十六フィナンシャルグループ(7380)企業分析レポート

最終更新日: 2025-10-17
株価: 5,390円(時価総額 2,044億円)

1. 企業情報

  • 中核は岐阜県最大の地銀「十六銀行」。岐阜で預金・貸出ともに県内トップ(貸出シェア約3割)、愛知へ地理的拡大。
  • セグメントは「銀行」「リース」「その他(金融商品取引、カード等)」の総合金融グループ。
  • 銀行は預金・貸出・有価証券運用・為替・信託受託・デリバティブ等。リースは設備・車両等のリース。その他は投信・保険販売、カード、金融商品取引など。
  • バランスシートの構成(連結、2025.3期注記)
    • 資産サイド:現預け金14%、有価証券18%、貸出金67%
    • 融資内訳:中小企業向け比率が高く(76%)、住宅・個人向けも厚み(43%)注
  • 1877年創業、2021年10月に持株会社化。

注)融資内訳は複数分類のカバレッジにより合計が100%を超える場合あり。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 地域密着のリテール・中小企業(SME)金融が主軸。岐阜で強固な顧客基盤。愛知(名古屋圏)へ営業基盤を拡大し、成長余地を探索。
  • 競合:岐阜・愛知の地銀(大垣共立、名古屋銀行、愛知銀行等)、信用金庫・メガバンクの地場展開。法人向けソリューションとスピード対応、グループ横断の総合提案が差別化要素。
  • 課題:人口減・中小企業の後継者問題による地域需要の伸び悩み、金利・有価証券の評価変動、預金競争による調達コスト上昇。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・方向性(短信・開示の示唆)
    • コア業務粗利の改善(資金利益=貸出金利息の積み上げ、役務利益の拡大)
    • ALM管理の徹底(国債等の時価変動リスク抑制)、与信費用のコントロール
    • グループ総合力の活用(銀行×リース×カード×投信・保険のクロスセル)
    • デジタル活用と業務効率化(OHRの安定化)
  • 2026年3月期の通期見通し(連結)
    • 経常利益 315億円(前期比+0.8%)
    • 親会社株主に帰属する当期純利益 215億円(同+3.1%)、EPS予想 599.09円
  • 第1四半期の示唆:資金利益・役務収益は増、国債評価損の影響もあり。OHRはほぼ横ばい(58%台)。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益の柱は利鞘(資金利益)+手数料(役務収益)。金利上昇局面では貸出リプライシングによる追い風も、調達金利上昇でネット利鞘が圧迫される可能性。ALM・デュレーション管理が重要。
  • 多角化(リース・カード・投信/保険販売)は非金利収益の安定化に寄与。地域SMEの設備投資・脱炭素対応支援、事業承継・M&A仲介等のコンサル機能強化が持続性の鍵。
  • リスク許容度の範囲での有価証券運用が収益補完。評価変動への耐性(ヘッジ・構成見直し)が必要。

5. 技術革新と主力製品

  • 主力は銀行の預貸・決済に加え、リース、カード、投信・保険販売。法人向けでは資金調達、設備リース、為替・デリバティブ、事業承継・M&A支援。
  • デジタル:口座・アプリ、キャッシュレス、データ活用による審査・マーケティング効率化等(一般論)。固有の独自技術の詳細開示は限定的だが、業務効率化と顧客接点のDXは継続テーマ。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 現在株価: 5,390円
  • 予想EPS: 599.1円 → 予想PER: 9.0倍(業界平均 10.7倍)
  • 実績BPS: 12,004.07円 → 実績PBR: 0.45倍(業界平均 0.40倍)
  • 参考比較(単純比較)
    • 業界平均PER適用の参考株価: 599.1×10.7 ≈ 6,410円
    • 業界平均PBR適用の参考株価: 12,004×0.40 ≈ 4,801円
  • コメント:PERは業界平均比で低め、PBRはやや高めの水準。銀行セクターではPBR志向の評価も多く、両指標の差はROE見通しや資本政策の評価で収れんしやすい傾向。

7. テクニカル分析

  • 52週レンジ: 3,560円 – 5,700円(現値はレンジ上側に位置)
  • 移動平均: 50日線 5,459円(現値やや下)、200日線 4,880円(現値上)
    • 中期は上昇トレンド維持、短期はもみ合い~やや弱含み。
  • 直近10日値動き: 5,550→5,240→5,390と上下。5,300円台前半に短期サポート、5,500~5,700円にレジスタンス帯。
  • 信用動向: 信用買残 16.7万株、信用倍率 92.6倍と買い残偏重。需給が値動きを増幅する可能性。

