1. 企業情報
- 概要・事業内容
- 外用消炎鎮痛貼付剤のパイオニア。「サロンパス(OTC)」や医療用貼付剤「モーラステープ/モーラスパップXR」など、経皮吸収型製剤(TDDS:Transdermal Drug Delivery System)に強み。
- 医療用では鎮痛消炎パッチの国内シェア約5割。OTCではサロンパスが国内外で高いブランド認知。
- 女性ホルモン、喘息、過活動膀胱などの貼付剤も展開。米国・アジア・欧州へ輸出・販売。
- 連結売上の海外比率は47%(2025.2期)。
- 基本情報
- 市場区分:東証プライム(医薬品)
- 本社:佐賀県鳥栖市
- 従業員:2,799人、平均年齢39.2歳、平均年収753万円
- 代表者:中冨 一榮
- 直近イベント
- 決算発表予定:2026-01-08
- 権利落ち日(予定):2026-02-26
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 経皮吸収型の外用鎮痛貼付剤で国内首位。OTCの「サロンパス」はグローバルブランド。
- 医療用領域では貼付型鎮痛消炎剤の国内シェア約50%を確保。
- 競争優位性
- TDDSにおける製剤設計・粘着・基材技術の蓄積、ブランド力(サロンパス)、広範な販売網。
- 高い自己資本比率と豊富な手元資金により、研究開発・海外展開の投資余力が大きい。
- 課題
- 国内は薬価改定・後発医薬品促進による価格下押し圧力。
- OTCは国内外での販売競争や物流体制変更、為替変動(円高)による影響。
3. 経営戦略と重点分野
- 全体方針
- 「貼る」技術を核に、医療用・OTCの両輪で収益基盤を拡大。海外(特に米国)でのプレゼンス強化。
- 重点領域(会社開示・決算短信の示唆)
- 医療用:女性ホルモンなど経皮ホルモン領域の拡大、鎮痛消炎貼付剤の高機能化・長時間化。
- OTC:サロンパスのグローバル・マーケティング強化、チャネル政策と物流体制の見直し。
- 収益性:原価低減で粗利改善、SG&Aの効率化。
- 資本政策:自己株式取得・消却の活用(2025年6月に自己株式1,000万株消却を実施)。
- 通期見通し(会社予想、変更なし)
- 売上高165,000百万円、営業利益20,000百万円、純利益22,000百万円、EPS 303.89円。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 医療用(処方)とOTC(セルフメディケーション)の分散ポートフォリオ。主力は反復需要が見込める鎮痛・整形外科系。
- 構造的需要
- 高齢化に伴う慢性疼痛対応需要、経皮ホルモン等の継続治療需要は底堅い。
- 適応力
- 海外比率を高め地域分散。TDDSのコア技術展開により新規適応の拡大余地。
- リスク
- 国内薬価改定・選定療養による価格下押し、為替の影響、OTC販売競争・物流再構築の短期影響。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- TDDSの製剤設計(基剤・粘着・放出制御)、大面積貼付・長時間製剤(例:モーラスパップXR)などに強み。
- 主力製品
- 医療用:モーラステープ/パップXR(鎮痛消炎)、ホルモンパッチ等。
- OTC:サロンパス、フェイタス、ノビノビ等。米国・アジアでもブランド展開。
- 収益牽引
- 2026年2月期上期は米国の医療用(女性ホルモン)で大幅増収。一方、国内OTCは競争・物流影響で減収。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(現値 4,113円)
- 予想PER:13.49倍(業界平均:27.8倍)
- 実績PBR:1.10倍(業界平均:1.4倍)
- 予想EPS:303.89円、実績BPS:3,734.49円
- EV/売上(LTM):約1.27倍(EV≒3,081億−1,129億+238億円)
- EV/EBITDA(LTM):約8倍(EBITDA約2,486億円)
- コメント
- 利益・簿価に対する倍率はいずれも業界平均を下回る水準。配当利回りは会社予想ベースで約2.9%(普通90円+記念30円)。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均:4,228円、200日:4,215円。現値は両移動平均を下回り、短期は弱含み。
- 年初来レンジ:3,783〜4,735円。現値はレンジ下寄り。
- モメンタム
- 直近10日株価は4,250円台から4,100円近辺へやや軟化。出来高は3カ月平均(約19万株)に対し直近やや増加。
- 需給
- 信用倍率2.29倍。信用買残は前週比で減少、売残は増加と、短期的には需給がやや重いサイン。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結、百万円)
- 売上高:120,193(2022)→128,330(2023)→141,706(2024)→156,006(2025)→LTM 154,861
- 営業利益:9,337→11,600→13,167→18,896→LTM 18,112
- 親会社純利益:9,658→11,742→13,969→21,758→LTM 19,534
- 3年CAGR(売上):約+8〜9%
- 2026年2月期上期:売上74,943(前年比▲0.7%)、営業利益8,128(▲9.7%)
- 収益性(LTM)
- 粗利率:約59.2%(GP 91,677/売上 154,861)
- 営業利益率:約11.7%
- 当期純利益率:約12.7%
- ROE:実績8.04%(LTM指標7.39%)、ROA:3.28%
- キャッシュフロー(LTM)
- 営業CF:165.6億円、レバードFCF:39億円
- 上期(中間累計)FCFは▲55億円(投資・自己株関連の支出影響)
- 財務健全性
- 自己資本比率:80.6%(中間期79%)
- 流動比率:約3.9倍、D/E:約0.9%(実質無借金に近い)
- 手元資金:1,129億円、総有利子負債:24億円規模
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2026年2月期会社予想:年間120円(中間60・期末60、うち記念配30円、普通配90円)
- 予想配当利回り:約2.93%(現値ベース)
- 予想配当性向の目安:120円/EPS 303.89 ≒ 約39.5%(普通配ベースでは約29.6%)
- 自己株式
- 2025年6月に自己株式1,000万株を消却。中間期末の自己株式数404万株。資本効率改善に資する施策を実施。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 50日・200日線を下回る推移で短期は上値が重い。年初来では約+5%のレンジ内推移。
- 投資家関心
- β(5年):0.42と低ボラティリティ。直近10日出来高は3カ月平均をやや上回る。機関保有比率約35%、インサイダー保有約23%。
11. 総評
- 事業面
- 経皮吸収型製剤の中核技術とブランドを強みに、医療用・OTCのポートフォリオで安定性を確保。米国の医療用が伸長し海外比率が上昇。
- 収益・財務
- 粗利率・営業利益率は堅調で、自己資本比率80%超の強固なバランスシート。上期はSG&A増と特別利益縮小で減益だが、粗利は改善。
- バリュエーション・株価
- PER・PBRとも業界平均を下回る水準。短期テクニカルは中立〜弱含み、需給はやや重いサイン。
- リスク
- 国内薬価・後発薬動向、為替、OTC販売競争・物流体制変更の進捗が業績変動要因。
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 3年CAGR約+8〜9%、2025期は2桁成長。直近期は小幅減収だが通期は増収計画。
- 収益性:B
- 粗利率約59%、営業利益率約12%。業界内で中位〜やや良好のレンジ。
- 財務健全性:S
- 自己資本比率80%超、実質無借金、流動比率高水準。
- 株価バリュエーション:A
- PER・PBRとも業界平均を下回る水準、EV/EBITDA約8倍、配当利回りは平常時平均を上回る水準。
企業情報
銘柄コード | 4530 |
企業名 | 久光製薬 |
URL | http://www.hisamitsu.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 医薬品 – 医薬品 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。