インフォマート(2492)企業分析レポート
株価: 318円(2025-10-14 終値)
市場区分: 東証プライム/業種: サービス業(情報通信・サービスその他)
1. 企業情報
- 概要: 企業間取引(BtoB)の受発注・請求・商談・規格書・契約などを一元管理するクラウド型プラットフォームを展開。主力は外食・食品流通向けの「BtoBプラットフォーム(FOOD)」と、請求書・見積・契約などバックオフィスの電子化を進める「BtoB-PF ES」。
- 主なサービス:
- BtoB Platform 請求書/TRADE/受発注(Lite含む)/見積
- 規格書・原料表示、電子契約(Contract)、BP Workflow、BP Storage for Invoices
- AI-OCR(invox)による伝票・FAX・PDFの自動読取
- TANOMU(外食向け卸の受発注)、V-Manage(店舗運営可視化)、早期支払(請求書の資金化)など
- 顧客基盤: プラットフォーム利用企業数 約119万社(中間期資料より)
- セグメント構成(2025年中間・売上比率目安): FOOD約64%、ES約36%(FOODが利益貢献の主軸)
2. 業界のポジションと市場シェア
- 市場環境: 国内BtoB-EC市場は拡大基調(経産省データ: 規模約465兆円、EC化率40%)。インボイス制度・電帳法対応、DX促進が追い風。
- ポジション:
- 外食・食品流通領域での受発注・規格書管理に強み。多面的な業務機能を束ねる統合PFと大規模な企業ネットワークが特徴。
- 請求書・受領データ電子化は、SaaS各社(例: 請求/受領ワークフローやインボイス領域)との競争が存在。
- 競争優位性(示唆):
- ネットワーク効果(取引先が多いほど価値が上がる二面市場)
- 業務横断の機能群(受発注~請求~契約~原料表示~内部承認)
- フード領域での蓄積と専門性
- 課題:
- バックオフィスSaaS分野は競合が多く、価格・機能競争が継続
- 料金改定の浸透、利用定着(解約率管理)とアップセルが運営上の焦点
3. 経営戦略と重点分野
- 中期方針(会社開示より):
- 本業(BtoBプラットフォーム)の強化
- 増収増益基調の継続と高収益性への回帰
- 出資先(TANOMU等)とのシナジー拡大と収益化
- 具体施策(足元):
- 料金改定(2024-2025年)と利用企業数の拡大
- サーバのクラウド移行によるコスト構造の改善
- 子会社TANOMUの追加取得と領域拡張(のれん償却は費用増要因)
- ES事業の黒字化とスケール
- 想定リスク:
- 経済環境変動、競争激化、のれん償却・人件費増、統合リスク
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 月額課金・機能利用料+トランザクション課金の組合せ。利用拡大に伴うスケールメリットが働きやすい。
- 持続性の観点:
- 法制度(インボイス・電帳法)対応やDX要請が需要を下支え
- ネットワーク効果によりスイッチングコストを形成
- 一方で、価格競争・機能代替の可能性があるため継続的な機能進化が必要
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:
- AI-OCR/自動仕訳、ワークフロー自動化、クラウド移行による運用コスト最適化
- 受発注~請求~契約~規格書~内部統制までの統合設計
- 収益牽引:
- FOOD(外食・食品流通)領域が営業利益を牽引
- ES(請求・TRADE・商談等)は利用拡大と料金改定で中間期に黒字転換
6. 株価の評価(バリュエーション試算)
- 前提: 株価318円、株数約2.594億株(発行済)、時価総額約819.8億円
- 指標比較:
- PER(会社予想)約52.8倍(EPS予想5.99円)/業界平均約17.0倍
- PBR(実績)約6.2倍(BPS実績51.12円)/業界平均約1.8倍
- EV/S(LTM)約4.6倍(EV約797億円/売上約174億円)
- EV/EBITDA(LTM)約19.2倍(EBITDA約41.6億円)
- コメント: 業界平均PER・PBRと比較すると高めの水準。成長率・収益性・ネットワーク効果・財務健全性とのバランスで捉える余地。
7. テクニカル分析(簡易)
- 52週高値455円/安値267円、現状318円(レンジ下寄り)
- 50日移動平均: 約373円、200日移動平均: 約370円 → 現在値は両移動平均を下回る
- 直近10日: 330円台から320円前後へ下押し、出来高は3カ月平均と同程度
