東邦銀行(8346)企業分析レポート
株価:447円(本日終値)/市場区分:プライム(銀行業)/時価総額:約1,128億円
注意:本レポートは公開情報を整理したもので、投資助言を目的としません。数値は連結ベース(特記なき限り)。銀行業の特性上、一般事業会社の指標とは解釈が異なる点があります。
1. 企業情報
- 概要:福島県を地盤とする地方銀行大手。県内では預金・貸出ともに圧倒的シェア(預金4割半ば、貸出約4割)。県外は茨城・東京などへ展開。
- 主要業務:預金・貸出、資金運用(有価証券)、為替・振込、インターネット・モバイルバンキング、投信・保険・国債等の仲介、リース・信用保証、クレジットカード等。
- バランスシート構成(2025/3期・連結、概略)
- 資金調達:普通預金70%、定期17%、当座5%、他8%
- 資産運用:貸出金61%、現預け金19%、有価証券18%、他2%
- 融資内訳:中小企業等向け50%、住宅・消費者向け21%
- グループ再編:
- 東邦カードが東邦クレジットサービスを吸収合併(キャッシュレス強化)
- とうほう証券は解散・清算方針(顧客口座は野村證券へ移管)
- 新会社「東邦ITヒューマンソリューションズ」設立(IT・人材ソリューション)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:福島県内で圧倒的トップシェア。地域密着の顧客基盤と行政・地元企業との関係性が強み。
- 競争優位性:
- 地域内ネットワークと与信ノウハウ
- 県外チャネル(東京・茨城)拡大で成長余地
- キャッシュレス・IT支援など非金利ビジネス強化
- 課題:
- 地域の人口減少・事業承継課題による貸出需要・与信の構造的圧力
- 金利上昇局面での有価証券評価差額の変動(含み損益の振れ)
- メガバンク・ネット専業・フィンテックとの競争
3. 経営戦略と重点分野
- 長期計画「TX PLAN 2030」:地域の生産性向上、人口・人材不足への対応、非金利収益拡大を推進。
- 重点施策
- キャッシュレス強化:カード・クレジットの統合でスケールメリット追求
- IT・人材ソリューション:新会社設立で企業のDX・人材支援を横断推進
- 証券業務の再編:野村證券との提携活用、グループ最適化
- コア業務純益の拡大:貸出利回り改善、有価証券利息・配当の積み上げ、役務収益増
- 2026年3月期は通期予想を据え置き(Q1進捗は良好)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:預貸金利ザヤ+有価証券利息を基礎に、リース・保証・カード等の手数料で補完。
- 環境適応力:
- 金利上昇局面で利息収入増加の一方、有価証券評価は逆風となり得るためALM運営が鍵。
- 地域課題解決(IT・人材・キャッシュレス支援)が顧客接点と手数料収益に寄与。
- リスク管理:金融再生法開示債権は総与信比1.33%と低位(Q1時点)。信用コストは抑制的。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:インターネット・モバイルバンキング、電子記録債権(でんさい)、キャッシュレス連携など地域での実装力。
- 収益牽引:
- 貸出金利息・有価証券利息配当の増加が業績押し上げ
- 役務収益(カード、保証、リース等)の底上げ
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:447円
- 会社予想EPS:32.04円 → 予想PER:約13.95倍
- BPS(実績):819.71円 → PBR:約0.55倍
- 配当:年間予想10円(利回り約2.24%、想定配当性向約30%)
- 業界平均との比較(参考)
- PER:業界平均10.7倍に対し同社約13.95倍(やや割高水準)
- PBR:業界平均0.4倍に対し同社約0.55倍(プレミアム付与)
- コメント:県内シェアの高さや収益改善期待を織り込む一方、PBRは依然0.5倍台でブックにディスカウント。
7. テクニカル分析
- トレンド:50日線414円、200日線349円の上方で推移。中長期とも上昇トレンド維持。
- 位置:年初来高値470円に接近(現447円)。高値圏に近いレンジ。
- 需給:信用倍率1.42倍(やや買い超)。出来高は3カ月平均約80万株で流動性は安定。
8. 財務諸表分析(傾向)
