JX金属(5016)企業分析レポート

株価(終値): 2,079.5円(2025-10-15)
市場: 東証プライム(非鉄金属)
時価総額: 約1.93兆円

1. 企業情報

  • 概要
    • 銅を中心とする非鉄金属の資源・製錬・リサイクルから、半導体や情報通信向けの高機能材料まで一貫展開。ENEOSグループの非鉄中核。旧日鉱金属を源流に、2024年5月に英語社名をJX Advanced Metalsに変更。
  • 主な製品・サービス
    • 半導体材料:スパッタリングターゲット、化合物半導体・結晶材料、高純度金属など
    • 情報通信材料:圧延銅箔、高機能銅合金(チタン銅等)、超微粉ニッケル、電磁波シールド材、電線 等
    • 基礎材料:電気銅・貴金属の製錬・受託、リサイクル
  • 事業構成(連結・売上構成比/営業利益率の目安)
    • 半導体材料 21%(1Q営業利益率約22%)
    • 情報通信材料 36%(同約10%)
    • 基礎材料 43%(同約20%)
    • 海外売上比率:約40%(2025.3期)

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 半導体用スパッタリングターゲットや高機能銅材で高い競争力。顧客の量産ラインに組み込まれる資格審査や長期的な品質要求への対応力が強み。
    • 上流(製錬・リサイクル)〜下流(機能材料)の垂直統合により、原料調達と品質安定の両面で相対的な優位性。
  • 競争環境と課題
    • 競合:国内は住友金属鉱山、三井金属、古河電工等、海外はグローバル銅箔・ターゲット専業各社。
    • 課題:銅のTC/RC(買鉱条件)の悪化で製錬収益が圧迫。為替・金属価格や半導体サイクルの変動に業績が影響されやすい。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・方向性
    • AI/データセンター、先端半導体、次世代通信(5G/6G)など成長分野向けの高機能材料へシフト強化。
    • リサイクル・循環型モデルの拡充による資源安定と環境対応の両立。
  • 具体施策(開示・短信要約等に基づく)
    • 半導体材料:AI関連需要を捉えスパッタリングターゲットの増販。
    • 情報通信材料:AIサーバ向けの高機能銅合金、スマホ回復に伴う圧延銅箔の販売拡大。
    • 基礎材料:買鉱条件の悪化を踏まえ、製錬所の減産措置を検討。
    • 通期業績予想を上方修正(売上7,600億円、営業利益1,100億円、親会社利益700億円)。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益源
    • 高付加価値の機能材料(半導体・情報通信)が利益率を牽引。一方で製錬は金属市況やTC/RCに左右される。
  • 適応力
    • 顧客の工程適合や品質認証に基づくスイッチングコストの高さは安定要因。
    • リサイクル能力と上流の調達機能により、原料面のボラティリティを部分的に緩和。
    • 半導体・AI関連の構造的需要が追い風だが、サイクル性と金属価格の影響は残る。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の独自性
    • スパッタリングターゲット等で高純度・高均質化技術。顧客のデバイス世代交代に対応した材料設計力。
  • 収益牽引
    • 1Qは半導体材料(営業利益率約22%)と基礎材料(約20%)が高採算。情報通信材料もスマホ・AIサーバ向けで回復。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 主要指標(会社予想ベース)
    • EPS: 75.49円、BPS: 654.62円
    • PER: 27.6倍、PBR: 3.18倍
    • 配当: 年間18円(予想)、配当利回り約0.86%、配当性向目安20%程度
  • 業界平均との比較(参考)
    • 業界平均PER: 80.4倍 ⇒ 相対的に低い水準
    • 業界平均PBR: 0.8倍 ⇒ 相対的に高い水準
  • 参考計算(単純適用、解釈注意)
    • 業界平均PER適用の理論株価: 75.49円 × 80.4 ≈ 約6,070円
    • 業界平均PBR適用の理論株価: 654.62円 × 0.8 ≈ 約524円
    • 乖離が大きく、セクター定義や事業特性差(素材×半導体材料の複合)が影響している点に留意。
  • EV/S(概算)
    • EV ≈ 時価総額1.93兆 + 正味有利子負債0.29兆 ≈ 約2.22兆円
    • 売上LTM ≈ 0.74兆円 ⇒ EV/S ≈ 約3.0倍