- 信用需給: 信用買残383万株、信用倍率14.77倍(買いに偏り)。変動時のボラティリティに注意が必要な需給構造。
8. 財務諸表分析
- 成長:
- 売上(百万円): 9,836(2021)→ 11,005(2022)→ 13,363(2023)→ 15,631(2024)→ 17,419(LTM)
- LTM売上成長率: 約+11.4%(対2024)、中間期売上+24.8% YoY
- 収益性(LTM・会社/資料ベース):
- 粗利率 約70%(粗利122億円/売上174億円)
- 営業利益 約23.1億円(営業利益率は公表指標で約17.9%)
- 当期純利益 約12.7億円(純利益率約7.3%)
- ROE 実績6.1%(2024)→ LTM約11.1%(改善)
- ROA LTM約9.3%
- キャッシュフロー(中間/LTM):
- 営業CF 約34.5億円(LTM)と安定的にプラス
- 投資CFは子会社追加取得・無形資産投資でマイナス(成長投資寄与)
- フリーCF LTM約14.9億円
- 財政状態:
- 自己資本比率 実績73.5%(2024)/中間期68.9%
- D/E 約19.6%、流動比率 約1.7倍、現金同等物 約45.5億円、短期借入金 約22.7億円
- セグメント(2025年中間):
- 売上: FOOD 57.5億円(約64%)、ES 32.5億円(約36%)
- 利益: FOODが大半を稼ぎ、ESは黒字転換
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 年間予想4.46円(中間2.23円・期末2.23円)、予想配当利回り約1.41%
- 方針: 単体配当性向50%を目安(会社方針)
- 実績: 2024年配当合計1.74円からの増配予想
- 自己株式: 発行済の約12.74%を保有(自己株口)。保有残高が厚い点は資本政策上の選択肢に影響し得る
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 50日・200日線を下回り、52週レンジの下方圏。52週騰落率は約-8.8%
- 取引動向: 3カ月平均出来高約135万株、10日平均約149万株と流動性は確保
- 投資家構成: 機関保有比率約50%、インサイダー約10%。大口株主(ファンド、信託、自己株)比率が高め
11. 総評
- 需要環境は制度対応・DXで追い風。大規模な利用企業基盤とFOOD領域の優位性、ESの黒字化進展、クラウド移行によるコスト構造改善が業績を押し上げている。
- 財務は自己資本比率・流動比率ともに良好で、営業CFも安定。のれん償却や人件費増など費用要因を吸収しつつ増収増益を継続。
- バリュエーションは業界平均比で高水準。今後は利用企業数の積み上げ、ARPU向上、ESの利益貢献拡大、投資回収の進展が注目点。
- テクニカル面では中長期移動平均を下回る推移と信用買い偏重の需給が短期の値動きに影響。
(注)本資料は提供データに基づく整理であり、投資勧誘・推奨を目的としたものではありません。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
- 根拠: LTM売上+11%程度、3年で二桁CAGR、中間期+24.8% YoY
- 収益性: A
- 根拠: 粗利率約70%、営業利益率15~18%レンジ、EBITDAマージン良好
- 財務健全性: S
- 根拠: 自己資本比率約69~74%、D/E約20%、流動比率1.7倍
- 株価バリュエーション: D
- 根拠: PER・PBRが業界平均を大きく上回る(PER約53倍 vs 業界17倍、PBR約6.2倍 vs 1.8倍)
【補足データ】
– 最低購入代金: 約31,600円(100株単位)
– 今後の予定: 2025/10/31 決算、2025/12/29 権利落ち日(予定)
– 会社予想(2025/12期): 売上194.9億円、営業利益23.0億円、純利益13.6億円、EPS 5.99円、配当4.46円
不明点は会社開示の最新IR資料をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 2492 |
企業名 | インフォマート |
URL | http://www.infomart.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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