SMK(6798)企業分析レポート
株価:2,261円(2025-10-14終値ベース)/市場:プライム/業種:電気機器(電子部品)
本レポートは公開情報の整理であり、投資勧誘・推奨を目的としません。不明な項目は記載を省略しています。
1. 企業情報
- 概要:コネクター、プラグ・ジャック、スイッチ、リモコン、タッチパネル、通信モジュール等をグローバルに製造・販売する電子部品メーカー。1925年創業、東京本社。旧称「昭和無線工業」。
- 主な用途:家電、車載、情報通信(スマホ・モバイル等)、産業機器、ヘルスケア、IoT/LPWAなど。
- 事業構成(2026年3月期1Q、販売内訳の目安):情報通信14%、家電45%、車載32%、産機他9%。海外売上比率は65%(2025.3期)。
- 人員等:従業員3,985人、平均年齢45.9歳、平均年収675万円。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:コネクターを中核としつつ、リモコンやHMI(タッチパネル)までカバーする製品ポートフォリオを持つ中堅電子部品メーカー。スマホ向け比率を抑制し、車載向けの比重を高めている。
- 競争環境:コネクターは大手専業(例:広瀬電機、JAE、日本圧着端子、ホシデン等)との競争が強い。要求品質・信頼性・小型化・EMI/防水設計・納期対応などが差別化要素。
- 課題:
- 情報通信(スマホ・モバイル)向けの市況調整が長期化しやすい点。
- タッチパネルはスマホでの構造変化(統合化等)により成長余地が限定されやすい。
- 為替影響が損益に与えるインパクト(1Q為替差損514百万円)。
3. 経営戦略と重点分野
- 中計「SMK Next100」(2025–2027):成長軌道回復へ
- 事業の選択と集中(通信モジュールの組織再編、重点領域へのリソース集中)
- コスト構造改革(販管費抑制、製販一体の効率化)
- 車載・家電の堅調分野を基盤に、HMI/モジュールなど付加価値領域を強化
- 構造改革(2025/3/25公表):人員・管理部門の最適化、赤字体質事業の見直しを進行。
- 2026年3月期見通し(会社計画):売上4,600億円、営業利益5億円、経常利益10億円、純利益6億円(1Q時点で予想据え置き)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:量産型の精密部品により、用途分散(家電・車載・産機)で需要変動を吸収。車載向けは認証・切替コストが高く、一定の継続性が期待される一方、価格圧力やモデル切替リスクは内在。
- 適応力:
- 情報通信の調整局面に対し、車載・家電・モジュール展開でポートフォリオを調整。
- 組織再編での開発集中により、新規テーマの事業化加速を狙う。
- リスク:為替、原材料・物流コスト、顧客在庫調整の長期化、地政学リスク、新製品立上げ遅延。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:高密度実装・小型化、耐環境(防水/耐熱)、ノイズ対策(EMI)、高周波対応(RF同軸)など。車載品質(信頼性/長寿命)への対応が鍵。
- 主力製品:
- コネクター(BtoB、BtoW、FPC、RF同軸、電源、LED、車載・カメラモジュールソケット等)
- プラグ/ジャック、スイッチ(プッシュ・スライド等)
- リモコン(家電・車載向け)
- タッチパネル(抵抗・静電)
- 通信モジュール(Bluetooth・RF等、組織再編によりSCIへ集約)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提指標(提供データ)
- 株価:2,261円、時価総額:約162.8億円
- 予想EPS:94.69円 → 予想PER:約23.88倍(業界平均PER:24.2倍)
- 実績BPS:4,414.83円 → PBR:約0.51倍(業界平均PBR:1.6倍)
- LTM売上:473.5億円、現金:107億円、借入:142.8億円 → EV≈198.6億円 → EV/S≈0.42倍
- 評価の整理:
- 予想PERは業界平均並み。
- PBRは業界平均を大きく下回る水準(実績BPS比ディスカウント)。
- EV/Sは0.4倍台(LTMベース)。収益力(マージン)改善の進捗が評価に影響。
7. テクニカル分析
- トレンド位置:
- 50日移動平均:2,277円、200日移動平均:2,394円
- 現在値は50日線をわずかに下回り、200日線を下回る水準。
- 52週レンジ:1,989円–3,025円
- 現在値は年初来安値比+13.7%、高値比-25.2%。レンジ中下段。
- 足元の値動き:
- 直近10日で上値の切り下がり傾向(10/7終値2,378 → 2,261)。
- 出来高は10日平均1.81万株、3カ月平均1.31万株を上回り、売買関心はやや増加。
8. 財務諸表分析
