日本エム・ディ・エム(7600)企業分析レポート
株価:515円(2025-10-17終値)
市場区分:東証プライム/精密機器
時価総額:136.6億円
1. 企業情報
- 概要:整形外科向けの医療機器メーカー。人工関節、骨接合材料、脊椎固定器具、人工骨充填材を開発・製造・販売。医師・病院へ販売。1973年設立、本社は東京都新宿区。
- 生産・販売の特徴:製品の約8割を米国で製造。日本・米国の2セグメント体制。海外売上比率46%(2025年3月期)。
- 事業内訳(2025.3期):人工関節65%、骨接合材料19%、脊椎固定器具14%、他2%。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内整形外科インプラントの中堅。グローバル市場は外資大手(ストライカー、ジンマー、J&J/DePuy、スミス&ネフュー等)が寡占。国内では京セラ、ナカシマメディカル等と領域が重なる。
- 競争優位性:
- 高い粗利率(LTMで約62%)と自社製品比率の高さ(第1Q:79.5%)。
- 米子会社由来の主力製品(膝:BKS TriMax、股関節:Trivictaなど)が北米で拡大。
- 課題:
- 骨接合材料で競争激化(価格・採用競争)。
- 規模の経済で劣る点(教育・販促・開発投資で大手に比べ制約)。
- 為替・関税の影響(米国製造・販売比重が高く感応度が高い)。
3. 経営戦略と重点分野
- 基本方針:人工関節・脊椎の主力領域で症例獲得と製品ライン強化。国内は術者教育やセミナー、米国は主力製品の拡販を継続。
- 地域戦略:
- 日本:人工関節(THA増、BHA・TKAは選別的)、脊椎(KMC Kyphoplasty等)の伸長で収益確保。
- 米国:膝(BKS TriMax)が2桁成長、股関節(Trivicta)堅調。製品ミックス改善で収益性を維持・改善。
- コスト対応:調達・自社製造コスト上昇に対し、製品ミックス・価格戦略・原価改善を進める。
- 通期見通し(会社方針の据え置き):売上2,640億円、営業利益18.5億円、当期純利益14.5億円(為替・関税の不確実性を注視)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:整形外科手術に用いる埋植型機器の提供。高齢化による需要基調は安定的。術者教育・製品アップデートで継続採用を目指すモデル。
- 適応力:
- ニーズ変化:低侵襲、耐久性、アライメント精度向上などへの対応が鍵。
- マクロ変動:為替・関税・償還価格の変動に影響を受けやすいが、製造・販売の地理的分散で一定のヘッジ。
5. 技術革新と主力製品
- 主力製品:BKS TriMax(人工膝)、Trivicta Hip Stem(人工股関節)、Prima Hip Screw・ASULOCK(骨接合)、KMC Kyphoplasty(脊椎)等。
- 技術・開発動向:セメントレス関節や術式最適化、材料・表面処理などで改良。米国発の製品開発が収益の牽引役。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- PER:
- 市場データの会社予想EPS 22.78円ベース:PER ≒ 22.6倍(業界平均21.1倍付近)。
- 会社開示(短信)EPS予想 55.06円ベース:PER ≒ 9.4倍。
注)予想EPSにデータ不整合があるため、出所によりPERが大きく異なる。
– PBR:0.57倍(BPS 909.65円、株価515円)。業界平均PBR 1.8倍を大きく下回る。
– EV/Sales:EV ≒ 156.6億円(時価総額136.6+有利子負債43.1−現金23.5)/売上251.1億円 ≒ 0.62倍。
– 配当利回り:3.29%(会社予想17円)。
参考の配当性向:
– 市場予想EPS(22.78円)前提:配当性向 ≒ 75%。
– 会社予想EPS(55.06円)前提:配当性向 ≒ 31%。
注)EPS前提により解釈が変わる点に留意。
7. テクニカル分析
- トレンド:株価515円は50日移動平均520.6円をやや下回り、200日移動平均558.0円を下回る。
- レンジ位置:52週レンジ460–697円の約23%地点(下限寄り)。年初来レンジ460–649円でも下寄り。
- モメンタム:直近10日でやや反発(501→515円)。出来高は10日平均8.2万株と3カ月平均10.0万株を下回り、商いはやや細い。
8. 財務諸表分析
- 売上高の推移(連結、百万円)
