LINEヤフー(4689)企業分析レポート
以下は公開情報を基に作成した客観的な企業分析です。投資判断や助言を目的としたものではありません。
1. 企業情報
- 概要:国内有数のインターネット・プラットフォームを複数保有(LINE、Yahoo! JAPAN、ZOZO、アスクル等)。収益はメディア(デジタル広告)、コマース(EC)、戦略(主にPayPay連結のフィンテック)から構成。
- 事業構成(2025.3):メディア38%(営業利益率目安30%)、コマース44%(同12%)、戦略18%(同10%)、その他0%(同-7%)
- 特徴:コミュニケーション(LINE)×ポータル/検索(Yahoo!)×EC(ZOZO等)×決済(PayPay)という大規模ユーザー基盤と決済データを併せ持つ国内横断型エコシステム
- 上場区分:東証プライム
- 従業員:27,003人、平均年齢38.4歳、平均年収884万円
- 親会社:Aホールディングス(議決権の過半数を保有)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内デジタル広告・EC・キャッシュレスの主要プレイヤー。LINEとYahoo!の月間利用者規模・導線を活かした広告配信と、ZOZOやYahoo!ショッピング等のEC、PayPayを中心とした決済・銀行まで一気通貫の導線を保有。
- 競争優位性
- 大規模なファーストパーティ・データ(コミュニケーション/検索/EC/決済)
- グループ内クロスセル(広告→EC→決済)によるLTV向上余地
- 戦略事業(PayPay等)の高成長
- 課題
- 広告は外部プラットフォーム(グローバル大手)との競争が強い
- ECは国内外の大手(Amazon、楽天等)との競争
- データ・金融規制、情報セキュリティ対応コストの上昇
- 事業統合作業・のれん/無形資産償却・非支配持分の影響
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/戦略(会社開示の要旨)
- 成長領域に規律ある投資を継続し、増収・調整後EBITDAの拡大を志向
- メディア/コマースは収益性改善と選択投資、戦略事業(PayPay等)は成長ドライブ
- プロダクト強化と生成AI活用(広告・CRM・運用効率)
- 2026年3月期ガイダンス
- 売上収益:2.1兆円(前年比+9.5%)
- 調整後EBITDA:5,000〜5,100億円(+6.2〜8.3%)
- 調整後EPS:25.9〜26.9円
- セグメント重点
- メディア:アカウント広告(LINE公式アカウント等)の伸長、検索広告は弱含み
- コマース:ZOZO・アスクル・ショッピング等の増収、販促と効率のバランス
- 戦略:PayPay取扱高拡大、PayPay銀行・証券の強化
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:広告(運用/ディスプレイ/アカウント)、EC手数料・販促、金融(決済・銀行・証券)手数料
- 強み:ファーストパーティ・データとID連携による広告・CRMの精度向上、決済や金融への波及
- リスク/適応力:広告景況感の影響を受けやすい一方、決済・金融の拡大やECの取扱高増で分散効果。規制/セキュリティ対応は継続的な投資を要するが、プラットフォームの規模とデータ資産は構造的な強み。
5. 技術革新と主力製品
- 技術トピック:生成AIの活用(広告配信最適化、クリエイティブ生成、運用効率化)に向けた投資増
- 主力
- メディア:LINE/LINE公式アカウント、Yahoo! JAPAN(検索/ニュース/天気/広告)
- コマース:ZOZOTOWN、Yahoo!ショッピング、ヤフオク!、PayPayフリマ等
- 戦略:PayPay(決済)、PayPay銀行、PayPay証券等
- 収益牽引:2026年3月期1Qは戦略事業(PayPay等)の大幅増益が全社を牽引
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提価格:461.7円(2025-10-10終値)
- 指標
- PBR(実績):約1.10倍(BPS 418.73円)
- PER(参考)
- LTM希薄化後EPS 20.92円ベース:約22.1倍(461.7 ÷ 20.92)
- 正常化EPS(Normalized Incomeベース概算)約17.9円の場合:約25.9倍
- セクター平均(参考):PER 23.2倍、PBR 2.3倍
- 読み方
- PBRは業界平均を大きく下回る水準
- PERは算定方法により「平均並み〜やや割高」まで幅がある(調整前後の差が大きいため)
- 参考:配当利回り1.52%(会社予想7円/株)
※一過性損益の影響が大きいため、PERは複数指標でのクロスチェックが有用
7. テクニカル分析(短期)
