日本コンクリート工業(5269)企業分析レポート

本資料は公開情報に基づく客観的な企業分析であり、投資勧誘や助言を目的としたものではありません。数値は連結ベース中心、単位は特記ない限り円です。

1. 企業情報

  • 概要: 配電用コンクリートポール(電柱)の国内最大手。基礎用コンクリートパイルは大手3社の一角。プレキャスト(PC/RC)土木製品や遮音材、マンホール等も展開。海外はミャンマー・ベトナム・タイ・インドネシアに拠点。1948年設立、本社は東京都港区。
  • 主な顧客・用途:
    • ポール(柱): 電力・通信(NTT 等)、鉄道、インフラ・防災、照明・景観
    • 基礎(パイル): 建築・土木の杭基礎
    • 土木製品: トンネルセグメント、ボックスカルバート、PC壁体、床版など
  • 事業構成(2025.3期実績の目安):
    • 基礎:約46%
    • コンクリート二次製品:約53%
    • 不動産・太陽光発電:約1%

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション: 配電用ポールは国内最大手。パイルは大手3社の一角。全国供給体制と長年の顧客基盤が強み。
  • 競争優位性:
    • 長期の取引関係(電力・通信向け)、全国生産・施工ネットワーク
    • 高支持力杭工法、UFC(超高強度繊維補強コンクリート)等の技術蓄積
    • プレキャスト化による工期短縮・省力化ニーズへの適合
  • 課題:
    • 建設投資・公共投資の循環影響、原材料・エネルギーコスト、人手不足
    • 需要動向の変動(ポールの全国出荷は直近四半期で減少、パイルは全国需要持ち直しも自社受注は伸び悩み)
  • 市場シェアの定量値: —(公表なし)

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/方針(中期計画の要点)
    • 販路拡大(民需・土木大型案件の深耕)
    • 研究開発(高支持力杭、UFC 等の高度化)
    • 生産体制の再整備(省人化・自動化・供給能力最適化)
    • 政策保有株式の縮減、資本効率・資産効率の向上(有利子負債圧縮、運転資本の適正化)
  • 直近期の施策・進捗(2026年3月期1Q)
    • 二次製品:PC壁体等の大型案件進捗で利益改善
    • 基礎:需要回復局面でも自社受注が伸びず、生産量減で赤字転化
    • 営業外収益(受取配当・持分法益、投資有価証券売却益)計上により純利益は黒字

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 受注製造+施工(基礎・二次製品)、賃貸収入・売電(不動産・太陽光)
  • 需要ドライバー:
    • インフラ更新(電力・通信・鉄道)、防災・減災、労務制約下でのプレキャスト化ニーズ
  • 適応力:
    • 製品ポートフォリオの広がりと全国供給で需要変動に対応
    • 研究開発・工法開発により高付加価値化を志向
  • 留意点:
    • 原材料・エネルギー・物流コストの変動と価格転嫁のタイムラグ
    • 受注タイミング・大型案件進捗による業績の変動性

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発: 高支持力杭工法、UFC等。プレキャスト化で品質安定・工期短縮を実現。
  • 主力/けん引製品:
    • ポール(電力・通信向け)、PC・RC土木製品(PC壁体、ボックスカルバート等)
    • 直近は土木製品の大型案件が利益寄与。不動産・太陽光は安定収益源。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提: 株価329円、予想EPS 18.42円、実績BPS 696.92円、時価総額約190億円
  • 指標
    • PER(会社予想):約17.9倍(業界平均18.3倍と同程度)
    • PBR(実績):約0.47倍(業界平均1.4倍を下回る水準)
    • PSR(時価総額/売上高):約0.36倍(時価総額190億円/売上約526億円)
    • EV/EBITDA:約7.5〜9.3倍(EV約244億円、EBITDA 26〜33億円の範囲)
  • 補足:
    • ROE実績はマイナス(-0.56%)。資産重い事業構造でPBRが低位化しやすい点に留意。

