1. 企業情報
立川ブラインド工業株式会社は、1938年創業、1947年設立の東京証券取引所プライム市場に上場する企業です。主な事業内容は窓回りの製品や間仕切りなどを手掛ける「室内外装品関連」が売上高の約84%を占め、その他に「駐車場装置関連」が約7%、工作機械向け「減速機関連」が約8%を占めています(2024年12月期)。家庭用からオフィス、公共施設向けに、ブラインド、ロールスクリーン、ローマンシェード、アコーディオンカーテン、カーテンレールなどを製造・販売・施工しています。ブラインド・間仕切りの国内最大手、トップメーカーとしての地位を確立しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社はブラインド・間仕切り分野において、国内最大手かつトップメーカーであると位置づけられています。長年の事業活動を通じて培われたブランド力と製品ラインナップの幅広さが競争優位性と考えられます。しかし、国内市場においては新設住宅着工戸数の減少が見込まれており、建設業界の労働規制強化や原材料価格の高止まり、人手不足といった構造的な課題に直面している状況です。
3. 経営戦略と重点分野
同社は2023年から2025年までの中期経営計画「タチカワビジョン2025〜継続と進化〜」を推進しています。重点戦略として、「ものづくりとマーケティング」「経営基盤の強化」「サステナビリティへの取組み」の3つを掲げています。具体的な施策としては、主力製品のファブリック製品の大幅リニューアル、電動製品(バッテリー仕様・スマートフォン操作対応)や調光製品の拡充、2024年10月に稼働開始した技術研究棟による品質評価・開発体制の強化が挙げられます。また、生産プロセス見直しや拠点LED化によるCO2削減など、サステナビリティへの取り組みも進めています。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の事業は室内外装品関連が売上高の大部分を占めており、国内の建設・住宅市場の動向が業績に影響を与える傾向があります。しかし、電動製品や調光製品、スマートフォン操作対応といった市場ニーズの変化に対応した高付加価値製品の開発に注力することで、競争力を維持しようとしています。また、駐車場装置関連事業や減速機関連事業といった多角化された事業展開により、特定の市場に依存しすぎないリスク分散が図られています。既存事業の安定性と新たな技術への適応力が事業モデルの持続可能性を支える要因です。
5. 技術革新と主力製品
同社は2024年10月に技術研究棟を稼働させ、品質評価・開発力を強化しています。主力製品では、ロールスクリーン「ラルクシールド」やタテ型ブラインド「ラインドレープ」などの生地リニューアルを実施。また、スマートホームの流れに合わせたバッテリー仕様やスマートフォン操作に対応した電動製品、光とプライバシーを調整できる調光製品「ルミエ」「エアレ」の拡充に力を入れています。これらの取り組みは、消費者ニーズに応えることで収益を牽引することを目指しています。
6. 株価の評価
現在の株価1,859.0円に対し、以下の指標が示されています。
* PER(会社予想):12.05倍
* PBR(実績):0.69倍
* EPS(会社予想):154.22円
* BPS(実績):2,685.97円
同業種の業界平均PERが17.5倍、業界平均PBRが0.7倍であることと比較すると、同社のPERは業界平均よりも割安な水準にあります。PBRについては業界平均とほぼ同水準またはやや割安な水準です。これらの指標から、現在の株価は業界平均と比較して割安感がある状態と評価できます。
7. テクニカル分析
現在の株価は1,859.0円です。
* 年初来高値:2,023円、年初来安値:1,302円
* 52週高値:2,023円、52週安値:1,245円
現在株価は年初来高値から約8%低い水準ですが、年初来安値からは大きく上昇しており、全体的には高値圏にあると言えます。
移動平均線を見ると、50日移動平均線が1,857.70円、200日移動平均線が1,591.12円であり、現在の株価は50日移動平均線とほぼ同じ水準で推移しており、200日移動平均線を大きく上回っています。これは中長期的な上昇トレンドを示唆しています。
しかし、直近10日間の株価推移を見ると、1,970円から1,859円へと下落傾向にあり、短期的な調整局面にあると見ることができます。
売上・利益
- 売上高: 過去数年間(2021年〜2024年)は412億円台から414億円台とほぼ横ばいで推移していましたが、直近12か月では420億円と微増。2025年中間期の売上高は前年同期比+3.0%の増加となりました。
- 営業利益: 2021年の45億円から2022年には38億円に減少しましたが、2023年40億円、2024年43億円と回復基調にあります。2025年中間期は、主力ファブリック製品のリニューアルに伴う販促費の先行投資増加により、前年同期比△3.7%の20億円となりました。
