ニチバン(4218)企業分析レポート
本資料は公開情報をもとに作成した情報提供レポートです。投資助言を目的とするものではありません。
1. 企業情報
- 概要:粘着テープ大手。「セロテープ」で国内高シェア。医療用テープ・創傷被覆材、救急絆創膏「ケアリーヴ」、鎮痛消炎剤「ロイヒ」などメディカル領域も展開。大鵬薬品と開発提携。工業用・包装用テープ、和紙マスキングテープ、事務用両面テープ等まで幅広い製品群を保有。
- 事業構成(連結):メディカル約50%、テープ約50%。海外売上比率:約10%(2025.3期)。
- 市場区分:東証プライム/業種:化学(素材・化学)
- 従業員:1,271名
- 拠点:東京都文京区
- 特色:セルロース原料の「セロテープ」など環境配慮製品、医療材の使い捨て(ディスポ)用途、スポーツテープなど生活・医療の安定需要に強み。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内の事務用粘着テープで強いブランド認知。「セロテープ」は代名詞的存在。医療・ヘルスケア領域でも絆創膏や医療用テープでプレゼンス。
- 競争優位性:
- ブランド力と国内流通網
- メディカル×テープの技術横展開(皮膚適合性、粘着技術)
- ポートフォリオ分散(文具・工業・医療)
- 課題:
- DX進展による紙・オフィス需要の構造的縮小
- 原材料・人件費上昇によるコストプレッシャー
- 海外比率がまだ低く、グローバル拡大が未成熟
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画「CREATION 2026」推進中(2024年度開始)
1) 事業ポートフォリオ再構築:テープ事業の収益改善と成長分野への再配分
2) グローバル企業化:販売拠点強化、2030年に海外売上比率30%目標
3) 人的資本経営:D,E&Iや評価制度改定、人材育成
– 進捗(2026年3月期1Q):テープ事業の生産プロセス改善で採算改善。メディカルは欧州・アジアで「ケアリーヴ」等が好調。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:消費財(文具・ヘルスケア)と産業用途のストック的需要が基盤。メディカルは高付加価値かつ価格転嫁が比較的効きやすい一方、文具は構造的縮小リスク。
- 適応力:
- 医療材・ディスポ用途拡大で需要ミックスを変化
- 環境配慮製品やECチャネル強化、海外展開で市場変化に対応
- リスク:原材料価格・為替、医療機関の経営環境、EC化によるチャネル再編
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:皮膚適合性・粘着制御・基材選定(セルロース、和紙等)に強み。環境配慮素材の活用も継続。
- 主力製品:
- メディカル:ケアリーヴ、医療用テープ、鎮痛消炎剤「ロイヒ」
- テープ:セロテープ(セルロース系)、両面テープ、工業用・包装用・和紙マスキングテープ
- 収益牽引:メディカルが利益の大半を創出(1Qセグメント利益寄与約86%)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:1,920円
- 予想EPS:98.24円 → 予想PER:約19.54倍(業界平均PER 20.4倍付近)
- BPS:2,100.26円 → PBR:約0.91倍(業界平均PBR 1.1倍付近)
- 参考比較:
- 業界平均PERベース参考価格:98.24×20.4 ≈ 2,004円(現株価比およそ-4%)
- 業界平均PBRベース参考価格:2,100.26×1.1 ≈ 2,310円(現株価比およそ+17%)
- EV/S(概算):時価総額約398億円、純現金約138億円(現金157.6億−有利子負債20億)→ EV約260億円、売上約498億円 → EV/S ≈ 0.52倍(概算)
- 配当利回り(会社予想):2.08%、配当性向:約36%
※上記は計算上の参考指標であり、将来の株価を示すものではありません。
7. テクニカル分析
- 直近終値:1,920円
- 移動平均:50日=1,979円、200日=1,992円 → 両移動平均を下回る水準
- 52週レンジ:1,821〜2,155円 → 現在はレンジ下寄り(下限から約+5%、上限比で約-11%)
- 直近10日:緩やかな下押し傾向、出来高は3カ月平均(約21千株)を下回る日が多い
- 信用動向:信用倍率0.54倍(売り残が買い残を上回る)
総合的に、短期は弱含みのレンジ下側に位置。
8. 財務諸表分析
- 成長性:
- 売上高(LTM):494.6億円(前年比+5.5%)、3年CAGR約+4.7%
- 収益性(LTM):
- 粗利率:約30.1%(149.0/494.6)
- 営業利益率:約5.2%(25.9/494.6)
- EBITDAマージン:約11.8%
- 当期純利益率:約4.0%
- ROE:約4.6〜4.8%、ROA:約2.5%
- セグメント(2026年3月期1Q):
- メディカル:売上592億円(百万円ベースで5,923)、海外が牽引、セグ利益大
- テープ:売上599億円(5,999)、生産性向上で採算改善
- 財政状態(2025/6末):
- 自己資本比率:63.4%(実績63.9%)
- 流動比率:約210%
- 有利子負債:20億円、現金同等物:157.6億円 → 実質ネットキャッシュ
- キャッシュフロー:四半期CFは未開示(短信注記)。減価償却は堅調(1Qで6.98億円)。
傾向として、売上は緩やかに拡大、2023期の利益低下から持ち直し、直近は利益率も改善傾向。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:2025年3月期実績35円、2026年3月期予想40円(期末一括)
- 予想利回り:2.08%
- 配当性向:36.4%(LTM EPSベース)
- 自社株買い:開示情報から直近の実施は不明(自己株口1.83%)
- 権利落ち予定:2026/3/30(予定)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:50日・200日線を下回り、短期は弱含み。52週比は-1.63%。
- 出来高:3カ月平均約21千株、直近10日平均約15千株でやや低調。
- 投資家構成:インサイダー保有約40%、筆頭株主は大鵬薬品(約33%)。浮動株が相対的に少なく、流動性は限定的になりやすい。
11. 総評
- メディカルが利益の柱、テープは構造課題があるものの生産性改善で持ち直し。中計「CREATION 2026」に沿い、ポートフォリオ転換と海外強化が進捗。
- 財務基盤は強固(高自己資本比率・ネットキャッシュ)。ROEは一桁半ばで改善余地がある一方、利益率は回復基調。
- バリュエーションは業界平均と比較してややディスカウント圏。テクニカル面ではレンジ下寄りかつ移動平均を下回る推移。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
理由)LTM売上+5.5%、3年CAGR約+4.7%と着実な増収。
– 収益性:B
理由)粗利率約30%、営業利益率約5%台。業界横比較情報は限定的で、中位評価。
– 財務健全性:S
理由)自己資本比率約64%、流動比率約210%、実質ネットキャッシュ、D/E低水準。
– 株価バリュエーション:A
理由)PER・PBRとも業界平均をやや下回る水準。EV/Sも低位(概算)。
参考データ
– 時価総額:約398億円
– 2026/3期会社予想:売上高5,150億円、営業利益30億円、EPS 98.25円
– 年初来高値:2,155円/年初来安値:1,821円
– 今後の予定:権利落ち予定日 2026/3/30
注記
– 数値は提供データに基づく計算値を含みます。開示修正や為替・原材料動向等により実績は変動する可能性があります。
企業情報
銘柄コード | 4218 |
企業名 | ニチバン |
URL | http://www.nichiban.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 素材・化学 – 化学 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。