ゆうちょ銀行(7182)企業分析レポート

注記:本資料は提供データに基づく企業分析であり、投資助言を行うものではありません。数値は特記なき限り連結、単位は概ね円または百万円です。

1. 企業情報

  • 概要:日本最大級の預金金融機関。全国の郵便局ネットワークを代理店として活用し、貯金・決済、投資信託等の販売、年金・振込、ATMサービスを提供。運用面は国債を中心に多様化を進め、貸出は小規模。
  • 事業内容(構成の目安、2025/3)
    • 資金(負債)構成:普通貯金59%、定期5%、当座6%、その他30%
    • 資産構成:現金・預け金28%、有価証券61%、貸出金1%、その他10%
    • 融資内訳:中小企業等向け2%、住宅・消費者向け2%(総資産に占める貸出比率は低位)
  • 基本情報:プライム市場、銀行業。所在地:東京都千代田区。従業員11,253人。親会社は日本郵政(持株比率50.0%)。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:国内最大級の預金残高(2025/6末:190.98兆円)。郵便局網・ATM網を背景に圧倒的な顧客接点を保有。
  • 競争優位性
    • 全国の郵便局を活用した低コストかつ広域なチャネル
    • 安定的な個人預金基盤
  • 課題
    • 貸出比率が低く、運用収益が有価証券(金利・価格)に相対的に依存
    • 金利上昇局面で貯金金利(調達コスト)が上がりやすい構造
    • 貯金の上限規制の存在
    • 親会社の持株比率が高く、ガバナンス・資本政策の影響を受けやすい

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/方向性(公開情報・短信要点の整理)
    • 資産運用の多様化・ALM高度化(国債中心からの分散、デュレーション管理強化)
    • 手数料ビジネス(投信等)の拡充とチャネル強化(郵便局・デジタル)
    • リスク管理(市場・流動性・信用・オペレーショナル・サステナビリティ関連リスク)を重視
    • 安定配当の継続
  • 2026年3月期の会社計画(通期)
    • 経常利益:6,800億円、純利益:4,700億円、EPS:131.44円(Q1進捗:経常22.6%、純利22.3%)
  • 重点テーマ(推測に依らない一般論)
    • 調達コスト上昇下での利鞘確保
    • 非金利収益(役務収益)比率の引上げ
    • デジタルチャネルの利便性向上と運用商品の提案力強化

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:安定的な個人預金を原資に有価証券運用・一部貸出・手数料収益を獲得。預金調達の安定性は高い一方、運用は市場金利や価格変動の影響を受けやすい。
  • 変化対応力:
    • 金利上昇局面では貯金利息(調達費用)が増加(Q1の貯金利息は前年同期比大幅増)。ALMと分散投資による吸収が鍵。
    • 販売チャネルの強みを活かした投信等の非金利収益拡大余地。
    • 規制・上限規制・グループ関係等の制約を踏まえた運営が前提。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・運用:運用多様化(国内外債券・株式・ファンド・オルタナ等)とリスク管理高度化が中心テーマ。
  • 主力サービス:貯金・決済・ATM、投資信託販売、国債等の資産運用。収益面では有価証券からの利息・配当が大きい。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 株価:1,661.5円
  • 予想EPS:131.32円 → 予想PER:約12.65倍(会社データと一致)
  • 実績BPS:2,514.86円 → PBR:約0.66倍
  • 予想配当:66円 → 予想配当利回り:約3.97%(5年平均4.41%をやや下回る)
  • 業界平均との比較(参考)
    • 業界平均PER:10.7倍 → 当社はやや高め
    • 業界平均PBR:0.4倍 → 当社は高め
  • 補足:銀行はPBRや配当利回り比較が重視されやすい。ROE(実績4.4~4.8%)とPBRの関係は同業大手と比べると中位~やや低位の収益力に対しPBRは高めのレンジ。

7. テクニカル分析

  • 位置づけ:52週高値1,932円・安値1,161円に対し、現在はレンジの約65%地点(上中位圏)。
  • トレンド:200日移動平均1,600円を上回り、中期は上向き。50日移動平均1,812円を下回り、足元は調整局面。
  • 直近モメンタム:10/3以降、戻り売り優位で陰線続き。出来高は3カ月平均(約787万株)並み。
  • 需給:信用倍率3.61倍、信用買残が増加・売残減少。短期は買い残の整理が株価の重しになる局面があり得る。
  • 近接ゾーン(参考):サポート1,650円前後、レジスタンス1,700~1,730円帯。

