日置電機(6866)企業分析レポート
注記:本資料は公開情報の整理・分析であり、投資助言を行うものではありません。数値はご提供データに基づきます。不明項目は記載を省略しています。
1. 企業情報
- 概要:電気計測器の専業メーカー。データロガー・メモリレコーダ、オシロスコープ、電力計・パワーアナライザ、LCR/インピーダンス計、バッテリーテスタ、絶縁・耐電圧計、クランプメータ、各種プローブ/センサなど幅広いラインアップを展開。モビリティ(EV/HEV)、バッテリー、モーター、エネルギー、電子部品、インフラ向けに強み。
- 事業構成(2024.12、連結・売上構成比):自動試験装置9%、記録装置15%、電子測定器50%、現場測定器21%、周辺装置他5%。海外売上比率63%。
- 会社基礎情報:設立1952年、本社 長野県上田市。従業員1,136人。プライム市場上場。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界位置付け:電子計測器の中堅。国内では(例)横河計測、アンリツ等、海外ではKeysight、Tektronix、Rohde & Schwarz等の大手が存在する中、同社は電力計測・バッテリー関連・現場向け携帯計測のニッチに厚い製品群を持つ。
- 競争優位性
- 製品ポートフォリオの広さと電流・電力計測分野の技術蓄積(クランプ/電流プローブ、パワーアナライザ等)。
- アジア中心のグローバル販売網(海外比率63%、特にアジア46.6%)。
- 高い財務健全性と継続的なR&D投資余力。
- 課題
- 設備投資サイクルの影響を受けやすい(短期では半導体/FA/自動車の投資抑制の波及)。
- 為替・関税・地域需要(日本/韓国の弱さ、中国の回復など)の変動リスク。
- 大手計測器メーカーとの技術・価格競争。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/中計:Vision 2030。エネルギー転換・電動化領域の計測需要を重点に、製品開発、マーケット軸の事業開発、GHGプロトコルに基づく脱炭素対応を推進。
- 重点施策(直近期の実行事項)
- 技術/製品:EV整備向け抵抗計、DC高電圧プローブ、メモリハイコーダ等の新製品投入。横浜R&Dセンター設置で開発力強化。
- 地域/販売:シンガポールへの機能移転、ベトナム販売拠点開設(2025年6月)。アジア販売のテコ入れ。
- 生産/管理:生産最適化、在庫回転改善、組織見直し・コーポレートガバナンス強化(社外取締役過半)。
- 業績見通し(会社計画)
- 2025年通期予想:売上高414.3億円(+5.5%)、営業利益75.3億円(+0.1%)、純利益58.4億円(-5.6%)、EPS 431.5円。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:ハードウェア販売を主軸に、プローブ/アクセサリ、保守・校正サービスが継続収益を補完。電動化/再エネ・バッテリー評価など構造的成長領域に注力。
- 適応力:新製品投入とR&D強化、アジアでの販売体制拡充により需要変動への耐性を向上。為替/マクロ逆風下でも粗利率改善の取り組みが進む一方、数量が伸びない局面では販管費のレバレッジが効きにくい点はリスク。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発:電力・電流計測、バッテリー計測、データ収集/解析のコア技術を深化。直近ではEV/高電圧対応、記録解析機器の高性能化。
- 収益牽引領域:電子測定器(構成比約49%)と現場測定器(約22%)が主力。バッテリー関連、パワーアナライザ、クランプセンサ、メモリハイコーダ等が柱。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価5,970円、EPS(会社予想)431.50円、BPS 3,005.68円、業界平均PER 24.2倍・PBR 1.6倍。
- 指標比較
- PER:13.84倍(業界平均24.2倍対比で低位)
- PBR:1.99倍(業界平均1.6倍を上回る)
- 配当利回り:3.35%(会社予想、1株配200円)
- 概算EV/S:約1.7倍(時価総額837億円、手元資金164億円、売上401億円ベースの概算)
- 評価コメント:収益性・財務健全性を背景にPBRはやや高めだが、PERは同業平均を下回る水準。中期の成長投資と安定配当を織り込みつつも相対的に中立〜やや割安寄りのバリュエーションに位置。
7. テクニカル分析(短期観点)
- トレンドと位置
- 株価:5,970円(本日安値引け)
