小林製薬(4967)企業分析レポート
株価:5,153円(2025-10-17)
市場区分:プライム(内国株式)/業種:化学(Household & Personal Products)
時価総額:4,022.7億円
1. 企業情報
- 概要:日用品・OTC医薬品・医療機器・衛生用品・健康食品などを製造販売。芳香・消臭領域で国内首位級(「サワデー」「ブルーレット」等)、ニッチな生活課題を解決する製品開発に強み(「あったらいいなをカタチにする」が企業姿勢)。海外でも米国・中国・東南アジア等で展開。
- 主なブランド・製品群:
- 医薬/ヘルスケア:アンメルツ、ナイシトール、熱さまシート、ブレスケア など
- 日用品:ブルーレットおくだけ、サワデー、レンズクリーナー 等
- 通販:サプリ・スキンケア等のD2C
- 連結事業(2024.12):国内72%、国際27%、その他0%(カッコ内はセグ利益構成の目安)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内の芳香・消臭剤カテゴリーで高いプレゼンス。トイレタリーの特定ニッチで競争力あるブランドを多数保有。
- 強み:
- ニッチ志向の製品企画力とスピード、ブランド資産
- 生活密着の需要(景気感応度が相対的に低い)
- 高い自己資本比率と潤沢なネットキャッシュ
- 課題:
- ヒット商品依存度(広告投下・店頭露出に業績が左右されやすい)
- 国際事業の採算性(中華圏・ASEANで需要変動大、2025年上期は赤字)
- 2024年の紅麹関連製品自主回収に伴う信頼回復・追加費用の不確実性
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方針:生活者の未充足ニーズを捉えた「小林製薬らしい」独自製品の創出、ブランド価値の強化、海外展開の拡大。
- 重点分野(足元の示唆):
- 国内:新製品投入と広告再開による売上回復(2025年4月以降広告再開、6月からTV広告順次再開)。インバウンド需要取り込み。
- 海外:米国での投資継続(買収先Focus社サプリの寄与)、一方で中国・ASEANの在庫調整と需要低迷を是正。
- 品質・ガバナンス:紅麹関連の対応継続(引当計上済も、偶発債務の可能性に留意)。
- 設備投資:建設仮勘定の増加から、生産・研究体制強化への投資進行が示唆。
- 通期見通し(会社計画・修正なし):売上高1,710億円、営業利益140億円、純利益105億円、EPS 141.25円。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:ブランド日用品・OTCの継続需要+新製品の積み上げ、店頭と通販(D2C)の複線展開。カイロ・冷却等の季節商材も含む。
- 持続性の評価ポイント:
- 生活必需寄りのカテゴリーで基礎需要は安定しやすい
- 広告・販促投下と棚取りに依存する面、ヒットの更新が必要
- Eコマース・インバウンド・海外の多様チャネルで需要分散が可能
- 品質・安全性対応の徹底が今後の信頼回復の鍵
5. 技術革新と主力製品
- 技術・開発:小型化・使い勝手・剤形工夫(貼付・ゲル・置き型等)や容器・パッケージの改良など、生活者インサイト起点の開発に強み。
- 主力・収益牽引:
- 医薬・ヘルスケア:アンメルツ、熱さまシート、ナイシトール
- 日用品:ブルーレット、サワデー
- 海外:カイロ、熱さまシート等の輸出・ローカライズ、米国サプリ
6. 株価の評価(バリュエーション比較)
- 現在株価:5,153円
- EPS(会社予想):141.25円 → 予想PER ≈ 36.5倍(開示値一致)
- EPS(LTM):約158.75円 → 実績PER ≈ 32.5倍
- BPS(実績):2,791.27円 → PBR ≈ 1.85倍(開示値一致)
- EV/売上高(LTM):EV ≈ 4,022.7億 − 696.7億 + 7.5億 ≈ 3,333億円、売上1,615億円 → EV/S ≈ 2.1倍
- EV/EBITDA(LTM):約3,333億 / 304.5億 ≈ 11.0倍
- 業界平均(参考):PER 20.4倍、PBR 1.1倍
- 参考比較:EPS×業界平均PER ≈ 141.25×20.4 ≈ 約2,880円
- 参考比較:BPS×業界平均PBR ≈ 2,791×1.1 ≈ 約3,070円
(注)いずれも機械的比較であり、成長性・収益性・財務やリスク差を反映しない単純指標。
7. テクニカル分析
- 位置づけ:52週高値 6,350円/安値 4,850円のレンジで、現状は下限寄り(5,153円)。
- 移動平均:50日 5,399円、200日 5,483円 → 現値は両線を下回る。
