魚力(7596)企業分析レポート
株価:2,319円(2025-10-14終値)
市場:東証プライム/小売業
時価総額:339億円
1. 企業情報
- 概要:鮮魚小売の専業チェーン。百貨店・駅ビル内の鮮魚専門店を主力に、寿司・居酒屋などの外食、スーパー向け等の卸売も展開。生鮮調達~店内加工・提供の垂直一貫オペレーションが強み。1930年創業、本社は東京都立川市。
- 事業構成(売上比率、2025/3期):小売86%、飲食4%、卸売10%、その他0%
- 連結子会社:2025年3月に株式会社最上鮮魚を連結化(2026/3期1Qより反映)。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:百貨店・駅ビル内の鮮魚専門店で一定の知名度と存在感。生鮮の専門性、鮮度管理、対面販売のノウハウを保有。
- 競争環境:総合スーパーの鮮魚売場、他の専門鮮魚チェーン、回転寿司・テイクアウト寿司などと顧客を競合。原魚価格の変動、物流費・人件費上昇が業界全体の収益圧迫要因。
- 課題:魚価高騰・不漁などの調達リスク、コスト上昇下での価格転嫁・粗利確保、店舗オペの省人化・生産性向上。市場シェアの公表値はなし。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期方針(2024–2026年度想定):国内の小売基盤強化と海外展開の推進、物流効率化、販管費コントロール、商品力強化(メニュー改定・価値訴求)。連結化によるスケール活用。
- 重点施策(1Q実績ベースの示唆)
- 小売:既存店の回復と連結効果で増収。ただし物流・仕入、人件費増で粗利率はわずかに低下。
- 飲食:価格・メニュー見直しやオペ改善で増益。
- 卸売:連結内消去で国内売上は見かけ上減少、海外輸出は増加。
- リスク管理:魚価・為替・物流コストの管理、地政学リスクや消費マインド変動への備え。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:高回転の生鮮小売×店内加工の付加価値で粗利を確保する一方、販管費比率が高く営業利益率は2~3%台。生活必需性に近い需要に支えられるが、コスト上昇局面では利益感応度が高い。
- 適応力:価格・メニュー見直し、物流改革、加工・惣菜等の付加価値強化で吸収を図る方針。連結スケールによる調達・物流効率の改善余地。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・運用:コールドチェーンと鮮度管理、店内加工・商品開発、対面販売の提案力。データに基づくSKU・歩留まり管理や原価管理が収益の鍵。
- 主力:鮮魚小売(刺身・切身・鮮魚)、持ち帰り寿司。外食(寿司・居酒屋)。卸では国内小売・外食や海外向け輸出。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 予想EPS(連):83.12円 → 予想PER:約27.9倍(会社公表値)
- 実績BPS(連):1,260.61円 → PBR:約1.84倍(会社公表値と一致)
- 参考比較(業界平均:PER 21.3倍、PBR 1.8倍)
- 予想PER:業界平均より高い
- PBR:業界平均と同程度~やや高い
- 補足指標
- トレーリングEPS:約102.3円 → トレーリングPER:約22.7倍
- EV/S:約0.60倍(EV約2,272億円/売上381億円)※現金112億円、負債3億円で概算
- EV/EBITDA:約14.4倍(EBITDA約15.8億円)
- 参考計算(目安であり目標価格ではない)
- 業界平均PER 21.3倍×トレーリングEPS 102.3円 ≒ 2,179円
- 業界平均PER 21.3倍×予想EPS 83.1円 ≒ 1,770円
7. テクニカル分析
- 現在値:2,319円
- 移動平均:50日線 2,495円、200日線 2,444円 → いずれも下回り
- 52週レンジ:2,238~2,670円 → 現在値はレンジ下限寄り(52週安値比+約3.6%)
- 直近10日:終値は概ね下向き(2,436円→2,319円)、短期モメンタムは弱含み。
- 出来高:10日平均3.23万株 > 3カ月平均2.33万株 → 直近は商い増加。
- 信用動向:信用買残+8,700株、信用売残▲403,600株、信用倍率1.42倍 → 売残の大幅減少と買い残増加。
8. 財務諸表分析
- 売上(百万円)
- 2022/3:34,128 → 2023/3:33,743 → 2024/3:36,345 → 2025/3:36,629 → 過去12か月:約38,100
- 1Q(2026/3期):+16.9%(連結拡大と既存店回復)
-
利益(百万円)
- 営業利益:2022/3:1,452 → 2023/3:1,087 → 2024/3:1,582 → 2025/3:1,494
LTMの営業利益率:約2.31%
– 親会社純利益:2022/3:1,009 → 2023/3:803 → 2024/3:1,362 → 2025/3:1,4281Q(2026/3期)はコスト増で減益(▲24%)
– 収益性
– 粗利率:LTM 約40.5%(1Qは約40.8%)
– EBITDAマージン:LTM 約4.1%
– ROE:実績8.22%(LTM指標7.63%)、ROA:LTM 3.82%
– キャッシュ・財政状態
– 現金預金:112億円、総負債:6億円弱、自己資本比率:76.3%(1Q末75.1%)
– 流動比率:約291%、D/E:約0.18% → 流動性・健全性は高水準
– 備考:四半期CF計算書は未作成(注記)。一過性項目の影響は平準化に留意。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年間52円(実績/予想)、配当利回り約2.24%、5年平均利回り2.10%
- 配当性向:約50.8%(安定配当に配慮した水準)
- 自己株式:発行株式の約4.55%を保有(現時点で新規の自己株買い公表なし)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:50日・200日線を下回り、直近は下落基調。年初来高値比では調整局面。
- ボラティリティ:5年β=0.29(市場連動性は低め)
- 需給・関心:10日平均出来高が3カ月平均を上回る。信用売残の減少・買残の増加が同時に発生。浮動株は約759万株、インサイダー保有41.6%、機関保有10.2%。
11. 総評
- 需要面は回復基調で、連結化の寄与もあり売上は増加。一方で、物流・仕入・人件費の上昇により営業利益率は低下気味。短期的にはコスト対応(価格・メニュー改定、物流改革、生産性向上)の進捗が利益回復のポイント。
- 財務健全性は極めて高く、景気変動耐性や投資余力を有する。配当は安定的。
- バリュエーションは予想PERで業界平均を上回る水準。トレーリングでは差は縮むが、利益モメンタム次第で評価の変動余地。
- テクニカルには52週レンジの下限寄り、短期モメンタムは弱含み。出来高は直近で増加。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
(LTM売上+約4%、3年CAGRは小幅。1Qは+16.9%と加速も、通期では中位)
– 収益性:B
(粗利率40%台だが販管費重く、営業利益率は2%台で一般的小売水準)
– 財務健全性:S
(自己資本比率75%台、流動比率約291%、実質無借金に近い)
– 株価バリュエーション:C
(予想PERが業界平均を上回る。PBRはほぼ平均、EV/EBITDAは10倍超)
参考データ
– 次回決算予定:2025/7/29–8/4(会社予定)
– 権利落ち日(予定):2026/3/30
– 年初来レンジ:2,238–2,670円
注記
企業情報
銘柄コード | 7596 |
企業名 | 魚力 |
URL | http://www.uoriki.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 小売 – 小売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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