1. 企業情報
- 概要
- 総合アパレル大手。婦人・紳士・子供衣料、服飾雑貨、ライフスタイル商材(家具・インテリア等)まで幅広く展開。
- 主要ブランド群(例):アンタイトル、タケオキクチ、adabat、HIROKO HAYASHI、HIROFU、PINK-latte など。B2C(直営・百貨店・SC・EC)に加え、B2Bソリューションや販売代行・オフプライス/リユース等も展開。
- セグメント構成(連結、2026/2期Q2基準):ブランド、デジタル、プラットフォーム、共通部門。
- 1959年創業、神戸本社。2018年に再上場。
- 連結事業(2025.2):ブランド84(売上比6)、デジタル6(8)、プラットフォーム9(2)、共通0(15)[括弧内は利益寄与の目安表現と解釈されるが詳細定義は短信参照]
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内「総合アパレル大手」の一角。自社ブランドの幅と販路の多様性に加え、B2Bプラットフォーム・販売代行・オフプライス/リユース(RAGTAG 等)まで取り込むビジネス幅が特徴。
- 2025/10/1にナルミヤ・インターナショナルを株式交換で完全子会社化。子供服領域の強化と事業ポートフォリオの厚みが増す見込み。
- 競争優位性
- マルチブランド×マルチチャネル(百貨店・SC・EC・オフプライス・リユース)で需要変動に分散耐性。
- B2B(生産・販売・流通等のプラットフォーム外販、ソリューション受託)による安定収益化の進展。
- 課題
- 季節性・天候に左右されるアパレルコアの収益ボラティリティ(2026/2期上期は一部春夏商戦苦戦)。
- 在庫回転・MD精度、為替・原材料価格の変動対応、M&A統合作業の確実な遂行。
(市場シェアの定量データは本資料内に記載なし)
3. 経営戦略と重点分野
- 中計「PLAN‑W」(最終年度:2026年2月期)
- 目標指標:ROE 12%以上、ROIC 8.5%など。12ヶ月換算でROE 14.5%、ROIC 9.3%と改善傾向。
- 重点:
- ブランド事業の再編・MD/生販コントロール強化(2025/3にブランド事業本部新設)。
- プラットフォーム事業外販の拡大(エムシーファッション等の連結取り込み効果)。
- デジタル事業のB2B受託の収支改善とサーキュラー(リユース/オフプライス)強化。
- 海外展開(タイ、台湾・香港など)とOMOの高度化。
- 資本政策:配当予想の増額(通期109円)を公表。ネットD/Eを中長期で0.5倍目標(足元0.86倍)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- B2C(自社ブランド)の収益に、B2Bプラットフォーム外販、デジタル受託、二次流通・オフプライスを加えた複線型。循環型ビジネス(リユース)や外販比率の上昇は景気・季節影響の平準化に寄与。
- 適応力
- OMO・サプライチェーンの内製基盤を外部にも開放。MD精度向上・在庫最適化の体制を強化中。
- 一方で、アパレルの構造的課題(気候・嗜好変化の速さ、在庫・為替リスク)は残存。中計内でのブランド事業の収益力底上げが鍵。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・オペレーション
- デジタル受託(EC運営・ソリューション)、プラットフォームの外販(生産・販売・流通)を運営資産として貨幣化。
- サーキュラー領域(RAGTAG等)やオフプライスのデータ活用・在庫消化スキームを強化。
- 収益牽引
- 2026/2期上期はプラットフォーム事業が増収増益で牽引。ブランド事業は一部苦戦もライフスタイル系が補完。
6. 株価の評価(2025-10-14時点)
- 株価:2,689円(終値ベース)
- 時価総額:992.6億円
- 予想EPS(会社):352.07円 → 予想PER:約7.6倍
- 実績BPS:2,489.7円 → PBR:約1.08倍
- LTM EPS:319.17円 → トレーリングPER:約8.4倍
- LTM売上:2,256億円、LTM EBITDA:349.98億円
- ネット有利子負債:約727.9億円 → EV:約1,720.5億円
- EV/売上:約0.76倍、EV/EBITDA:約4.9倍
- 配当利回り(会社予想):約4.05%(1株配当109円、想定配当性向:約31%)
- 業界平均との比較(提供平均:PER 21.7倍、PBR 1.0倍)
- PERは平均を大きく下回る水準、PBRは概ね平均並み。
(注)発行株式数は資料間で差異があり(36.86百万株 vs 34.39百万株)、M&A等の影響が含まれる可能性。主要バリュエーションは提示の時価総額・予想値に基づき整合。
7. テクニカル分析(直近10営業日)
