モリト(9837)企業分析レポート
注記:本資料は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘や個別の投資助言を行いません。数値は開示資料・提供データに基づき、一過性損益は評価から可能な範囲で除外しています。
1. 企業情報
- 概要:1908年創業の服飾付属品・生活関連資材の商社・メーカー機能併営。金属ホックで世界首位級。アパレル(カジュアル/スポーツ/フォーマル/制服)向けを中心に、樹脂ホック、コードストッパー、テープ類、アイレットなどの小物資材を展開。自動車内装向けのエンブレム、ファスニング部材、ストラップ、ネット等も手掛ける。フットウェア向けのアウトソールや機能裏材、フットケア製品も展開。
- 事業構成(連結):アパレル関連 約50%、プロダクト関連 約36%、輸送関連 約14%。海外売上比率 約33%(2024.11)。
- 上場:東証プライム(卸売業)
- 本社:大阪市中央区南本町4-2-4
- 従業員:1,583人、平均年齢42.6歳、平均年収736万円
- 最近のM&A:Ms.ID、ミツボシコーポレーション等を新規連結(2025年11月期)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:金属ホックで世界首位級。長年の品質保証体制・調達/生産/検品ネットワークと、グローバルな顧客基盤(国内外アパレル・自動車内装)に強み。
- 競争優位性
- 小物資材は不良許容度が低く、品質安定や規格対応、迅速供給にノウハウが必要。
- 長期取引・標準化によるスイッチングコストが一定程度存在。
- 製販一体(商社+製造)での提案力と在庫/物流機能。
- 課題
- アパレル市況・OEM生産動向に連動。為替、原材料価格、地政学リスクの影響を受けやすい。
- 自動車分野はモデルサイクルや生産計画の変動影響。
- 明確な市場シェア数値は非開示。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性
- 既存の強み(ホック等の服飾付属、検品・品質保証)を基盤に、サステナブル素材・機能性資材・フットケアなど付加価値領域を拡大。
- M&Aによる製品/顧客ポートフォリオ拡充と、収益性・資本効率の改善。
- 中期的な重点施策(短信・IR要旨)
- サステナブル商材(Rideeco、MURON、ASUKAMIなど)の拡販。
- 国内アパレル在庫調整の反動需要やアウトドア/スポーツ・文具等の伸長取り込み。
- 欧州での事業ポートフォリオ見直し(撤退・効率化)と利益確保。
- 連結子会社の早期PMI、のれん・負ののれんの適切な会計処理とガバナンス強化。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:小物資材の継続的補充需要、型番継続・長期取引が多く安定性は比較的高い。品番数・SKUの多さに対する在庫・品質管理が重要。
- 需要変化への適応力:素材・機能アップデートやサステナブル対応、OEM/ODM提案力でトレンド変化に追随。M&Aで空白領域を補完。
- リスク:為替、原材料高、地政学リスク、主要顧客の生産/在庫調整、自動車モデルサイクル。これらは分散ポートフォリオで一部緩和。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:ホック等の金属加工/表面処理、耐久・安全基準対応、検針/検品を含む品質保証。機能素材やサステナブル素材(Rideeco、MURON、ASUKAMI)をラインアップ。
- 主力領域:金属ホック・スナップ、アパレル副資材全般、フットウェア機能材・フットケア、輸送用(自動車内装)部材。直近期ではアウトドア/スポーツ、文具関連が伸長。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価 1,594円、時価総額 478億円、BPS 1,551.62円、予想EPS 106.96円
- 指標比較
- PER(会社予想):約14.9倍(業界平均 12.1倍比でややプレミアム)
- PBR(実績):約1.03倍(業界平均 1.0倍と同程度)
- EV/S:概算0.76倍(EV ≒ 478 + 30 – 101 ≒ 407億円、売上LTM 535億円)
- EV/EBITDA:概算約9.0倍(EBITDA LTM 45.5億円)
- 参考値:業界平均PERを適用した理論株価目安(106.96円×12.1)≒ 1,294円。現株価はこれに対しプレミアム水準。一方、PBRは中立圏。
7. テクニカル分析
- 位置づけ:株価1,594円は
- 50日移動平均線 1,561円、200日 1,487円を上回る(上昇トレンド持続)。
- 52週高値 1,663円まで約-4.1%、安値 1,230円からは約+29.6%。
