5021 コスモエネルギーホールディングス 分析レポート(2025-10-15時点)
株価:3,494円(前日比 +60円)
時価総額:5,768億円/配当利回り(会社予想):約4.7〜4.8%/PER(会社予想):10.83倍/PBR(実績):1.02倍
— 本資料は公開データに基づく企業分析であり、投資助言を行うものではありません —
1. 企業情報
- 概要:国内上位の石油元売りグループを傘下に置く持株会社。事業は「石油」「石油化学」「石油開発(E&P)」「再生可能エネルギー(主に風力)」の4セグメントで構成。国内外で精製・販売、石化製品、原油の開発・生産、風力発電を展開。
- 事業内容(連結構成比・カッコ内はセグメント利益率の目安)
- 石油:86%(約2%)
- 石油化学:11%(約-1%)
- 石油開発:2%(約61%)
- 再生可能エネルギー:0%(約10%)
- その他:1%(約7%)
- 特徴:石油が売上の大半を占める一方、利益率の高いE&Pや再エネの拡大でポートフォリオの質を上げる方針。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内大手元売りグループの一角。精製・販売から石化、E&P、再エネまで垂直統合のバリューチェーンを保有。
- 競争優位性
- 強み:上流(E&P)の高収益性、再エネの拡大、統合事業による調達・物流・販売ネットワーク。
- 課題:国内燃料需要の構造的縮小、原油・為替・マージンのボラティリティ、石化市況の弱さ、脱炭素対応コスト。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性(開示情報の範囲)
- 石油事業の効率化・マージン管理の徹底。
- 高採算の石油開発事業と再エネ事業を収益の第二軸へ。
- ポートフォリオの資本効率改善(ROEの安定化)と株主還元の継続。
- 中期施策(確認可能な事項)
- 再エネ(風力)の拡大・稼働率改善。
- 石化は市況対応と収益性回復がテーマ。
- キャピタルアロケーション:自己株式の消却(2025/8/29実行)、株式分割(1→2、2025/10/1)等で資本効率・流動性に配慮。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:石油精製・販売の薄利多売+市況型に、E&Pの資源価格連動・高採算、再エネのストック型収益を組み合わせる構造。
- 適応力:石油需要の長期縮小に対し、E&P・再エネの拡大で補完。短期は原油・為替・需給マージンに左右されるため、分散と財務規律が重要。
5. 技術革新と主力製品
- 主力製品・サービス:ガソリン・軽油・灯油・ナフサ・重油、潤滑油、LPG、アスファルト、石化(エチレン、キシレン、パラキシレン、ベンゼン等)、風力発電電力。
- 技術・独自性:風力発電の開発・運営ノウハウ、統合精製・石化の運用効率化。石化の高付加価値化、再エネ連系・保守の運転技術が収益性に影響。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 会社予想EPS:322.6円 → PER=約10.83倍(株価3,494円)
- 実績BPS:3,438.83円 → PBR=約1.02倍
- 参考比較(業界平均):PER 8.0倍、PBR 0.9倍
- PER相対:10.83倍は業界平均比でプレミアム
- PBR相対:1.02倍は業界平均比でやや上
- 参考目安(機械的計算)
- 業界平均PER適用の目安株価=約2,581円(= 322.6×8.0)
- 業界平均PBR適用の目安株価=約3,095円(= 3,438.83×0.9)
- EV/EBITDA(概算):EV ≒ 5,768億 +(有利子負債6,689億−現金1,474億)≒ 1.10兆円。EBITDAはLTMベースで概ね1.49〜1.87兆円?→ 1,098/1,874≒約5.9倍(数値ソース差異ありのためレンジ評価)
- 配当:年間165円(会社予想、株式分割後ベース)・配当性向約49%・利回り約4.7〜4.8%
(注)上記は単純比較であり、各社の事業構成やサイクル差を織り込んでいません。
7. テクニカル分析
- トレンド指標:50日移動平均=3,562円、200日移動平均=3,285円
- 現在値は50日線を小幅下回り、200日線を上回る位置。
- 価格レンジ:52週高値4,072円/安値2,509円、現状は高値から約-14%、安値からは大きく反発済み。