- 50日移動平均:6,068円、200日移動平均:6,323円 → いずれも下回り、短中期は弱含み。
- 52週レンジ:5,260〜8,740円(年初来高値8,190/安値5,260)→ 下限寄りのゾーン。
- モメンタム:直近10日で6,360→5,970と反落。出来高は本日5.0万株で3カ月平均(約3.1万株)を上回り、下落局面での出来高増加。
- 信用需給:信用倍率2.33倍。買い残減少・売り残増加(前週比)で、短期は上値重い需給。
8. 財務諸表分析
- 成長(売上・利益)
- LTM売上:401.5億円(前年比+約2.2%)
- 3年CAGR(2021→2024):約+10%(292億→393億)
- LTM営業利益:74.7億円(営業利益率約18.6%)
- LTM純利益:58.6億円(純利益率約14.6%)
- 収益性
- 粗利率:約51%(LTM)
- 営業利益率:約18.6%(LTM)
- ROE:16.08%(実績)、ROA:10.40%(LTM)
- キャッシュフロー(中間期ベース)
- 営業CF:+22.3億円、投資CF:-24.8億円(設備投資)、財務CF:-13.5億円(配当等)
- LTM営業CF:94.4億円、LTMフリーCF:約44.7億円
- 安全性
- 自己資本比率:82.7%(実績、直近期は88.8%)
- 流動比率:667%
- 現金等:164.6億円、実質無借金に近い構成
- トレンド
- 2021→2024で売上・利益とも増加基調。直近は数量伸び悩みで増益が鈍化、粗利率は改善。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:通期200円(中間100円・期末100円)予定。配当性向目安:予想EPSベースで約46%。
- 自己株式:発行済の約3.5%を保有。足元での新規自社株買いの開示は確認情報なし。
- コメント:安定配当を重視する姿勢がうかがえる一方、強固な財務基盤は将来的な柔軟な還元余力も示唆。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週で-25%程度とアンダーパフォーム。β(5年)0.49で低ボラティリティ。
- 需給・関心
- インサイダー保有27.9%、機関保有20.7%と安定株主色。
- 信用買残減少・売残増加は短期警戒感を反映。
- 影響要因
- 受注/設備投資サイクル、アジア需要(特に中国の回復度合い)、為替動向。
- 新製品の市場浸透、R&D/生産最適化の成果、粗利率の持続性。
11. 総評
- 事業:電動化・エネルギー転換の長期潮流に合致する製品群を保有。海外比率が高くアジアに強み。
- 財務:高い自己資本比率と潤沢なキャッシュで投資・還元の両立余地が大きい。収益性指標も良好。
- 業績:LTMでは増収維持、粗利率改善。一方で数量の伸び悩みや地域差で増益は鈍化。短期的には需要と為替の不確実性が残る。
- バリュエーション:PERは業界平均を大きく下回り、PBRはやや上振れ。総合的には中立〜やや割安寄り。
- テクニカル/需給:価格は下限圏、移動平均を下回り短期は弱含み。出来高増の下落や信用需給は短期の重さを示唆。
12. 企業スコア
(欠損データはB、一過性損益は除外を基本)
– 成長性:A
– 根拠:LTM売上+約2%と足元は低成長だが、3年CAGR約+10%と中期では堅調。
– 収益性:A
– 根拠:粗利率約51%、営業利益率約18.6%、ROE16%と高水準。
– 財務健全性:S
– 根拠:自己資本比率80%超、流動比率600%超、実質無借金。
– 株価バリュエーション:A
– 根拠:PER13.8倍と業界平均24.2倍を大幅に下回る一方、PBRは1.99倍で平均1.6倍を上回るため総合A。
参考データ(主要数値)
– 株価:5,970円、時価総額:837億円、発行株式:14,024,365株
– PER:13.84倍、PBR:1.99倍、配当利回り:3.35%
– LTM:売上401.5億円、営業益74.7億円、純利益58.6億円、営業CF94.4億円
– ROE:16.08%、自己資本比率:82.7%(直近期88.8%)
– 50日/200日MA:6,068円/6,323円、52週高安:8,740円/5,260円
企業情報
銘柄コード | 6866 |
企業名 | 日置電機 |
URL | http://www.hioki.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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