8. 財務諸表分析

  • 売上(経常収益等の総収益)
    • 2022:1.72兆円 → 2023:1.58兆円 → 2024:1.92兆円 → 過去12か月:1.68兆円
    • 短期(直近四半期):前年比+10.1%で増収
  • 利益
    • 税引前利益:2024:4,940億円 → 過去12か月:5,842億円
    • 当期純利益:2022:3,551億円 → 2023:3,251億円 → 2024:3,561億円 → 過去12か月:4,143億円
    • 直近期(Q1):経常利益1,538億円(+11.7%)、純利益1,049億円(+8.9%)
  • 収益性指標
    • 利益率(LTM):純利益率24.2%、営業利益率35.1%(提示値)
    • ROE(LTM):約4.75%(実績は4.43%)、ROA:約0.19%
  • 財政状態(2025/6末)
    • 総資産:230.96兆円、有価証券:144.02兆円、現預け金:62.94兆円、貸出金:4.00兆円
    • 負債:221.93兆円(うち貯金残高190.98兆円)
    • 自己資本比率(短信算定):3.8%
  • キャッシュフロー:四半期のCF計算書は未作成(短信記載)。減価償却費は期中126億円。
  • コメント
    • 金利上昇で貯金利息が急増(前年同期7,972百万円→69,364百万円)が、運用・その他収益増で増益を確保。
    • 資産構成は引き続き有価証券偏重で、金利・価格変動への感応度が高い。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:前期58円 → 今期予想66円(中間ゼロ・期末一括)。予想利回り約3.97%。
  • 配当性向:約50.6%(予想)
  • 自社株:自己株式はごく小規模(0.09%)。2025年2月に自己株取得・消却実施(短信注記)。
  • 株主構成:日本郵政が50.0%保有。浮動株は相対的に限定的。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 52週変化率:+18.72%(ベータ0.01で市場連動性は低位)
  • 直近の値動き:50日線割れで短期は下降モメンタム。200日線上で中期は上昇維持。
  • 関心材料
    • 金利環境(国内外の政策金利・長期金利・為替)
    • 有価証券利息・配当金の動向、ALMによる利鞘確保
    • 調達コスト(貯金利息)の上昇度合い
    • グループ(日本郵政)による保有比率・資本政策の動向
    • 直近イベント:決算発表 2025/11/14、権利落ち 2026/3/30

11. 総評

  • 全国郵便局網と巨大な預金残高を基盤に、安定的な資金調達力を持つ一方、資産運用の多様化とリスク管理が収益ドライバー。貸出比率が低く、有価証券収益への依存度が高いため、金利・市場変動の影響を受けやすい。
  • 2026年3月期は第1四半期で順調な進捗。もっとも、金利上昇に伴う貯金利息(調達費用)の増加が確認されており、通期に向けた利鞘管理が焦点。
  • バリュエーションは業界平均比でPER・PBRともにやや高め。配当は増配予想で利回りは約4%前後。足元の株価は50日線を下回る短期調整局面にあり、中期では200日線上を維持。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:C
    • 理由:過去12か月売上は2024年度比で縮小。一方で直近期(Q1)は前年比増収・増益。総合すると横ばい~やや減速評価。
  • 収益性:B
    • 理由:LTM営業利益率35%・純利益率24%と安定的だが、ROEは4~5%台で国内大手行平均と比べ高水準とは言い難い。
  • 財務健全性:C
    • 理由:自己資本比率(短信算定)3.8%と低位(銀行特性を考慮しつつも、開示ベースでは高評価困難)。流動性は高いが、有価証券比率が高く市場リスク感応度が大きい。
  • 株価バリュエーション:C
    • 理由:PER12.7倍・PBR0.66倍は業界平均(PER10.7倍・PBR0.4倍)より高め。配当利回りは約4%で5年平均を下回る水準。

参考データ(抜粋)
– 時価総額:約5.94兆円、発行済株式数:3,575,878,720株
– 予想EPS:131.32円、実績BPS:2,514.86円
– 予想配当:66円、配当性向:約50.6%
– ROE(実績):4.43%(LTM 4.75%)、ROA(LTM):0.19%
– 50日移動平均:1,812円、200日移動平均:1,600円
– 預金残高:190.98兆円(2025/6末)
– 有価証券残高:144.02兆円(2025/6末)

ご留意事項
– 銀行の健全性評価は自己資本比率(会計上)だけでなく、規制自己資本比率(CET1等)や流動性指標の確認が必要ですが、本データには未掲載のため評価は限定的です。
– 将来見通しは会社開示(2026年3月期計画)と直近期の進捗に基づく客観的整理であり、投資判断を目的としたものではありません。


企業情報

銘柄コード 7182
企業名 ゆうちょ銀行
URL http://www.jp-bank.japanpost.jp/
市場区分 プライム市場
業種 銀行 – 銀行業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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