- 直近推移:10/3以降じり高基調で年初来高値圏に接近。出来高は3カ月平均(約7.9万株)並み〜やや下。
- 信用動向:信用買残 11.5万株(倍率9.76倍)と買い長。需給はやや過熱感があり、地合い次第で振れやすい局面。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高:LTM 535億円(提供データ、前年比+約10%)。通期予想 560億円(前期比+15.4%)。
- 収益性
- 粗利率:第3四半期累計 約30.7%(1,245/4,060)。
- 営業利益率:LTM 約5.5%、第3四半期累計 約5.9%。
- 当期純利益率:LTM 約6.9%(注:負ののれん計上で一時的に押し上げ)。
- 正常化利益:LTM 正常化利益 約23.1億円(提供表のNormalized Income)。一過性益(負ののれん約11.1億円)除外で基礎収益はやや低下。
- 効率性/資本性
- ROE:実績 6.62%、LTM 9.10%(一過性益反映の可能性)。
- ROA:LTM 3.55%。
- 安全性/CF
- 自己資本比率 74.8%、流動比率 3.12倍、D/E 約7.5%(有利子負債30億円、現金101億円でネットキャッシュ体質)。
- 現金及び預金はM&A等により減少(前期末比▲約53億円)。
- 過去推移(年次)
- 売上:436億円(2021)→ 485億円(2024)→ LTM 535億円へ伸長。
- 営業利益:16.2億円(2021)→ 28.7億円(2024)→ LTM 29.6億円程度と増加基調。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:会社予想 年間69円(中間33円・期末36円)=利回り約4.33%。
- 配当性向
- 直近LTM実績ベース:約50%(67円/一株当たりLTM利益134.75円)。
- 今期予想ベース:約65%(69円/予想EPS 106.96円)。
- 自己株式:保有比率 約11%(資料時点)。資本政策の柔軟性あり。自社株買いの新規発表はデータ上言及なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:50日・200日線とも上回り、年初来高値圏で推移。52週騰落は+12%程度。
- 投資家関心:信用買い超過(倍率9.76倍)で個人投資家の関心が高い局面。出来高は平常域。
- 価格ドライバー
- 通期見通し(売上・利益の上振れ/下振れ)
- M&A後のPMI進捗、負ののれん後の平常利益水準
- アパレル/自動車サイクル、為替、原材料価格動向
- サステナブル商材の採用拡大
11. 総評
- 収益基盤:ホック等の服飾付属品で高い地位と品質保証力を持ち、国内外の安定顧客を有する。小物資材特性から継続需要が見込める。
- 成長接点:国内アパレル回復、スポーツ/アウトドア・文具の伸長に加え、サステナブル素材やM&A効果で売上は拡大基調。
- 留意点:2025年11月期は負ののれん計上で純利益・ROEが一時的に押し上げられており、来期以降は平常利益水準の見極めが必要。為替・原材料・自動車モデルサイクルの外部要因にも感応。
- 財務:自己資本比率が高くネットキャッシュで安全性は良好。還元は利回り4%台、実績配当性向は約50%。
- バリュエーション:PERは業界平均比でプレミアム、PBRは概ね中立。基礎収益(正常化利益)に基づく評価とのギャップに注意。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- LTM売上+約10%、通期予想+15%と拡大基調。M&A寄与と新領域の伸長。
- 収益性:B
- 粗利約30%、営業利益率5〜6%台。卸売業としては妥当水準。正常化ベースでの純益率は一時的要因を除くと中位。
- 財務健全性:A
- 自己資本比率74.8%、流動比率3.1倍、ネットキャッシュ。負債圧力は低い。
- 株価バリュエーション:B
- PERは業界平均比でやや割高、PBRは中立域。EV/EBITDA約9倍、EV/S約0.76倍は妥当圏との認識。
補足情報
– 直近イベント:権利落ち日 2025/11/27(予定)
– 参考データ
– Beta(5年):0.16(ディフェンシブ性)
– 平均出来高(3カ月):約7.9万株
不明点や追加で確認したい項目(セグメント別詳細、指標推移、M&Aの会計影響整理など)があればご指定ください。
企業情報
銘柄コード | 9837 |
企業名 | モリト |
URL | http://www.morito.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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