- 2022/3:19,193 → 2023/3:21,308 → 2024/3:23,178 → LTM:25,114
- 3年で着実に拡大(CAGR約9%)。
- 収益性(LTM)
- 粗利率:約62.3%(15,647/25,114)
- 営業利益率:約6.2%(1,556/25,114)
- 一方、特別要因(Total Unusual Items △18.3億円)の影響で税前・純利益は赤字。Normalized EBITDAは約32.4億円(マージン約12.9%)。
- 2026年3月期 第1四半期(百万円)
- 売上5,920(前年比△2.2%)、営業利益150(△58.9%)、純利益65(△75.9%)
- 粗利率約61.7%、販管費率約59.1%、営業利益率約2.5%
要因:売上原価率上昇、人件費上昇、米国セミナー費用等。為替円高で円換算売上は目減り。
– 効率・安全性
– 自己資本比率:73.3%(第1Q末74.4%)
– 流動比率:4.11倍、D/E:約18%(有利子負債4.31百億円、現金2.35百億円)
– 在庫:製品・商品は増加(成長・供給安定のための積み増しの可能性)。
– ROE/ROA:ROE(実績)△1.84%(LTMは特別損失影響で低下)。ROA(LTM)2.61%のデータあり(出所により差異)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当方針:前期実績15円、今期予想17円(中間0円・期末一括)。特別配当記載なし。
- 配当利回り:約3.3%(株価515円)。
- 自己株式・買戻し:自己株式0.06%(足元で積極的な自己株買いの開示なし)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週変化率:△24.2%(S&P500 +13.0%と対照的)。
- 信用動向:信用買残65.6万株、売残13.1万株、信用倍率5.0倍。買い残偏重で需給はやや重い可能性。
- 株主構成:インサイダー持分43%と高め、浮動株は限定的。機関保有13.6%。
- 取引参加:出来高は平均比やや低下。イベントドリブン(決算・為替・関税ニュース)で変動しやすい局面。
11. 総評
- 売上は中期的に拡大基調。一方で直近はコスト上昇・為替の影響で営業利益率が低下、LTMでは特別要因で最終赤字。第1四半期も利益面は弱含み。
- バリュエーションはPBR・EV/Sで見ると抑制的。PERは予想EPSの前提によって評価が大きく変わるため、会社開示と市場データの差異に留意が必要。
- ファンダメンタルズ面では高い粗利率と堅固な財務(自己資本比率70%超、流動比率4倍)が安定要素。競争激化領域(骨接合)や為替・関税リスクが収益の不確実性。
- テクニカルでは52週レンジの下寄りで、移動平均線(50日・200日)を下回る。需給は信用買い残が厚く、イベント次第で振れやすい。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
理由:売上はLTMで前年比+8%前後、3年CAGR約9%と拡大。直近期は四半期ベースで微減。
– 収益性:B
理由:粗利率は高水準だが、営業利益率は低下傾向。LTMは特別要因で純損失。Normalizedでは一定の収益力を維持。
– 財務健全性:A
理由:自己資本比率70%超、流動比率4倍、D/E約18%で安全性は高い。
– 株価バリュエーション:A
理由:PBR0.57倍、EV/S約0.62倍と同業平均比で割安感。赤字期のためPER以外を重視。
参考データ・イベント
– 今後のイベント:2025/7/28–8/1 決算発表予定(ウィンドウ表示)、2026/3/30 権利落ち予定日
– 年初来高値/安値:649円 / 460円
– 52週高値/安値:697円 / 460円
– セグメント(2026年3月期第1Q売上・百万円):日本3,199(+0.5%)、米国2,721(△5.1%円換算、ドルベース+2.2%)
– 主なリスク:為替(円高)、調達・製造コスト上昇、骨接合材料の競争激化、米国関税・海外調達リスク、規制・償還価格の変更
企業情報
銘柄コード | 7600 |
企業名 | 日本エム・ディ・エム |
URL | http://www.jmdm.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 精密機器 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。