日本軽金属ホールディングス(5703)企業分析レポート
株価: 2,080円(2025-10-17終値ベース)/市場: 東証プライム/業種: 非鉄金属(アルミ)
1. 企業情報
- 概要: アルミの川上(アルミナ・化成品・地金)から川中(板・押出)・川下(加工製品、箔・粉末)までを擁する総合アルミメーカー。2014年に国内精錬撤退済み。グローバル展開(海外売上比率22%)。
- セグメントと用途例
- アルミナ・化成品・地金(売上比率30%): 水酸化アルミニウム、アルミナ等(難燃材、セラミックス、紙パ向け)/地金・二次合金
- 板・押出製品(19%): 自動車・鉄道、半導体・液晶製造装置向け厚板、PC/タブレット筐体向け
- 加工製品・関連(31%): トラック架装・輸送機器、冷凍冷蔵パネル、景観材、クリーンルーム等
- 箔・粉末製品(20%): 電池用・医薬包材向け箔、アルミパウダー・ペースト(放熱用途等)
- 基本データ: 本社=東京都港区、従業員12,599人、平均年齢41.1歳、平均年収609万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 国内有数のアルミ総合メーカー。川上~川下の一気通貫体制と多用途ポートフォリオで需要変動の平準化を図る体制。
- 競争優位性
- バリューチェーンの広さ(化成品~箔・粉末まで)による顧客アクセスと提案力
- 電池・放熱・半導体装置向けなど成長分野の商材を保有
- 価格改定・コストパススルーの運用実績(地金市況変動への対応)
- 課題
- アルミ地金・エネルギー価格・為替の外部変動への感応度
- 自動車・半導体等の景気循環の影響
- 国内需要の成熟と海外比率の拡大に伴う地政学・通商リスク管理
- 市場シェア: 定量的シェアは公表情報ベースで不明。
3. 経営戦略と重点分野
- 会社方針(短信要旨)
- 価格改定とコスト上昇の吸収(地金市況・為替の影響に対処)
- 収益性改善:加工製品・関連や箔・粉末などで採算改善を継続
- 需要分野の深耕:放熱材料、電池ケース、トラック架装、エンジニアリング等
- 通期見通し(会社予想据え置き)
- 売上高 5,900億円(+7.2%)、営業利益 230億円(+5.8%)、純利益 150億円(+21.2%)、EPS 243.86円
- 中期計画の詳細施策は短信要約には未記載(原資料参照)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 地金連動型の価格設定・パススルーと、高付加価値品(箔・粉末、放熱材、半導体装置向け厚板、電池ケース等)のミックス改善で収益確保。
- 分散効果: 複数セグメント・用途(自動車、建築、食品、半導体、電池)によりサイクルの平準化が期待される一方、マクロ減速時には同時逆風もあり得る。
- リスク適応: 為替・地金・国際情勢(中東・ウクライナ、中国減速、米通商政策)等の外部要因を継続監視。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性: 化成品から箔・粉末までの材料知見と加工技術の組合せ。放熱用途パウダーや電池関連(箔・ケース)、半導体装置向け厚板など機能性・精度が要求される領域での展開。
- 収益牽引分野(1Q実績)
- 箔・粉末製品:利益が前年比+21.1%と改善(放熱用途・一部箔が好調)
- 加工製品・関連:赤字幅縮小(採算改善)
- 板・押出:電池ケース等は好調、地金上昇で採算は選別的
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提: 株価2,080円、時価総額約1,289億円、LTM EPS 200.10円、会社予想EPS 243.86円、BPS 3,760.87円、現金309億円、総有利子負債1,653億円
- 指標比較
- 予想PER: 8.53倍(= 2,080 / 243.86)/業界平均PER 80.4
- 実績PBR: 0.55倍(= 2,080 / 3,760.87)/業界平均PBR 0.8
- 予想配当利回り: 3.85%(= 80円 / 2,080円)、5年平均 3.96%
- 益回り: 約11.7%(= 1 / PER)
- EV/EBITDA: 約6.0倍(EV≒1,289+1,653-309=約2,633億円、EBITDA≒439.8億円)
- EV/売上: 約0.47倍(EV≒2,633億円、売上≒5,586億円)
- 所見(定量比較): PER・PBR・EV倍率はいずれも業界平均より低位水準。配当は利益連動型で利回りは中位。
