1. 企業情報
- 概要:投資運用(ファンド運用、自己投資)を主力とする持株会社。日本・中国・香港・ケイマン等で事業展開。Spring REITの運用や、国内外の企業・実物資産への投資、SME向けマッチングサイトの運営等を行う。主要株主に日本政策投資銀行(DBJ)と伊藤忠商事。
- 事業構成(2024.12 連結):ファンド運用70%、自己投資24%、その他6%。地域別では海外53%。
- 市場区分:東証プライム(金融〈除く銀行〉/証券・商品先物業)
- 従業員:125名
- 特色:オルタナティブ投資を軸に、安定的な運用フィー(マネジメントフィー)と変動的な成功報酬・評価益(キャリー、キャピタルゲイン)の両輪。DBJ・伊藤忠との関係を活かした案件発掘・EXITの強み。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内では中堅規模のオルタナ運用会社。Spring REIT運用など不動産・実物資産に強み。PE/成長投資も展開。
- 競争優位性:
- 大手スポンサー(DBJ・伊藤忠)との関係による案件ソーシング力、クロスボーダー取引の実績。
- REIT運用・実物資産投資とPEを併せ持つ分散モデル。
- 課題:
- 成功報酬や自己投資益への依存度が一定水準あり、為替・市況による損益の振れ幅が大きい。
- 規模(AUM)拡大の途上で、同業大手に比べベースフィー比率が相対的に低くなりやすい。
- 海外比率が高く、為替・地政学の影響を受けやすい。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略(短信・開示要旨):
- 投資運用事業の単一セグメントで、REIT・不動産、バイアウト・成長投資を拡大。
- 成功報酬・自己投資収益の不確実性を前提としつつ、案件組成とEXIT機会の積み上げでレンジ型の通期見通しを提示。
- 重点施策・最近の動き:
- Spring REIT保有不動産(英国83物件)を伊藤忠グループに譲渡し、子会社で成功報酬を計上。
- バイアウト2号ファンド、成長投資ファンドで新規投資を実施。
- ベトナム不動産開発(Bcons)に自己投資・合弁契約締結。
- 配賦と安定化:
- 安定フィー(運用報酬)と変動収益(成功報酬・評価益)のバランスを図り、収益ボラティリティの緩和を目指す方針がうかがえる。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:マネジメントフィー+成功報酬(キャリー等)+自己投資のキャピタルゲイン。AUM拡大と投資回収環境が鍵。
- 変化適応力:
- 市況悪化時は成功報酬・評価益が縮小しやすい一方、ベースフィーで一定の下支え。
- 為替・資産価格変動の影響は顕著(今回の円高・REIT評価変動が損益に影響)。
- 財務安全性は高水準(自己資本比率83%台、流動比率13倍)で耐性は相対的に強い。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:伝統的なフィナンシャル・オルタナ投資が中心。SMEマッチングサイトなどデジタルを活用したソーシングの広がりはあるが、テック自体がコア差別化ではない。
- 収益牽引:
- ファンド運用報酬(REIT・PE等)
- 成功報酬(Spring REIT資産入替等のトランザクションに伴う)
- 自己投資(不動産開発、海外案件等)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価825円、会社予想EPS 77.53円、実績BPS 825.35円
- 指標と比較:
- PER(会社予想):10.64倍(業界平均13.3倍を下回る)
- PBR(実績):1.00倍(業界平均1.0倍と同水準)
- 配当利回り(会社予想):2.67%(1株配当22円)
- 参考:TTM EPS 3.55円ベースの見かけPERは非常に高くなるが、会社は成功報酬等の不確実性を踏まえレンジで通期利益を見通し。評価は会社予想ベースが実務的。
7. テクニカル分析
- 位置取り:株価825円は
- 50日移動平均829.9円付近やや下
- 200日移動平均788.3円を上回る
- 52週高値927円から約-11%、52週安値661円から約+25%(レンジ中位〜やや上)
- 直近10日:815〜860円のレンジ推移、出来高は3カ月平均を下回る日が多く、方向感は限定的。
- 信用動向:信用倍率197倍と買い残優位。買残は前週比減少(-1.68万株)。売残は小口。需給は買いに偏るが短期の変動要因になりやすい。
8. 財務諸表分析
- 売上(営業収益に相当、単位:百万円)
- 2021: 4,170 → 2022: 4,598 → 2023: 5,842 → 2024: 5,566 → 過去12か月: 5,241