- 短期トレンド:直近10日で戻り売り基調(5,420円→5,153円)、出来高は3カ月平均(約18.7万株)比でやや低め〜同程度の推移。
- 信用動向:信用買残 19.1万株(前週比+3.1万)、信用倍率 2.17倍。個人主体のロング傾斜が示唆。
8. 財務諸表分析
- 売上推移(百万円)
- 2021年:155,252
- 2022年:166,258(+7%)
- 2023年:173,455(+4%)
- 2024年:165,600(-5%)
- 過去12カ月:161,482(-2%)
- 利益・収益性
- 粗利率(LTM):約51.4%(近年は55%台から低下傾向)
- 営業利益(LTM):22,046(営業利益率 指標値 11.45%)
- EBITDA(LTM):約3,045(億円換算で約304.5億)
- ROE:実績 4.83%、LTM 5.65%(中位水準)
- キャッシュフロー(LTM)
- 営業CF:199.3億円、フリーCF:179.1億円(売上対比で2桁%の良好な水準)
- 財政状態(2025/6/30)
- 自己資本比率:79.6%(前期末80.2%)
- 流動比率:2.92倍、D/E:0.36%(実質無借金に近い)
- 現金等:696.7億円、総資産:2,607億円
- セグメント(2025年上期)
- 国内:売上 5,366億円、利益 819億円(前年同期比 減収減益、ただし2Qから増収転換)
- 国際:売上 1,776億円、損失 △150億円(米国増収、中国・ASEAN減)
- その他:売上 311億円、利益 7億円
- 特別損失等
- 紅麹関連の製品回収損失を特損計上(当上期 29.1億円)。合理的見積り困難な範囲は偶発債務の可能性に言及。
(単位換算の目安:上段テーブルは百万円ベース。本文の「億円」は概算。)
9. 株主還元と配当方針
- 配当:会社予想 年間104円(中間44円、期末60円)/予想配当利回り約2.0%
- 配当性向(予想):約64.9%
- 自己株式:発行株式の約4.75%を保有(本データ内で新規買付の明記はなし)
- 配当の持続性:LTMフリーCF 約179億円、年間配当総額の概算(104円×約7,434万株 ≈ 77億円)を十分にカバー。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落:-10.9%(β 0.51とディフェンシブ性)
- 年初来レンジ:高値 6,220円/安値 4,850円
- 投資主体:インサイダー保有30.8%、機関21.6%、フロート約3,295万株と流動株は相対的に少なめ。信用買いの積み上がりが短期の値動きに影響する可能性。
11. 総評
- 生活必需寄りのブランドポートフォリオと、ニッチ課題解決型の開発力を背景に、国内は広告再開・インバウンド回復で持ち直し。海外は米国が牽引する一方、中華圏・ASEANの調整で赤字と、地域差が残る。
- 収益性は粗利率・営業利益率とも過去ピークからの調整局面。品質対応関連の不確実性は引き続きリスクだが、バランスシートとキャッシュ創出力は堅健。
- バリュエーションは業界平均比でプレミアム水準(PER・PBR)。テクニカル面では主要移動平均線を下回り、レンジ下限寄りの位置。
(本資料は公開データの整理であり、投資勧誘・助言を目的としません。)
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:C
- 根拠:LTM売上は前年比マイナス、3年CAGRは小幅プラスだが直近は減速。
- 収益性:B
- 根拠:営業利益率(LTM 11%台)は堅調だが、粗利率は低下傾向。業界平均との差は中立評価。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率約80%、流動比率2.9倍、実質無借金に近い。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PER(約36.5倍)、PBR(約1.85倍)は業界平均(20.4倍、1.1倍)を上回る水準。EV/EBITDAは約11倍。
参考データ出所:質問内提供の株価・財務・決算短信要約等(2025年10月時点)。不明点・将来見通しは元資料をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 4967 |
企業名 | 小林製薬 |
URL | http://www.kobayashi.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 素材・化学 – 化学 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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