双葉電子工業(6986)企業分析レポート
株価: 648円(2025-10-15終値)
時価総額: 274.9億円 / PER(会社予想): 17.18倍 / PBR: 0.36倍
配当利回り(会社予想): 1.54%(期末10円)
1. 企業情報
- 概要
- 電子機器(有機EL、タッチセンサー、ラジコン関連、ロボティクス、複合モジュール、EMS等)と生産器材(プレート、金型器材、成形・生産合理化機器)を展開。
- 蛍光表示管(VFD)は2021年末に撤退。有機EL事業へ注力。
- 海外売上比率は約55%(2025.3)。アジア向けが中心。
- セグメント構成(会社公表の構成イメージ)
- 電子デバイス関連:約36%(前年比-5ポイント)
- 生産器材:約64%(前年比-1ポイント)
- 特色
- 産業用・ホビー用の無線操縦機器(ラジコン)に定評。
- 金型部品・プレートなど生産材の国内サプライヤーとしての地位。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 電子部品領域
- PMOLED(小型有機EL)、タッチセンサー、複合モジュールなどニッチ・産業用途に強み。大規模量産のスマホ向けOLEDとは競争軸が異なる。
- EMSは車載向けが堅調だが、計測・産業向けは需要調整の影響。
- ラジコン・ロボティクス領域
- 国内外でブランド認知が高く、産業用サーボ・送受信機は信頼性を訴求。
- 生産器材領域
- 金型関連は自動車生産サイクルや海外価格競争の影響を受けやすい。
- 競争優位と課題
- 優位性:産業用無線制御・サーボの信頼性、カスタム対応力、現金厚めの財務体質。
- 課題:需要サイクル(自動車・エレクトロニクス)の影響、海外での価格競争、為替感応度、有機EL事業のスキーム転換期。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期方針(抜粋)
- 構造改革の完遂
- ソリューション事業領域への展開(モジュール化・組込/EMS・ロボティクス応用など)
- コーポレート機能の強靭化
- ステークホルダーとの信頼関係構築
- 重点施策
- 有機EL:事業スキームの見直し(自社製の収益性改善と需要分野の最適化)
- ラジコン・ロボティクス:産業用サーボ・長距離/耐ノイズ通信の強化
- 生産器材:国内の成形・生産合理化機器を伸長、海外子会社再編(中国子会社解散費用計上など)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源は「部材(有機EL、センサー)+モジュール・EMS+生産器材」の複合型。複数柱で分散。
- 需要サイクル・価格競争の影響を受ける構造だが、モジュール化・ソリューション化で付加価値向上を狙う方針。
- 強固なバランスシート(自己資本比率約76%、実質無借金に近い)により、事業転換期の耐性は相対的に高い。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 有機EL(PMOLED)やタッチセンサー、無線制御(産業用)での高信頼性設計、複合モジュール化。
- 産業用ラジコンの冗長化・耐環境性、サーボ制御技術。
- 収益牽引
- 生産器材(プレート、金型器材、合理化機器)が売上の約6割。
- 電子機器は産業用サーボ・一部EMSが堅調。自社製有機ELはスキーム転換中で減収。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価: 648円
- 会社予想EPS: 37.72円 → 予想PER: 17.18倍(業界平均PER 24.2倍)
- BPS(実績): 1,814.78円 → PBR: 0.36倍(業界平均PBR 1.6倍)
- EV観点(概算)
- 現金等 316億円、借入 0.9億円程度 → ネットキャッシュ大。EVはマイナス近辺となる可能性があり、EV倍率の比較は適切でない場合がある。
- 配当利回り: 1.54%(期末10円、予想)
- 参考
- 配当性向(会社予想ベース): 約26.5%(=10円/37.72円)
- 5年平均利回り 2.82%に比べ、現状利回りは低位。
7. テクニカル分析
- 位置づけ
- 年初来高値 771円 / 安値 426円の中間圏。現値は高値比-16%程度、安値比+52%程度。
- 50日移動平均 655円、200日移動平均 573円。現値は50日線と概ね同水準、200日線上。
- モメンタム
- 短期は10/14にかけて調整、10/15は小反発。