7. テクニカル分析
- トレンド: 50日移動平均2,032円、200日1,683円の双方を上回り、中期的には上昇基調。
- 位置: 年初来高値2,220円に対し約-6%の位置、安値1,236円に対しては大幅上方。比較的高値圏でのもみ合い。
- 直近10日: 出来高は3カ月平均(約34.5万株)をやや下回る日が増加、2,100円近辺での持ち合い傾向。
- 信用動向: 信用買残36.6万株(前週比+5.9万)、倍率7.39倍。個人投資家の買い残積み上がりに伴う需給の振れに留意。
8. 財務諸表分析
- 売上高(百万円)
- 2022: 486,579 → 2023: 516,954 → 2024: 523,715 → 過去12か月: 550,180(3年CAGR約+4.2%、LTM YoY約+5.0%)
- 利益
- 営業利益: 22,198 → 7,539 → 18,189 → 21,744(2023年は市況逆風後に回復)
- 当期純利益: 16,759 → 7,203 → 9,939 → 12,375
- 営業利益率(LTM): 約3.95%、純利益率: 約2.2%、EBITDAマージン: 約7.8%
- 収益性・効率
- ROE: 実績約5.5%(LTM 5.6%)、ROA: 約2.6%
- 粗利率: 約17.3%(LTM)
- 安全性
- 自己資本比率: 42.8%(1Q末43.7%)
- 流動比率: 約167%
- D/E(総有利子負債/自己資本): 約66.5%
- キャッシュ
- 現金及び預金309億円、有利子負債1,653億円。ネットデットはプラスで、資本とキャッシュ創出力(EBITDA)で返済能力は定量的に把握可能な水準。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想
- 2025年3月期: 年間70円
- 2026年3月期(会社予想): 年間80円(中間25円・期末55円)
- 配当性向(予想): 約35%
- 自社株買い: 足元での公表情報は確認できず(自己株式は株式報酬信託分控除あり)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落率: +27.8%(S&P500 +13.0%)
- ベータ(5年月次): 0.46(市場連動性は相対的に低位)
- 機関投資家保有比率: 約42.7%(浮動株約5,935万株)
- 今後のイベント
- 2025-10-31: 決算発表予定
- 2026-03-30: 権利落ち(予定)
- 株価ドライバー
- アルミ地金・為替の変動
- 電池・放熱・半導体向けの需要動向
- 価格改定・コストパススルーの継続度合い
- 中国・米国・タイ等の自動車関連需給
11. 総評
- 成長面: 売上はLTMで+5%、3年CAGRもプラス。1Qも売上+6.6%と拡大。
- 収益面: 2023年の落ち込みから回復。箔・粉末や加工関連の採算改善が寄与する一方、地金コスト上昇や為替差損の影響は残存。
- 財務面: 自己資本比率約43%、流動比率約167%、D/E約66%と定量指標は安定域。
- 株価面: PER・PBR・EV倍率はいずれも業界平均比で低位。移動平均線上での推移かつ年初来高値圏でもみ合い。
- 重要論点: 地金・為替の外部環境、価格改定の浸透度、電池・放熱・半導体関連の需要回復のタイミングが短中期の焦点。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
- 根拠: LTM売上YoY約+5%、3年CAGR約+4%と拡大基調。
- 収益性: B
- 根拠: 営業利益率約4%、ROE約5~6%。非鉄として標準的なレンジ。
- 財務健全性: A
- 根拠: 自己資本比率約43%、流動比率約167%、D/E約66%。
- 株価バリュエーション: A
- 根拠: 予想PER8.5倍、PBR0.55倍、EV/EBITDA約6倍、EV/S約0.47倍(業界平均比較で低位)。
企業情報
銘柄コード | 5703 |
企業名 | 日本軽金属ホールディングス |
URL | http://www.nikkeikinholdings.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 鉄鋼・非鉄 – 非鉄金属 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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