パイオラックス(5988)企業分析レポート
株価: 1,772円(2025-10-17終値)/市場: 東証プライム/時価総額: 約656億円
以下は提供データに基づく客観的な整理・分析であり、投資助言ではありません。
1. 企業情報
- 概要
- 自動車向けの精密ばね(パワートレイン向け等)と樹脂・金属ファスナー(内外装固定、配管接続など)が中核。グローブボックス用ダンパー・ラッチ、スナップリング、ハーネス結束など機能部品も展開。
- 燃料系では充填・貯蔵・供給用バルブ、ラジエター周り配管コネクタ、燃料/オイル系フィルター、樹脂チューブ一体型コネクタ等を提供。
- 医療機器ではスパイラルカテーテル、ステント等を扱うほか、消費・セキュリティ分野向けのばね/封印部材等も取り扱い。
- 事業構成(連結)
- 自動車関連 92%(営業利益率の記載は(5)とあり、括弧内はおおむね利益率の目安)
- 医療機器 8%((6))
- 海外売上比率 58%(2025年3月期)
- 顧客・特性
- 日産グループ向けが4割弱。小型・多数点数・承認取得により切替コストが一定ある一方、自動車生産動向に業績が連動しやすい。
- 会社情報
- 設立: 1939年、横浜市に本社。従業員数 2,895人、平均年齢 41.7歳。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 自動車向けの精密ばね・ファスナー領域で歴史と製品群を有する中堅サプライヤー。日系OEM向けの比率が高く、アジア・北米・欧州に拠点を持つグローバル供給体制。
- 競争優位性
- 小型機能部品での設計・量産ノウハウ、樹脂/金属・ばね/機構部品の幅広いポートフォリオ、グローバルな立上げ対応力。
- 部品承認・型治具・既存採用実績に伴うスイッチングコスト。
- 課題
- 顧客集中(特に日産向け)と完成車減産の影響を受けやすい収益構造。
- EV化の進展で燃料系部品の構造的需要縮小リスク。一方で熱マネジメント、内外装固定、ハーネス結束等は影響が限定的。
- 中国市場での日系販売低迷など地域需給の不確実性。
- 市場シェア
- 公開データから定量的シェアは不明。ばね・ファスナーでは多くの競合が存在する分散市場。
3. 経営戦略と重点分野
- 会社方針(開示要旨)
- 自動車関連:グローバル拡販継続。収益改善活動を実施(コスト最適化、価格是正等)。
- 医療機器:拡販を継続し収益性向上を図る。
- 資本政策
- 2025年に自己株式を大規模取得(公開買付け等)。結果として自己資本が減少、短期借入金を活用。資本効率向上の意図がうかがえる。
- 通期見通し(2026年3月期・会社予想)
- 売上高 6,200億円→誤り防止のため単位確認:62,000百万円(前年比-2.1%)
- 営業利益 2,100百万円(-11.9%)、純利益 1,200百万円(-33.1%)、EPS 45.79円
- 外部環境次第で不確実性あり、と会社コメント。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 完成車生産台数に連動するボリュームビジネス。多数点数・長期採用の一方、単価交渉と原材料・為替の影響を受けやすい。
- 持続可能性の観点
- EV化で燃料系は逆風だが、固定・機構・ハーネス関連は需要継続。医療機器は景気連動性が低く分散効果。
- 顧客分散・地域分散が鍵。足元は顧客依存と外部環境の影響が収益を圧迫。
5. 技術革新と主力製品
- 主力
- 精密ばね、スナップリング、ダンパー・ラッチ等の開閉機構、樹脂・金属ファスナー、配管コネクタ、燃料・オイル用フィルター、樹脂チューブ一体コネクタ。
- 医療機器:スパイラルカテーテル、ステント等。
- 技術的特徴
- 小型機能部品の設計・量産技術、樹脂と金属の複合・加工。車種別採用に合わせたカスタム対応力。
- 収益牽引
- 自動車関連が売上・利益の大半を占める。医療機器は売上構成比8%とまだ小さいが、利益率改善余地。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 直近株価指標
- 予想PER: 40.73倍(業界平均 17.5倍比で高位)
- 実績PBR: 0.69倍(業界平均 0.7倍並み)
- 予想EPS: 43.51円、実績BPS: 2,555.61円
- 配当利回り(会社予想): 5.19%(1株配当 92円)
- 配当性向(参考): 実績ベース約175%(92円/実績EPS約52.6円)、会社予想EPS対比では約211%相当
- EV指標(概算)
- EV ≒ 時価総額656.6億円 − 正味現金72.2億円(現金252億−有利子負債180億)= 約584億円
- EV/売上高 ≒ 0.92倍(売上633億円ベース)
- EV/EBITDA ≒ 7.5倍(EBITDA約77.7億円)
- 所見