7. テクニカル分析

  • トレンド
    • 200日線≈1,048円、50日線≈1,480円。現値2,079.5円は両移動平均を大きく上回る上昇トレンド。
  • 価格帯
    • 年初来高値2,339円、安値650円。現値は高値からは下、短期は2,000〜2,200円帯での攻防。
  • 出来高・需給
    • 直近の出来高増加(10日平均約6,115万株、3カ月平均約2,920万株)と信用買残増(信用倍率7.26倍)は個人主体の回転色が強い状況。
  • 短期評価
    • 強いモメンタムが継続する一方、値幅・ボラティリティが高い局面。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益(IFRS、百万円)
    • 売上(LTM): 714,940〜735,600(情報ソースによりブレ)
    • 営業利益(LTM): 会社指標ベース営業利益率 約15.5%
    • 当期純利益(LTM): 約68,271〜72,400
    • 1Q(前年同期比):売上+12.1%、営業利益+21.8%、親会社利益+27.8%
  • 収益性
    • 粗利率(LTM): 約21.9%(粗利156,962/売上714,940)
    • 営業利益率(LTM): 約15.5%(会社指標)
    • 純利益率(LTM): 約9.8%
    • ROE(実績): 10.99%
  • 安全性・流動性
    • 自己資本比率: 48.0%
    • 流動比率: 約1.76倍
    • 総D/E(簿価): 約0.50、ネットD/E: 約0.44(短信)
    • 現金同等物: 約632億円、有利子負債: 約3,505億円
  • トレンド(年度)
    • 2024→LTMで売上・利益は縮小(市況・構成影響)。ただし2026年3月期1Qは増収増益に転じている。

9. 株主還元と配当方針

  • 方針
    • 連結配当性向20%程度を基本。市況上振れ時は追加の株主還元を検討。
  • 予想配当(2026年3月期)
    • 年間18円(中間6円、期末12円)。配当利回り約0.86%。
  • 特記事項
    • 前期に特別配当91.55円(総額850億円)を実施(単発)。
  • 自社株買い
    • 明示情報なし(直近期の自己株式は約121.9万株)。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 52週変化率+130%と強い上昇。AI関連材料需要の拡大観測や業績予想上方修正が支援材料。
  • 関心・需給要因
    • 信用買残の増加と高い回転が短期の値動きを増幅。ENEOS HDが約42%保有でフリーフロートは相対的に限定的。

11. 総評

  • 半導体・情報通信向けの高機能材料で収益性が高く、AI/データセンター関連の需要取り込みが進展。製錬(基礎材料)はTC/RC悪化や市況に影響を受けやすいが、ポートフォリオの下流比率が高まりつつある。
  • 財務体質は自己資本比率48%、流動比率1.76倍、ネットD/E0.44倍と総じて良好。1Qは増収増益で通期予想も上方修正済み。
  • バリュエーションはPER面で相対的に低位、PBR面で相対的に高位と評価が割れる。素材×半導体材料の複合ビジネス特性を踏まえた解釈が必要。
  • 株価は長中期の上昇トレンドの範囲内で推移する一方、短期は出来高急増・信用需給の影響を受けやすい局面。

(注)本レポートは公開情報の事実整理であり、投資勧誘・助言を目的としたものではありません。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性: B
    • 理由:LTM売上は前年比で縮小傾向が見られる一方、直近1Qは売上+12%と回復。混在のため中立。
  • 収益性: A
    • 理由:営業利益率LTM約15%、純利益率約10%、ROE約11%。セグメント別でも高採算事業が牽引。
  • 財務健全性: A
    • 理由:自己資本比率48%、流動比率1.76倍、ネットD/E0.44倍と健全水準。
  • 株価バリュエーション: B
    • 理由:PERは業界平均比で低位、PBRは高位。EV/S約3.0倍。総合して中立評価。

参考データ
– 今後の主な予定
– 決算発表(予定):2025年11月11日
– 権利落ち日(予定):2026年3月30日
– 年初来レンジ:高値2,339円/安値650円
– 移動平均:50日1,479.8円/200日1,048.1円
– 信用需給:買残1,477.5万株(前週比+410.1万)、倍率7.26倍


企業情報

銘柄コード 5016
企業名 JX金属
URL https://www.jx-nmm.com/
市場区分 プライム市場
業種 鉄鋼・非鉄 – 非鉄金属

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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