8. 財務諸表分析

  • 売上(経常収益相当)
    • 2022/3: 1,112億円
    • 2023/3: 1,043億円
    • 2024/3: 1,161億円
    • 2025/3: 1,202億円
    • LTM成長率(YoY): 約+3.6%、3年CAGR: 約+2.6%
  • 利益
    • 税引前 2025/3: 306億円(2024/3: 278億円 → 増加)
    • 当期純利益 2025/3: 208億円(2024/3: 193億円 → 増加)
    • LTM利益率(Profit Margin): 16.1%
  • 効率・収益性
    • ROE(実績、連結): 約4.8%
    • ROA(LTM): 約0.27%
    • 連結修正OHR(第1四半期): 58.1%(前年同期横ばい)
  • バランスシート・資本
    • 自己資本比率(短信表示): 5.5%(注:銀行は総資産に対し自己資本が小さく見える会計表示)
    • 国内基準自己資本比率(BIS相当、2025/6末): 連結FG 11.42%、十六銀行連結 10.47%、同単体 10.21%
  • キャッシュフロー
    • 四半期CFの詳細開示は短信に非掲載。銀行業特性上、CF分析は預貸・有価証券の増減・調達の構造を見るのが適切。
  • 第1四半期のポイント(2025/4–6)
    • 経常収益 +17.0%、経常利益 +0.2%、純利益 △3.5%
    • 国債等評価損(△28.6億円)が実質業務純益に逆風、株式関係損益は増加
    • 預金増(+793億円)、貸出は微減、有価証券残は減

9. 株主還元と配当方針

  • 配当予想(2026/3期): 年間180円(中間90・期末90)
  • 予想配当利回り: 約3.34%(現株価ベース)
  • 予想配当性向: 約31%(会社データ)
  • 自己株式比率: 5.37%(過去の自己株取得実績の示唆)。新規の自己株買い計画は本資料では未確認。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 52週で+29.8%と堅調。ベータ0.09と市場連動性は低め。
  • 直近は高値圏での持ち合い。出来高は3カ月平均約8.5万株、流動性は地銀として標準的。
  • 業績ドライバー:金利動向(貸出金利上昇と預金コストのバランス)、証券運用の評価損益、与信費用、非金利収益の拡大(投信・保険・法人ソリューション)。

11. 総評

  • 地域密着の強固な基盤(岐阜トップ)に、愛知展開と非金利収益の拡大で漸進的な成長を志向。LTM売上は緩やかに増加、利益も増益基調。
  • 収益性はROE約4.8%、OHR約58%と、地銀平均レンジ内の印象。金利・有価証券の評価変動と与信費用が短期的な変動要因。
  • 資本は国内基準自己資本比率で10%台と規制水準に対して適度なバッファ。配当は利回り約3.3%、配当性向31%で持続性に配慮した水準。
  • バリュエーションはPERで業界平均比低め、PBRは平均比やや上。業績進捗(通期計画進捗率約28%、第1四半期時点)や市場金利・証券評価の動向が評価のカタリスト。

(本資料は公開データに基づく客観的整理であり、投資助言を目的とするものではありません。)

12. 企業スコア

  • 成長性: B
    • 根拠:LTM売上+3.6%、3年CAGR約+2.6%。緩やかな増加。
  • 収益性: B
    • 根拠:ROE約4.8%、OHR約58%。地銀の一般的レンジ内。
  • 財務健全性: A
    • 根拠:国内基準自己資本比率 連結11.42%(銀行規制ベースで適正水準)。短信表示の自己資本比率5.5%は業態特性による表現差に留意。
  • 株価バリュエーション: B
    • 根拠:PERは業界平均比で低め、PBRは平均比やや上。総合すると中立的評価。

参考データ
– 年初来高値/安値: 5,700円 / 3,560円
– 移動平均: 50日 5,459円、200日 4,880円
– 配当(予想): 年間180円、利回り約3.34%
– 業績(2026/3期通期予想): 経常利益315億円、純利益215億円、EPS 599.09円
– 今後の主な日程: 2026-03-30 権利落ち日(予定)


企業情報

銘柄コード 7380
企業名 十六フィナンシャルグループ
URL https://www.16fg.co.jp
市場区分 プライム市場
業種 銀行 – 銀行業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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