- 傾向:22年・23年は増収、24年・TTMは減収。TTM YoYは約-5.9%。
- 利益(単位:百万円)
- 営業利益:2021: 1,763 → 2022: 2,055 → 2023: 1,344 → 2024: 975 → TTM: 561
- 当期純利益:2021: 1,304 → 2022: 1,563 → 2023: 1,055 → 2024: 506 → TTM: 69
- 傾向:22年ピーク後は縮小傾向。TTMは為替差損やREIT評価影響で落ち込み。
- マージン(当社計算)
- 粗利率(TTM):約77.2%
- 営業利益率:2023: 約23.0% → 2024: 約17.5% → TTM: 約10.7%
- 純利益率(TTM):約1.3%
- 収益性指標
- ROE:実績(2024)2.92%、TTM 0.77%(低下)
- ROA:TTM 1.76%
- キャッシュフロー
- 2025年中間期 営業CF:-1,366百万円(投資有価証券・評価変動等の影響)
- 現預金:1,825百万円、短期借入金:643百万円(ネットキャッシュ)
- 財務健全性
- 自己資本比率:83.2%(2024末)、83.5%(2025/6末)
- 流動比率:13.29倍、D/E:3.77%(低レバレッジ)
9. 株主還元と配当方針
- 配当:2025年通期予想22円(中間0円、期末22円)、予想利回り2.67%。権利落ち予定:2025/12/29。
- 配当性向:
- TTMベース:約618%(TTM利益が低いため見かけ上高水準)
- 会社予想EPS下限77.53円基準では約28%(平準的水準)
- 自己株式:2025/6末で2,201,777株(発行済の約10.2%)。自己株式保有は1株価値の希薄化抑制に資するが、今後の活用(消却・M&A対価等)は開示待ち。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:年初来は200日線上で堅調さを維持しつつ、直近は50日線近辺でのもみ合い。
- 需給要因:浮動株が少なく(フロート約683万株、インサイダー持分45.7%)、信用買い残が厚いことから、材料出尽くし・想定外のニュースで短期変動が生じやすい構造。
11. 総評
- 収益は22年をピークに縮小局面。TTMでは為替やREIT評価の影響で利益水準が低下。通期は成功報酬・自己投資の変動性を踏まえたレンジ見通し。
- 財務体質は極めて健全(高自己資本比率・低D/E・高流動比率)。市況変動に対する耐性は相対的に高い。
- バリュエーションは会社予想ベースPERで業界平均を下回り、PBRは1.0倍近傍とブック水準。配当は予想利回り2.67%。
- 今後はAUM拡大と運用報酬の積み上げ、為替・資産価格変動のマネジメント、REIT・PEでのEXIT実績蓄積が損益の安定化に重要。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:C
- 根拠:LTM売上成長率がマイナス(約-5.9%)。3年CAGRはプラスだが直近の落ち込みを重視。
- 収益性:C
- 根拠:営業利益率が低下(TTM約10.7%)、ROEも低水準(TTM0.77%)。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率83%台、流動比率13倍、D/E 3.8%と強固。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:予想PERが業界平均を下回り、PBRは1.0倍近辺。
参考データ(抜粋)
– 株価:825円
– 時価総額:177.8億円
– 予想EPS:77.53円、予想PER:10.64倍
– 実績BPS:825.35円、PBR:1.00倍
– 予想配当:22円、利回り:2.67%
– 52週レンジ:661円–927円
– 50日線:829.9円、200日線:788.3円
– 自己資本比率:83.2%、流動比率:13.29、D/E:3.77%
留意事項
– 成功報酬・自己投資収益、為替・資産価格変動により四半期・通期の損益ブレが大きい点に注意。
– 同業比較の詳細AUMや手数料率は本データに含まれないため省略。必要に応じて追加調査が望ましい。
企業情報
銘柄コード | 7347 |
企業名 | マーキュリアホールディングス |
URL | https://www.mercuria.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 金融(除く銀行) – 証券、商品先物取引業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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