- 推移:2,905円(9/30)→ 2,689円(10/14)と下落基調。高値・安値ともに切り下げで短期モメンタムは弱め。
- レンジ感:年初来高値3,135円からは約−14%、年初来安値2,297円からは約+17%。
- 価格帯:2,660〜2,700円に近い価格帯での持ち合い気配。直近の戻り目途は2,740〜2,760円、上値は2,900円付近が意識されやすい一方、2,660円割れは一段安リスクに留意。
8. 財務諸表分析(LTM中心)
- 成長
- 売上高:2,256億円(LTM)/2,142億円(2023/3期)→ 約+5.3% YoY
- 3年CAGR(2022/3期 1,713億円 → LTM 2,256億円):約+9.6%
- 収益性(LTM)
- 粗利率:約59.1%(1,332.9/2,256.6)
- 営業利益率:約7.6%(170.98/2,256.6)
- EBITDAマージン:約15.5%(349.98/2,256.6)
- ROE(実績):13.6%
- 金利負担:利息費用13.9億円、EBIT/利息 ≈ 12倍台とカバレッジは良好。
- 安全性・効率
- 自己資本比率:29.7%(実績)。中間期持分比率は32.2%と改善傾向。
- ネットD/E:0.86倍(会社開示)。運転資本の増加により現金水準は低下(中間期末現金同等物133億円)。
- キャッシュフロー(2026/2期上期)
- 営業CF:+97.4億円(前年同期+157.5億円)
- 投資CF:−34.3億円、財務CF:−148.4億円
- トレンド
- 2021/3期の赤字からV字で黒字化・収益性改善。2026/2期上期は増収増益ながら、コア営業利益はブランド事業の計画未達が残る。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:通期予想109円(中間49円・期末60円、2025/10/3に増配修正)
- 予想配当利回り:約4.05%、想定配当性向:約31%
- 自社株:自己株式比率約0.93%(記載時点)。自社株買いの新規言及は本資料内では未確認。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 信用動向:信用倍率5.84倍、買残増(+67,800株)、売残減(−59,900株)で、短期的には買い姿勢がやや優勢。需給が偏る場合の変動性には留意。
- イベント:次回配当権利落ち予定は2026/2/26。M&A(ナルミヤ完全子会社化)関連の統合進捗は業績・モメンタム双方への関心要素。
11. 総評
- 事業面:マルチブランド×マルチチャネルにB2B・サーキュラーを加えたポートフォリオで、収益源の多角化が進展。プラットフォーム事業が牽引する一方、コアのブランド事業のMD・在庫最適化は引き続き改善余地。
- 財務・資本効率:ROE/ROICは中計目標を上回る水準へ改善。自己資本比率は30%前後とやや負荷が残るが、利息カバレッジは十分。
- バリュエーション:PERは業界平均を大幅に下回り、EV/EBITDAも低位。配当利回りは4%台。構造改革・M&Aの実行とコア収益力の底上げが評価の鍵。
- リスク:気候・為替・在庫・マクロ需要、M&A統合の不確実性、運転資本に伴うCFの振れ。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- LTM売上+5.3% YoY、3年CAGR約+9.6%。M&A寄与含め増収基調。
- 収益性:B
- 営業利益率約7.6%、EBITDAマージン約15.5%、ROE 13.6%。同業平均比の明確なデータはないため中立評価。
- 財務健全性:C
- 自己資本比率29.7%、ネットD/E 0.86倍。健全化の余地あり。
- 株価バリュエーション:A
- 予想PER約7.6倍(業界平均21.7倍を大きく下回る)、PBR約1.08倍、EV/EBITDA約4.9倍。
参考データ
– 市場区分:東証プライム(繊維製品)
– 従業員:7,755人、平均年齢43.7歳、平均年収518万円
– 年初来高値:3,135円/年初来安値:2,297円
– 代表者:社長執行役員 鈴木信輝
– 住所:神戸市中央区港島中町6-8-1
必要に応じ、セグメント別の詳細数値やM&A会計影響の内訳等も深掘り可能です。
企業情報
銘柄コード | 3612 |
企業名 | ワールド |
URL | http://corp.world.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 素材・化学 – 繊維製品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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