オーエスジー(6136)企業分析レポート
株価:2,218.5円(2025-10-16終値)/市場:プライム/業種:機械(Tools & Accessories)
1. 企業情報
- 概要:1938年創業の精密切削工具大手。タップ、ドリル、エンドミル、インデキサブル、ねじ転造工具、ゲージ、ツーリング(OZT Tool Presetter、Safe-Lock System など)を製造・販売。ツールリコンディショニング(再研磨・再コーティング)も提供。
- 特徴:タップ・エンドミルで高シェア。製販一貫体制、海外売上比率が高い(連結売上の約68%が海外、2024.11)。
- 主要顧客分野:自動車、金型、航空宇宙、エネルギー、重工業。
- 事業内訳(売上構成、2024.11):ねじ切り工具33%、ミーリング19%、ドリル等30%、転造7%、測定1%、その他10%。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:切削工具分野の国内大手でグローバル展開。特にタップ・エンドミルで高いプレゼンス。
- 競争優位性
- 製販一貫・グローバル供給網(日本・米州・欧州/アフリカ・アジアに拠点)。
- 消耗品ビジネス(工具は摩耗により継続需要が発生)。
- 再研磨・再コーティング等のリコンディショニングで顧客囲い込み。
- 課題
- 地域景況の影響(米州鈍化、韓国停滞などの地域差)。
- 自動車セクター動向(エンジン部品加工の需要変化など)への感応度。
- 為替・原材料・物流コストの変動。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方針(開示要旨)
- 海外需要の取り込み(海外売上比率約68%)。
- 新製品(Aブランド)の世界展開と収益性の維持・改善。
- M&A活用(Precision Tools Holding B.V.の取得、のれん計上あり)による欧州強化。
- 中期的な重点施策(会社開示の範囲)
- 日本:新製品展開で増収増益。
- アジア:中国の需要刺激の取り込み(韓国は需給調整)。
- 米州:固定費コントロールで利益率の下押しを緩和。
- 欧州:回復傾向の取り込みとポートフォリオ強化。
- 資本政策:自己株式の取得・消却を実施(2025/4取得→7/消却)。株主価値意識。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:切削工具という消耗材の継続需要+再研磨等の付帯サービスでストック性を補完。多業種・多地域分散。
- 需要変動への適応:新製品投入、地域・顧客の分散、固定費管理、リコンディショニングでの稼働平準化。
- リスク耐性:自己資本比率64.8%、流動比率約598%と財務余力が大きい。
5. 技術革新と主力製品
- 主力:タップ、ドリル、エンドミル、インデキサブル、ねじ転造工具、ゲージ、ツーリング。
- 技術・製品動向
- 新製品(Aブランド)のグローバル展開が進展。
- Safe-Lock等のツーリング、OZT Tool Presetterなど周辺ソリューションも強化。
- リコンディショニング(工具寿命延伸・コスト最適化)で顧客価値向上。
- 収益牽引(2025年11月期3Q累計)
- 切削工具計:95,484百万円(ねじ切り38,254/ミーリング21,202/ドリル等36,027)
- 地域:日本・アジアが利益面を牽引、欧州回復傾向、米州はコスト管理で耐性。
6. 株価の評価(バリュエーション指標の比較)
- 足元指標(会社予想・実績ベース)
- PER:12.80倍(業界平均16.6倍)
- PBR:1.08倍(業界平均1.4倍)
- 配当利回り(会社予想):3.97%(年間88円、うち記念配28円含む)
- EV/S:約1.37倍(EV≈時価総額213.3bn+正味有利子負債0.7bn、売上LTM約156.2bn)
- 参考バリュー試算(単純比較)
- 業界平均PER適用:173.38円×16.6=約2,878円
- 業界平均PBR適用:2,050.02円×1.4=約2,870円
- 現在株価2,218.5円は、これら単純比較値との差がある(参考情報)。
注:上記は機械的比較であり、個別の成長性・リスク・資本配分等は織り込まれていません。
7. テクニカル分析(短期)
- トレンド:50日線2,077円、200日線1,796円の双方を上回る推移。上昇トレンド継続局面。
- 位置:52週高値2,292円に接近しつつも直近は2,265→2,218.5円と小反落。高値圏寄りのレンジ。
- 出来高:3カ月平均約39万株、直近10日平均約43.8万株でやや増加。
- 信用需給:信用倍率0.76倍(売り残>買い残)。前週比で買い残増・売り残減。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高推移:126,156(2021)→142,525(2022)→147,703(2023)→155,517(2024)→LTM約156,190百万円。3年で拡大基調、LTM YoYは+約2.5%。
- 収益性
- 粗利率:LTM約40.6%(63.35/156.19)
- 営業利益率:LTM 11.07%(2022年は約15.4%→2024年約12.1%へ低下後、足元は横ばい~やや回復余地)
- EBITDAマージン:LTM約20.3%
- 当期純利益率:LTM 8.51%
- ROE:7.6–7.7%(実績)
- ROA:4.49%
- 安定性・流動性
- 自己資本比率:64.8%(3Q時点66.7%)
- 流動比率:約598%
- D/E(総有利子負債/自己資本):約24.8%(ネット有利子負債は軽微)
- キャッシュ・フロー
- EBITDA安定(LTM約316.6億円)。減価償却は年120~130億円規模。営業CF詳細は未開示(短信に四半期CFはなし)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2024年実績:年60円
- 2025年予想:年88円(中間28円、期末60円。うち記念配28円)
- 予想配当性向:概算約51%(88円/予想EPS173.38円)。開示のトレーリング配当性向は45.44%。
- 自社株
- 2025/4に自己株式取得(303.7万株)、2025/7に同数を消却。期末自己株比率は高水準(自己株口17.36%)。
- 総還元
- 配当+自己株での株主還元を継続。今後は業績・投資計画・財務バランスで機動的に判断の余地。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:年初来高値圏で推移。直近は高値更新後の押し目形成。
- 需給:信用売り超(倍率<1)ながら、買い残増・売り残減の変化あり。
- 投資家層:機関保有約34%、インサイダー約16%。自己株・持株会・財団等の安定株主も一定比率。
- 予定イベント
- 権利落ち日:2025-11-27(予定)
- 決算発表:2026-01-08(予定)
11. 総評(要約)
- 事業:切削工具のグローバル大手。消耗材+サービスで安定性があり、新製品展開と地域分散で環境変化に対応。
- 業績:売上は緩やかに成長。営業利益率はピークから低下後、11%台で推移。ROEは一桁後半。
- 財務:自己資本比率・流動性ともに高く、ネット有利子負債は軽微。
- バリュエーション:PER・PBRとも業界平均を下回る水準。配当利回りは会社予想で約4%。
- テクニカル:中長期上昇トレンドのなかで高値圏寄り。出来高は堅調、信用需給は売り超。
(注)本レポートは公開データに基づく客観的整理であり、投資判断を目的とする助言ではありません。
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY +約2.5%、3年CAGRプラス。増収基調。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率約41%、営業利益率約11%。業界レンジ内で平均的(ピーク比では低下)。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率約65%、流動比率約598%、D/E約25%(ネット負債軽微)。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PER12.8倍・PBR1.08倍と業界平均(PER16.6倍、PBR1.4倍)を下回る水準。EV/S約1.37倍。
データ出所:会社開示(2025年11月期3Q短信)、提供の財務・株価・指標データ等。数値は端数処理・集計基準の差により一致しない場合があります。
企業情報
銘柄コード | 6136 |
企業名 | オーエスジー |
URL | http://www.osg.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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