- 純利益: 営業利益と同様に2022年に減少後、回復傾向にあります。2025年中間期は特定資産の売却益などにより、親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期比+12.7%の17億円を計上しました。
収益性指標
- ROE(自己資本利益率): 実績5.66%(過去12か月では5.69%)。一般的な目安と比較して高い水準ではありませんが、後述の自己資本比率の高さによる影響も考えられます。
- ROA(総資産利益率): 過去12か月で4.21%。
財務健全性
- 自己資本比率: 実績83.0%(2025年中間期では83.9%)。極めて高い水準であり、財務基盤は非常に強固と言えます。
- 流動比率: 2025年中間期で5.34倍(534%)。短期的な支払い能力に全く問題がないほど、手元資金や換金性の高い資産を潤沢に保有しています。
キャッシュフロー
- 営業活動によるキャッシュフロー: 過去12か月で3.19B円のプラス。2025年中間期では、売上債権の減少などにより前年同期の+467百万円から+2,017百万円と大幅に改善しました。
- 投資活動によるキャッシュフロー: 2025年中間期は固定資産売却収入等により+217百万円とプラスに転じました。
- 財務活動によるキャッシュフロー: 2025年中間期は△670百万円で、主に配当金の支払いに充てられています。
期末の現金及び現金同等物残高は16,520百万円と潤沢です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想):3.50%
- 1株配当(会社予想):65.00円
- 配当性向:34.29%
同社の配当利回りは3.50%と、5年平均配当利回り(2.63%)を上回っています。配当性向34.29%は、利益に見合った適切な水準であり、持続的な配当が期待できる範囲と考えられます。高い自己資本比率と潤沢なキャッシュフローを背景に、安定した株主還元の方針があるものと推測されます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
過去1年間の株価は40.81%上昇しており、S&P 500の同時期の変化率14.44%を大きく上回っています。これは、過去1年間で同社株に対する投資家の関心が高まり、株価が大きく押し上げられたことを示唆しています。
しかし、直近10日間の株価は、1,970円から1,859円へと下落傾向を示しており、短期的なモメンタムは下降に転じています。
主要株主には安定株主が多く、浮動株が少ない傾向が見られます。信用買残が信用売残を大きく上回っており、信用倍率が17.65倍と需給が偏っている状況です。
ベータ値は0.37と低く、市場全体の変動に対する株価の感応度が低い、比較的ディフェンシブな特性を持つ銘柄と言えます。今後の株価には、国内の住宅・建設市場の動向、原材料価格の変動、そして中期経営計画の進捗状況などが影響を与える可能性があります。
11. 総評
立川ブラインド工業は、国内ブラインド・間仕切り市場の最大手として揺るぎない地位を築いています。高い自己資本比率と潤沢なキャッシュフローに裏打ちされた、極めて強固な財務体質が特徴です。売上高は国内市場の構造変化を背景に大幅な成長は見られないものの、安定して推移しており、利益は回復基調にあります。中期経営計画では製品の高付加価値化や技術研究への投資を通じて事業の進化を図っています。
株価は、業界平均PERと比較して割安水準にあり、配当利回りも魅力的な水準です。一方で、株価は年初来高値圏にあり、直近では短期的な調整局面に入っていると見られます。国内市場の動向や原材料価格の変動は今後の業績に影響を与える可能性がありますが、堅実な事業運営と財務基盤は評価できるポイントです。
12. 企業スコア
- 成長性:B
- LTM売上成長率は前年度比約1.7%(通期予想YoY約3.4%)と、ほぼ横ばいから微増傾向にあります。急成長は見られないものの、安定した売上を維持しています。
- 収益性:B
- 過去12か月の営業利益率は約10.19%、粗利率は約41.4%です。建設・資材(金属製品)業界における具体的な中央値が不明なため、一概にSやAと評価することはできませんが、一般的に堅実な水準と判断されます。
- 財務健全性:S
- 自己資本比率83.0%(2025年中間期83.9%)、流動比率5.34倍(約534%)と、極めて高い水準を維持しており、財務健全性は非常に優良です。
- 株価バリュエーション:A
- PER(会社予想12.05倍)は業界平均(17.5倍)と比較して割安です。PBR(実績0.69倍)は業界平均(0.7倍)と同水準かやや割安であり、総合的に見て割安感があると評価できます。
企業情報
銘柄コード | 7989 |
企業名 | 立川ブラインド工業 |
URL | http://www.blind.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 建設・資材 – 金属製品 |
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