- 直近の値動き(10日):3,450円前後でのもみ合い。10/9の上振れ(3,666円)後に押し戻され、出来高は3か月平均(約62万株)を下回る日が増加。
- 信用動向:信用買残が前週比+130千株、信用倍率8.26倍と買い残偏重。短期の需給影響に留意。
8. 財務諸表分析
- 売上推移(百万円)
- 2022/3:2,440,452 → 2023/3:2,791,872 → 2024/3:2,729,570 → LTM:2,799,947
- 3年CAGR(2022→LTM):約+4.7%、LTM対前年:+2.6%、直近四半期YoY:-1.0%
- 利益・マージン(LTM)
- 売上総利益:306,822、粗利率:約11.0%(過去数年は低下傾向)
- 営業利益:128,250、営業利益率:約4.6%(2022/3の約9.6%から段階的に低下)
- 当期純利益:57,671、純利益率:約2.1%
- EBITDA:187,382(マージン約6.7%)
- 効率性・資本性
- ROE(実績):9.73%、LTMベース指標では4.30%と低下方向
- ROA(LTM):2.61%
- 財務健全性
- 自己資本比率:27.1%(目安40%には届かず)
- 流動比率:約1.11倍
- D/E(総負債/自己資本の一指標):有利子負債 6,689億、現金 1,474億、Net D/Eは高め
- セグメント概況(2026年3月期1Q)
- 石油・石化:市況悪化や為替影響で四半期は赤字
- E&P:黒字で全社利益に寄与
- 再エネ:黒字化、風況改善が寄与
9. 株主還元と配当方針
- 配当:2026年3月期会社予想 年間165円(株式分割後ベース、分割前換算で330円相当)、配当性向約49%
- 自己株式:2025/8/29に自己株式5,832,900株を消却実施
- 株式分割:1→2(効力日 2025/10/1)
- 参考:5年平均配当利回り 約3.91%
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:年初来高値3,725円に一度接近後に反落、50日線付近での攻防。出来高は鈍化傾向。
- 関心材料・外部要因
- 原油価格、為替(円/ドル)、精製マージン、石化スプレッド
- 風況や再エネ稼働、制度・規制動向
- 近々のイベント:決算発表(2025/11/11予定)、配当権利落ち(2026/3/30予定)
11. 総評
- 事業構造:売上は石油中心だが、収益面ではE&Pと再エネの寄与が相対的に高い。分散化は進んでいるが、短期業績は市況・為替に左右されやすい。
- 収益性:2022/3をピークにマージンは低下基調。直近四半期は石油・石化が赤字で圧迫。一方でE&P・再エネは下支え。
- 財務:自己資本比率・流動比率ともに守備的とは言い難く、レバレッジ水準は相応に高い。
- バリュエーション:PER・PBRは業界平均比ではやや高めの水準。配当利回りは相対的に高水準で安定的な株主還元方針を確認できる。
- テクニカル・需給:50日線を挟む持ち合い。信用買い残の積み上がりが短期の値動きに影響する可能性。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上+2.6%、3年CAGR約+4.7%。直近四半期は-1%。
- 収益性:B
- 根拠:LTM営業利益率約4.6%、粗利率約11%。E&Pは高採算だが、石油・石化の低下で全社マージンは縮小。
- 財務健全性:C
- 根拠:自己資本比率27.1%、流動比率1.11倍、有利子負債水準は高め。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PER10.83倍・PBR1.02倍は業界平均(PER8.0・PBR0.9)比でプレミアム。EV/EBITDAは中位レンジ。
(補足)
– 数値は特記なき限り連結・百万円。LTM/四半期のデータ差異や一過性項目の影響に留意。
企業情報
銘柄コード | 5021 |
企業名 | コスモエネルギーホールディングス |
URL | http://ceh.cosmo-oil.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | エネルギー資源 – 石油・石炭製品 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。