- PERは利益減少の影響で高く見える一方、PBR・EV/Sはおおむね市場平均〜やや低位の水準。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 200日線 2,045.8円 > 50日線 1,818.6円 > 株価 1,772円。長短期とも下方トレンド。
- 年初来高値 2,566円、安値 1,684円。現状は安値圏に近い。
- 需給
- 信用倍率 1.22倍(買い残・売り残とも増加)。直近10日出来高は3カ月平均を上回る日が多く、短期的な自律反発の範囲で推移。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高:2022/3 551億 → 2023/3 584億 → 2024/3 646億 → 過去12か月 633億(前年比-1.9%)。3年CAGR約+4.7%。
- 収益性(過去12か月)
- 売上総利益率 約22.5%(前年約25.2%から低下)
- 営業利益率 約3.8%(営業利益 23.8億円)
- EBITDA 77.7億円、EBITDAマージン 約12.3%
- 純利益 17.9億円、純利益率 約2.8%
- ROE 1.82%、ROA 約1.2%と低位
- 安全性・資本
- 期末(2025/3)自己資本比率 85.8%と極めて厚いが、2026/3期1Qは自己株取得・短期借入計上により67.9%へ低下。流動比率 約197%、D/E(総負債/資本)約44.5%(1Q時点)。
- 現金等 252億円、有利子負債 180億円で正味現金の状態(1Q時点)。
- 四半期動向(2026/3期1Q)
- 売上 -4.1%、営業利益 -40.9%、最終利益 -82.2%。特損(早期退職関連)計上あり。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 前期実績・今期予想とも年間92円(中間39円・期末53円)。利回りは約5.2%。
- 直近の利益水準に対し配当性向は高く、今後の持続性は利益回復と手元資金・キャッシュ創出力に依存。
- 自社株買い
- 2025年に公開買付け等で自己株式を大幅取得(1Q末で自己株式が大きく増加)。1株価値向上・資本効率改善を意識した施策。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落率 -27.9%と弱含み。β 0.06で相対的に低ボラ。
- 直近は1,700円台での下げ止まりから小反発局面。出来高は10日平均が3カ月平均を上回り、関心は一時的に上向き。
- 影響要因
- 完成車の生産計画、中国市場の需給、EVシフト、原材料・エネルギー価格、為替、買戻し・自己株需給、決算進捗等。
11. 総評
- 需要面では自動車生産動向の影響を強く受け、EV化で燃料系は逆風。一方、固定・機構系部品は継続需要があり、医療機器が補完的役割。
- 収益面では総利益率・営業利益率が低下し、ROEも低位。コスト対策・製品ミックス改善・顧客分散が課題。
- 財務は自己株買い実施後もなお健全域(流動比率・自己資本比率は十分)。正味現金で耐久力はある。
- バリュエーションはPERが高位(利益低迷の反映)、PBR・EV/Sは平均〜やや低位。配当は高利回りだが性向が高く、継続性は利益回復に依存。
- テクニカルは安値圏で下方トレンド継続。決算進捗と自動車生産の回復度合いが短中期のカタリスト。
12. 企業スコア
- 成長性:B
- 理由:LTM売上は前年比小幅減(-1.9%)だが、3年CAGRは約+4.7%で中立評価。
- 収益性:C
- 理由:総利益率低下、営業利益率約3〜4%、ROE約1.8%と業界平均比で見劣り。
- 財務健全性:A
- 理由:自己資本比率(1Q時点でも約68%)、流動比率約197%、正味現金と健全。
- 株価バリュエーション:C
- 理由:PERは業界平均を大きく上回る一方、PBR・EV/Sは平均〜やや低位。総合して割安とは言い難い。
参考データ出所と前提
– 2026年3月期1Q決算短信(2025/8/7公表)の要約値、提供された財務・株価・指標データを使用。
– 売上・利益は百万円表記の前提で整合を確認。自己株取得に伴う指標変動に留意。
– 一部指標間で定義差・集計期間差により乖離が見られる場合は、開示テーブルからの算定値を優先しつつレンジ感で記載。
企業情報
銘柄コード | 5988 |
企業名 | パイオラックス |
URL | http://www.piolax.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 建設・資材 – 金属製品 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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