- 年初来レンジ:411円(安値)〜572円(高値)
- 現在地:461.7円はレンジ下寄り(安値比+約12%、高値比-約19%)
- 直近10日:戻り売り基調(約-5%)、高値/安値とも切り下げ
- 信用動向:信用倍率70.56倍と買い長。短期的な需給変動に注意(買残増+売残減)
8. 財務諸表分析(IFRS連結)
- 売上(億円換算):1.567兆(2022)→1.672兆(2023)→1.815兆(2024)→1.918兆(LTM)
- LTM成長率:約+5.7%、3年CAGR約+6.9%
- 利益
- 営業利益:1,595億(2023)→2,031億(2024)→2,720億(LTM)
- 営業利益率(LTM):約14.2%
- EBITDA(LTM):4,319億、EBITDAマージン:約22.5%
- 収益性指標
- 粗利率(LTM):約72.4%
- ROE(実績):5.09%(のれん/無形資産、非支配持分影響や銀行連結を考慮)
- キャッシュフロー/BS(2026年3月期1Q)
- 営業CF:+950億、投資CF:-2,181億(M&A等)、財務CF:+1,657億
- 現金同等物:10,957億、有利子負債:19,800億(総資産の約19.5%)
- 自己資本比率:28.5%(前期末32.7%から低下、連結範囲拡大の影響)
- コメント:連結範囲の拡大(BEENOS、LINE Bank Taiwan等の取り込み)で総資産・負債とも増。投資CFはM&Aに伴い大きくマイナス。戦略事業の成長でEBITDAは底堅い一方、銀行・決済連結により財務指標は保守的に見えやすい。
9. 株主還元と配当方針
- 会社予想配当:年7円(配当利回り約1.5%)
- 配当性向の目安:LTM EPS(21円)比で約33%、調整後EPSガイダンス(25.9〜26.9円)比で約26〜27%
- 自己株式:期末自己株式数約2.46億株(2026年3月期1Q、発行済株式に対して一定割合を保有)。今期の追加の自己株買い有無は開示確認が必要。
- 方針:安定配当を継続しつつ、成長投資とバランス
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:短期は弱含み。信用買い残増加が続き、イベント前後のボラティリティに留意
- 関心材料/カタリスト
- 2025/11/4 決算発表(通期見通しの進捗、戦略事業の伸長)
- 生成AI活用の収益貢献度、広告景況とアカウント広告の伸び
- PayPay取扱高・金融クロスセル、連結範囲拡大による収益/費用インパクト
- 規制・セキュリティ対応の進捗とコスト
11. 総評
- 広告・EC・決済を跨ぐ国内随一のユーザー基盤とデータ資産が強み。戦略事業(PayPay等)の高成長がグループ全体の増収に寄与し、LTMでも増収・増益トレンド。
- 一方で、外部プラットフォームとの広告競争、EC競争、規制/セキュリティ対応、M&A/連結範囲拡大に伴う財務指標の見え方(自己資本比率低下など)は留意点。
- バリュエーションはPBR面で相対的に低位、PERは調整の前提により評価が分かれる。短期は需給(高い信用倍率)とイベントでの変動に注意が必要。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上+5.7%、3年CAGR約+6.9%、通期ガイダンスも増収計画
- 収益性:B
- 根拠:LTM営業利益率約14%、EBITDAマージン約22%と良好だが、ROEは5%台で伸びが限定的
- 財務健全性:B
- 根拠:自己資本比率28.5〜32.7%と40%未満。有利子負債は資産の約19.5%だが、銀行/決済連結の特殊性と手元流動性は厚め
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PBR約1.1倍は業界平均2.3倍を下回る。PERは算定により平均並み〜やや割高だが、総合では相対的に割安寄りと評価可能(※一過性影響を勘案)
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注記
– 数値は提示データ(LTM、決算短信、株価等)に基づき算出。LTM=直近12か月。Normalizedは会社計上の一過性項目除外ベースの概算。
– 本資料は情報の整理であり、投資勧誘・助言を行うものではありません。最新の開示資料・IRを必ずご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 4689 |
企業名 | LINEヤフー |
URL | https://www.lycorp.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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