- 成長性:
- 1Q売上:110.3億円(前年比-5.9%)。受注は-4.4%。
- 市場別では車載が堅調(販売+4.6%、受注+10.1%)、情報通信が弱含み(販売-28.9%)。
- 収益性:
- 1Q粗利率:約17.5%(前年約19.2%)、LTM粗利:89.4億円(粗利率約18.9%)。
- 1Q営業損失:-2.8億円(前年-0.6億円)。LTM営業利益率:約-3.8%。
- 1Q経常損失:-6.18億円(為替差損-5.14億円の影響)。
- LTM純損失:-33.4億円、LTM EPS:-297円。
- 効率・資本:
- ROE(実績):-6.14%、LTM ROE:-10.92%、ROA(LTM):-0.46%。
- 総資産:567.9億円、総資産回転率(1Q):約0.19。
- 財務健全性・流動性:
- 自己資本比率:50.7%(前期末)→ 1Q 49.2%。
- 流動比率:1.84倍、D/E:51.1%、現金同等物:107億円、総有利子負債:142.8億円。
- ネットデット:約36億円。EBITDA:12.9億円(LTM)。
- セグメント(1Q):
- CS:売上520.7億円、営業益2.29億円(減益)
- SCI:売上580.1億円、営業損失3.65億円(赤字縮小傾向)
- イノベーション:売上0.2億円、営業損失1.44億円(再編中)
9. 株主還元と配当方針
- 配当:
- 2025年3月期実績:年140円(中間50・期末90)
- 2026年3月期会社予想:年100円(中間50・期末50)
- 予想配当利回り:約4.4%(株価2,261円)
- 配当性向:
- データ上のPayout Ratio:123.8%(TTM基準)
- 会社予想EPS基準では約105.6%(=100/94.69)と高水準
- 自社株:
- 自己株式比率:11.24%(809千株)。近時の新規自己株買いの明記は無し(短信記載なし)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:短期は戻り売り優位の推移。移動平均線の下に位置し、方向感はやや下押しバイアス。
- 信用動向:
- 信用買残:23,700株(前週比-200)、売残:6,200株(-800)、信用倍率3.82倍。
- 買い残・売り残ともに縮小。需給の偏りは限定的な範囲。
- 流動性・保有構造:
- 浮動株:約435万株。インサイダー保有24.8%、機関保有14.6%。流通株比率はやや低め。
11. 総評
- 需要環境:車載が相対的に堅調で、情報通信(スマホ等)の弱さを一部補完。産機も軟調。受注は緩やかな回復局面にあるが、分野差が大きい。
- 収益面:粗利率の低下と為替差損で1Qは赤字。通期は黒字転換計画だが、上期はタイトな着地想定(中間営業損失▲4億円計画に対し1Qで▲2.8億円)。
- 財務体質:自己資本比率約50%、流動比率1.8倍、D/E約0.5倍と、財務の健全性は確保。キャッシュ水準も一定。
- バリュエーション:予想PERは業界平均並み、PBRは低位。収益性の回復進捗と構造改革の効果発現が評価の焦点。
- リスク/注目点:為替影響、顧客在庫調整、コスト改善の実行、車載新規案件の量産立上げタイミングが業績変動要因。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:C
- 根拠:LTMベースで売上成長率がマイナス(1Q売上-5.9%)。3年CAGR不明(中立扱い)だが直近は減収。
- 収益性:C
- 根拠:LTM営業利益率-3.8%、純損失。粗利率も前年割れ。業界平均を下回る。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率約50%、流動比率1.84倍、D/E約0.51と良好。現金水準も一定。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:予想PERは業界平均並み、PBRは0.51倍と低位。EV/S約0.42倍。収益回復の進展度が評価に影響。
【補足データ】
– 主要指標:時価総額162.8億円/発行済株式数720万株(自己株除く実質流通は少なめ)/Beta 0.39(低ボラティリティ)。
– 今後の主な予定:次回配当権利落ち(予定)2026-03-30。業績発表は四半期毎(会社IR参照)。
本資料は公開データの要約であり、将来の業績・株価を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任にてお願いいたします。
企業情報
銘柄コード | 6798 |
企業名 | SMK |
URL | http://www.smk.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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