グンゼ(3002)企業分析レポート
株価: 3,760円(本日終値)/時価総額: 1,300億円/市場: 東証プライム
セクター: 素材・化学(33業種: 繊維製品)/ベータ: 0.19
1. 企業情報
- 概要:
- 1896年創業の総合素材・消費財メーカー。主力のアパレル(インナー・レッグウェア)に加え、機能ソリューション(プラスチックフィルム、エンプラ、フッ素樹脂チューブ、シームレスベルト等)、メディカル(吸収性縫合糸・骨接合材・癒着防止材・人工硬膜・人工真皮・吸収性補強材など)、ライフクリエイト(不動産、スポーツクラブ運営)を展開。
- 連結事業構成(売上比率/セグメント利益率の目安):機能ソリューション38%(OPM約14%)、メディカル9%(同約19%)、アパレル44%(同約1%)、ライフクリエイト9%(同約8%)。海外売上比率約20%。
- 紳士肌着で国内トップクラス。非繊維(高機能材、メディカル)へのポートフォリオ転換を推進。
2. 業界のポジションと市場シェア
- アパレル(インナー・レッグウェア):
- 国内知名度・ブランド力(BODY WILD、YG、KIREILABO、Tuché など)が強み。量販・EC双方の販路を持つ一方、天候要因・消費動向や売り場縮小の影響を受けやすい構造。ユニクロ(ファーストリテイリング)の台頭など価格・機能競争が継続。
- 機能ソリューション(プラスチックフィルム等):
- 食品・日用品包装向け中心。国内外で価格競争が激しく、需要停滞局面では数量・マージンの圧迫が生じやすい。エンプラやフッ素樹脂用途は産業(半導体/OA)サイクルに影響。
- メディカル:
- 吸収性ポリマー由来の製品群に強み。国内外(中国含む)展開も、現地規制や為替の影響を受ける。
- 総合評価(競争優位・課題):
- 強み: 国内ブランド力、幅広い事業ポートフォリオ、メディカル・高機能材の技術資産。
- 課題: アパレルの低採算構造、フィルムの価格競争、為替・中国規制の影響。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期経営計画「VISION 2030 stage2(創りかえる3年間)」初年度(2026年3月期)
- 重点施策:
- 収益牽引領域の強化・拡大:機能ソリューション、メディカルの拡販・高付加価値化。
- 構造改革:アパレルの事業構造改善(第1四半期に構造改革費用計上)、ライフクリエイトの採算改善。
- 第1四半期進捗(会社開示):想定範囲内として通期予想を据え置き。短期利益は改革費用で圧迫も、中長期で収益力改善を志向。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- アパレルの安定的キャッシュ創出+高機能材・メディカルのマージン拡大で全社利益を底上げする構図。ライフクリエイトは安定収益基盤。
- 変化対応力:
- 環境対応型フィルム、リサイクラブル素材、高機能エンプラ、吸収性ポリマー医療材など、需要シフトに沿った製品群を保有。アパレルはEC強化・商品差別化を進展。
- リスク:
- 原材料・エネルギーコスト、為替(特に人民元)、中国の医療規制、産業サイクル(半導体/包装)、気象・消費動向。構造改革の一時費用が短期利益を変動させる点。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:
- 吸収性ポリマー(PLLA/PGA等)を用いた医療材料、フッ素樹脂チューブ・薄肉管、シームレスベルト、シュリンク/多層フィルムなど高分子加工技術に強み。
- 収益牽引製品:
- メディカル:吸収性縫合糸、骨接合材、癒着防止材、組織補強材など。
- 機能ソリューション:包装用高機能フィルム、フッ素樹脂製品、エンプラ部材。
- アパレル:紳士肌着、レッグウェア(ECと差別化商材の伸長)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 予想PER(会社予想EPS 86.23円ベース): 43.6倍(業界平均 21.7倍比で高水準)
- TTM PER(直近12カ月EPS約189.3円ベース): 約19.9倍
- PBR: 1.11倍(BPS 3,391.85円)
- EV/売上: 約0.99倍(EV約1,358億円/売上1,371億円)
- EV/EBITDA: 約8.5倍(EBITDA 160億円ベース)
- 補足: 会社予想は構造改革費用等の影響を織り込み、予想EPSが抑制的。指標はTTMと予想で差がある。
7. テクニカル分析
- 短期トレンド: 直近10営業日は3,700〜3,800円でのもみ合い。出来高は3カ月平均(約23.4万株)に対し足元はやや低下傾向。
- 移動平均: 50日線 3,801円のやや下、200日線 3,143円の上。中期は上昇基調を維持しつつ短期は上値重い展開。
- 位置づけ: 52週高値 4,025円・安値 2,283円に対し、現値はレンジ上方(約85%地点)。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結、百万円)