- 売上(経常収益相当)
- 2022/3:54,779百万円
- 2023/3:52,908百万円
- 2024/3:53,462百万円
- 過去12か月:59,629百万円(前年同期比+約11%)
- 利益
- 税引前利益:9,722 → 7,063 → 7,995 → 10,704百万円(改善傾向)
- 親会社株主に帰属する純利益:6,753 → 4,493 → 5,252 → 7,445百万円
- Q1(2026/3期):経常利益4,865百万円、純利益3,403百万円(前年同期比+約44%)
- 収益性指標
- ROE(実績):3.69%(LTMデータでは4%台の改善示唆)
- ROA(LTM):0.12%、純利益率(LTM):約12.7%
- コア業務純益:前年同期比で増加
- 財政状態(Q1末)
- 総資産:約6.76兆円、純資産:約2,047億円
- 自己資本比率(純資産/資産):約3.0%(規制上の自己資本比率とは算式が異なるため単純比較は不可)
- 貸出金:4.08兆円(前期末比増加)、預金:5.74兆円、有価証券:1.30兆円
- 与信:金融再生法開示債権555億円、総与信比1.33%
- キャッシュフロー:詳細非開示(銀行特性上、伝統的CF計算の解釈は限定的)
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績:2025/3期 年間9円 → 2026/3期 予想10円(増配)
- 配当性向:目安30%前後(予想ベース)
- 自社株買い:足元の新規公表は確認できず(自己株比率約1.1%)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落:+約60%(ベータ0.02と低く、市場連動性は低め)
- 直近の値動き:年初来高値(470円)に近づく展開。Q1好決算や金利動向がポジティブ要因。金利上昇に伴う有価証券評価差額のマイナス化はボラティリティ要因。
- 取引動向:出来高は堅調。信用買い超は過度でなく、需給は中立〜やや買い寄り。
11. 総評
- 地域トップシェアと県外展開、金利上昇下での利息収入増、非金利ビジネス強化(カード統合・IT人材支援)などにより、収益面は改善基調。
- 一方、有価証券評価の振れや地域人口減少といった構造課題は引き続きの注目点。与信は健全だが、金利・市場環境次第で業績・評価は変動し得る。
- バリュエーションはPER/PBRともに業界平均比でプレミアム。年初来高値圏での推移もあり、今後は業績の上振れ継続と金利・市場要因の見極めが焦点。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:過去12か月売上が前年から2桁増、Q1も増収増益。3年トレンドも改善。
- 収益性:B
- 根拠:純利益率・コア業務純益は改善。ROEは3〜4%台と国内地銀平均並〜やや抑制的。
- 財務健全性:B
- 根拠:与信比率は低位。自己資本(会計基準ベース)は3%程度で銀行特性上の数値。規制上の自己資本比率未開示のため中立評価。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PER・PBRともに業界平均より高め(割安度は相対的に低い)。
参考データ
– 予想PER:約13.95倍、PBR:約0.55倍、配当利回り:約2.24%
– 50日移動平均:414円、200日移動平均:349円
– 年初来レンジ:286円〜470円(現447円)
– 最低購入代金:44,700円
– 次回イベント:配当権利落ち予定日 2026/3/30(予定)/決算発表スケジュールは会社開示参照
注記
– 自己資本比率は短信記載の「純資産/資産」の単純比率であり、規制上の自己資本比率(BIS規制)とは異なります。
– 一過性要因は可能な範囲で除外し、欠損データは中立(B)評価としています。
企業情報
銘柄コード | 8346 |
企業名 | 東邦銀行 |
URL | http://www.tohobank.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 銀行 – 銀行業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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