- 信用倍率 4.39倍。信用買残は前週比で減少、売残は増加。需給はやや整理進行の局面。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益推移(連結)
- 売上高: 60.33(2023)→ 56.36(2024)→ 48.12(LTM, 億円換算)と減少傾向。
- 営業損益: -23.9 → -11.4 → -12.9(億円)。赤字継続だが振れあり。
- 四半期(2026/3期1Q): 売上 104.1億円(前年比-18.0%)、営業損失 -6.0億円、経常損失 -9.5億円、純損失 -5.3億円。
- 収益性
- 粗利率(LTM): 約18.4%(8.868/48.116)
- 営業利益率(LTM): 約-2.7%(-12.93/481.16)
- 1Q営業利益率: 約-5.8%(短信記載ベース)
- ROE(実績): -0.36%、ROA(LTM): 約-1%前後
- セグメント(2026/3期1Q)
- 電子機器: 売上 35.4億円、損失 -4.1億円(VFD終息の反動や需要鈍化、EMSは車載堅調)
- 生産器材: 売上 68.8億円、損失 -1.9億円(国内の一部は伸長、海外は価格競争)
- 財政状態・流動性
- 自己資本比率: 約76%(短信76.4%、各種指標76.3%)
- 現金等 316億円、総負債 123億円弱、流動比率 約951%
- 実質的に強固な流動性と低レバレッジ。
- 注記
- データソースにより一部指標(LTMの営業利益率やEBITDA)に乖離が見られるため、本分析では会社短信および連結PLテーブルの数値を優先。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 前期実績: 年間10円(期末10円)
- 今期予想: 年間10円(中間0円、期末10円)— 予想変更なし
- 予想配当性向(目安): 約26.5%
- 自己株式
- 自己株保有 0.03%と僅少。自己株買いの明示なし(短信時点)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落: +23.44%(β 0.17と低ボラティリティ)
- 出来高: 3カ月平均約20.3万株、直近10日平均約18.4万株
- 需給
- 信用買残減少・売残増加。短期は需給調整が進行。
- 影響要因
- 為替(評価差損益・競争力双方へ影響)
- 自動車関連・エレクトロニクスの在庫/生産サイクル
- 海外市場(特に韓国等)での価格競争
- 有機EL事業スキーム転換の進度
- 予定イベント
- 配当権利落ち予定日: 2026-03-30
- 次回決算は会社予定に従う(通期予想は現時点変更なし)
11. 総評
- 需要調整と価格競争の影響により、売上は縮小、営業赤字が続く一方、粗利率は概ね下げ止まりの範囲。
- 有機ELはスキーム転換期、ラジコン/産業用サーボと国内の合理化機器は相対的に底堅いが、海外生産器材は競争が厳しい。
- 財務基盤は極めて堅健(高自己資本・高流動性・ネットキャッシュ)。事業再編や投資の耐久力は確保。
- バリュエーションはPER・PBRともに業界平均より低位。もっとも、業績は転換途上であり、四半期赤字や為替・需要の変動には留意が必要。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: C
- 直近LTM売上は前年比で二桁減、3年CAGRもマイナス寄り。
- 収益性: C
- 粗利率は約18%だが、営業損失・低ROE。業界平均の利益率を下回る。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率約76%、流動比率約951%、実質無借金でネットキャッシュ厚め。
- 株価バリュエーション: A
- PER 17.2倍/PBR 0.36倍と業界平均を下回る水準。EVはネットキャッシュの影響で有効性に制約。
注記
– 本資料は提供データと会社開示(決算短信等)に基づき作成しています。数値は百万円・億円換算を併記していますが、丸めによる差異やソース間の乖離があり得ます。
企業情報
銘柄コード | 6986 |
企業名 | 双葉電子工業 |
URL | http://www.futaba.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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