- 売上高: 124,314(2022)→ 136,030(2023)→ 132,885(2024)→ 137,117(LTM)
- 営業利益: 4,880 → 5,813 → 6,777 → 7,922(LTM OPM約5.8%)
- 親会社純利益: 2,939 → 4,501 → 5,109 → 6,279
- EBITDA: 11,903 → 12,526 → 10,920 → 16,043
- 傾向: 2024期は一時減収も、LTMで再増収・増益。粗利率は約31.5%。費用コントロールと高付加価値比率の向上が寄与。
- 2026年3月期第1四半期(2025/4-6):
- 売上 32,240(前年比 -3.4%)、営業益 1,806(-13.3%)、四半期純損失 △1,473(アパレル構造改革の特別損失3,434計上)。
- セグメント:機能ソリューションは需要停滞・価格競争、メディカルは拡販も為替等で減益、アパレルは数量減とコスト増で減益、ライフクリエイトは改善。
- 効率・収益性:
- ROE(実績)5.28%、ROA 約2.8%、営業利益率 5〜6%、EBITDAマージン約11.7%。
- 財務健全性:
- 自己資本比率 74.6%(期首)→ 69.4%(1Q末)、流動比率 約236%、Net D/E 低位(有利子負債 158億円、現預金 100億円)。健全性は高い水準。
- キャッシュフロー:
- 減価償却費 LTM 68.7億円、1Q 17.6億円。四半期CFは未開示(注記)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想:
- 2025年3月期 合計 390円(うち特別配当 101円)※株式分割前表示に関する注記あり
- 2026年3月期 会社予想 年間216円(普通147円+特別69円)
- 配当利回り: 5.74%(現値ベース、会社予想)
- 配当性向:
- 会社予想EPS(86.23円)対比では>100%相当となり一時的に高水準(特別配当含むため)。
- 自己株式: 発行株式数の約6.1%保有(買戻し実績の示唆)。2025年3月に1:2の株式分割実施。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落率: +35.6%(TOPIXやS&P500の騰落率と比べても堅調)
- 信用動向: 信用買残 10.6万株(前週比 +1.25万株)、信用倍率 2.20倍。売残は減少。短期的な買い優位への傾きが示唆。
- 出来高: 直近は3カ月平均を下回る日が多く、直近の上値追いは慎重。
- 影響要因:
- 構造改革費用計上の進捗、メディカル拡販、フィルム市況/原材料価格、為替(人民元)、消費動向・気象、半導体/OA市況など。
11. 総評
- 事業ポートフォリオの再構築(機能ソリューション・メディカル強化、アパレル構造改革)を中計に沿って推進中。短期は改革費用で利益がぶれる一方、中長期は収益力の底上げを志向。
- 財務体質は堅健で、配当(特別配当含む)・自己株式の存在から株主還元の姿勢がうかがえる。
- バリュエーションは予想ベースPERが高く見える一方、TTMでは平準化。今後は構造改革の効果顕在化と高付加価値領域の伸長、フィルム市況・為替・コスト要因の動向が注目点。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: B
- 根拠: LTM売上+3%程度、3年CAGR約3%台。短期(1Q)は-3.4%と減速。
- 収益性: B
- 根拠: 粗利率約31%、営業利益率5〜6%、EBITDAマージン約12%。業界平均レンジ並水準とみられる。
- 財務健全性: A
- 根拠: 自己資本比率約69〜75%、流動比率約236%、有利子負債控えめ(D/E低位)。
- 株価バリュエーション: C
- 根拠: 予想PER 43.6倍(業界平均21.7倍比で高位)、PBR 1.11倍は概ね平均並み、EV/EBITDA約8.5倍は中位。
【参考データ】
– 会社予想(2026/3期):売上1.4兆円ではなく140,000百万円(1,400億円)、営業利益85億円、純利益28億円、EPS 86.23円(据え置き)。
– 主要イベント: 次回決算発表ウインドウ(2025/7/31〜8/4)、権利落ち予定日(2026/3/30)。
– 本レポートは提供データ(決算短信要約・指標・株価データ)に基づき作成。不明項目は記載していません。投資助言ではありません。
企業情報
銘柄コード | 3002 |
企業名 | グンゼ |
URL | http://www.gunze.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 素材・化学 – 繊維製品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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