7. テクニカル分析

  • 位置づけ: 52週高値430円・安値284円の中では中位〜やや安値圏(現在329円)
  • 移動平均: 50日線329.7円、200日線331.6円近辺でのもみ合い
  • 直近10日: 326〜336円レンジの保ち合い。出来高は3カ月平均(約47万株)に比べ低下気味(直近10日平均約24万株)
  • 信用動向: 信用倍率2.38倍。信用買い残増、売り残減で、需給は買い方優位方向の変化が直近では観測

8. 財務諸表分析(連結)

  • 売上高(億円換算)
    • 2022/3: 約474
    • 2023/3: 約530
    • 2024/3: 約536
    • 過去12か月: 約527(YoY -1.9%)
  • 収益性(過去12か月)
    • 粗利率:約16.4%(粗利約86.6億円/売上約526.5億円)
    • 営業利益:約9.9億円(営業利益率約1.9%)
    • EBITDA:約26.2億円(EBITDAマージン約5.0%)
    • 親会社株主に帰属する当期純利益:▲約2.1億円(特別要因計上あり)
  • 効率・資本性
    • ROE:-0.56%(実績)
    • ROA:0.37%(データ提供値)
    • 自己資本比率:47.9%(2025/3末)、48.3%(2025/6末)
    • 流動比率:約1.42倍、有利子負債/自己資本(D/E):約0.35倍
  • トレンド評価
    • 売上は中期的には横ばい〜緩やか増、直近は減速。
    • 2023/3に営業赤字、2024/3は回復、直近12か月は再度縮小。純利益は一過性損益の影響で変動。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 実績(2025/3期):年間13円(期末6.5円)
    • 会社予想(2026/3期):年間8円(中間4円・期末4円)、予想利回り約2.4%
    • 予想配当性向(参考):約43%(8円/予想EPS18.41円)
    • 期末基準日(予定):2026/3/30(権利落ち)
  • 自社株等
    • 自己株式保有:約5.4%(株主管理口)。直近四半期末自己株式は約347.7万株(信託含む)
  • 自社株買い等の方針: —(公表情報に具体記載なし)

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 52週騰落率:-0.6%(ベンチマーク比で見劣り)
  • 出来高動向:直近は落ち着き、イベントドリブンの商いは限定的
  • 信用需給:買い残増・売り残減。短期的には需給が価格形成に影響しうる
  • イベント
    • 直近決算:2026年3月期1Q(8/8公表)
    • 次回配当権利落ち予定:2026/3/30

11. 総評

  • 事業: ポール最大手・パイル大手として国内インフラ更新とプレキャスト化の流れに合致。二次製品は大型案件で収益寄与が見られる一方、基礎事業の受注・稼働に課題。
  • 財務: 自己資本比率約48%と健全。有利子負債は一定水準。営業利益率は低位、純利益は一過性要因の影響を受けやすい。
  • バリュエーション: PERは業界平均並み、PBR・PSRは相対的に低水準。ROE改善が指標面の評価に影響。
  • 注視点: 基礎事業の受注回復と採算、原材料・エネルギーコストの動向、土木大型案件の継続性、生産体制の最適化進捗、政策保有株式の縮減による資本効率改善。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:C
    • 根拠:LTM売上YoY -1.9%、直近期(1Q)売上-15.8%。一方で3年CAGRは+約3〜4%と中期では緩やか。
  • 収益性:C
    • 根拠:粗利率約16%、営業利益率約1.9%、純利益はマイナス。業界水準を大きく上回るとは言い難い。
  • 財務健全性:A
    • 根拠:自己資本比率約48%、流動比率1.42倍、D/E約0.35倍と保守的。
  • 株価バリュエーション:A
    • 根拠:PERは業界平均並み、PBRは業界平均を相対的に下回る水準。PSR・EV/EBITDAも抑制的。

参考データ
– 株価関連: 株価329円、時価総額約190億円、発行済株式数57,777,432株、単元株数100株、年初来高安430/284円
– 指数比較: 業界平均 PER 18.3倍、PBR 1.4倍

(注)数値は提供データに基づく概算・簡易計算を含みます。一過性損益は評価から極力除外しています。最新の有価証券報告書・決算短信等でご確認ください。


企業情報

銘柄コード 5269
企業名 日本コンクリート工業
URL http://www.ncic.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – ガラス・土石製品

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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