・一時要因を織り込みつつ、コンビニ集中戦略の進捗が評価軸。
7. テクニカル分析
- 範囲と移動平均
- 年初来高値:2,550円/年初来安値:1,826円
- 50日移動平均:1,981.82円、200日移動平均:2,170.43円
- 現在値は50日線をやや下回り、200日線を明確に下回る位置。レンジでは下寄り〜中位。
- 直近の値動き
- 直近10日で1,900~2,000円近辺のもみ合い。出来高は3カ月平均(約974万株)に対し本日は1,364万株とやや膨らみ。
- 信用動向
- 信用買残:1,055万株、信用倍率11.68倍。買残は前週比で減少(解消進行)。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結、円)
- 売上高:2022年8.75兆 → 2023年11.81兆 → 2024年11.47兆 → 2025年11.97兆 → LTM 12.02兆
- 営業利益:2022年3,876億 → 2023年5,065億 → 2024年5,342億 → 2025年4,210億 → LTM 4,267億
- 当期純利益:2022年2,108億 → 2023年2,809億 → 2024年2,246億 → 2025年1,731億 → LTM 2,007億
- コメント:売上は増加基調。一方で営業利益は2024年ピークから調整。2026年通期予想は純利益2,650億円(前年同期比+53.1%)で一時要因も含む計画。
- 収益性
- 粗利率:約29%(LTM)、営業利益率:約3.6%(売上高基準の試算)/別開示ベースLTM営業利益率5.93%
- EBITDA(LTM):約1.01兆円、EBITDAマージン(概算)8%台
- 効率性・資本効率
- 実績ROE:4.47%、ROA(LTM):2.57%
- 財政状態・CF
- 自己資本比率:35.4%(実績)
- D/E(総負債/資本):約111%(直近四半期)
- 流動比率:0.70(小売業特性もあり低め)
- 営業CF(LTM):7,161億円、レバードFCF(LTM):▲3,820億円(投資・自社株買い等の影響)
- のれん残高:2.01兆円(中間期時点、減少傾向)。無形資産の大きさは留意点。
- セグメント動向(2026年2月期中間)
- 国内CVS:売上横ばい、利益はやや減少(コスト上昇影響)
- 海外CVS:売上は為替等で減少、利益は増加(コスト・荒利改善)
- スーパーストア:構造改革で利益改善
- 金融:セブン銀行を連結除外
- 注意
- 期中に連結範囲の変更があり、前年比較にはスコープ差の影響。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 年間予想50円(中間25円・期末25円)。5年平均利回り1.94%に対し、現状利回り2.55%。
- 予想配当性向:約47.7%(予想EPS基準)。
- 自社株買い
- 上限4億株/6,000億円の枠を実施中。中間期に約1.33億株取得。自己株の増加によりBPS・EPSの押し上げ効果。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週変化率:▲16.46%。200日線を下回るトレンドで、戻り待ちの局面。決算日時点前後で出来高増加。
- 関心材料
- コンビニ集中戦略の進捗(国内フレッシュフード差別化、北米の収益改善)
- 事業分離後の連結数値の新基準(銀行・スーパー除外後の「純粋CVS」体制)
- 自社株買いの進捗と消却方針
- 為替動向(米ドル)・原材料価格動向・国内消費環境
11. 総評
- 事業再編を通じて「コンビニ集中」へ明確に舵を切り、コア事業の競争力(商品・デジタル・ネットワーク)強化に投資。売上は増加基調だが、コスト上昇や為替影響により利益は調整中。スーパーストア改革の効果は表面化しつつあり、北米もコスト・荒利改善で利益を確保。
- 財務は安定性と積極的な資本配分の両立を志向する一方、D/Eや流動比率、のれん規模などの指標は継続的なモニタリングが必要。
- バリュエーションは業界平均比で低位水準。テクニカル面では中長期トレンド下でのレンジ推移。今後は事業分離後の新体制での収益力(とりわけ国内・北米CVS)と資本政策の実行状況が注目点。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上は前年比増(約+4~5%)。3年CAGRもプラス。コアのCVS集中で中期的な伸長余地。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率約29%、営業利益率は売上基準で約3~6%レンジ(指標により差)。小売としては標準的。
- 財務健全性:C
- 根拠:自己資本比率35.4%(40%未満)、流動比率0.70、D/E約111%。安定CFはあるが杠杆水準は中位~やや高め。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PER18.85倍・PBR1.35倍と業界平均(21.3倍、1.8倍)比で低位。赤字ではなくPER比較が可能。
■ 参考データ(抜粋)
– 時価総額:約5.11兆円/発行済株式数:2,604,555,849株
– ROE(実績):4.47%/自己資本比率:35.4%
– 予想配当:50円、予想利回り:2.55%、Ex-Div:2026-02-26
– 次回決算予定:2026-01-08(予定)
(注)一過性損益や連結範囲の変更により、期間比較に歪みが生じる可能性があります。開示の数値は資料ごとに定義が異なる場合があり(売上高/営業収益等)、文脈に応じて解釈しています。
企業情報
銘柄コード | 3382 |
企業名 | セブン&アイ・ホールディングス |
URL | http://www.7andi.com/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 小売 – 小売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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