1. 企業情報
株式会社ビジネスブレイン太田昭和は、1967年に設立された日本の企業です。主な事業内容は、経営・ITコンサルティングとシステムの開発受託です。特に会計システム分野に強みを持っています。その他、公認会計士や社会保険労務士などの専門人材を活用した会計・人事・給与などのBPO（ビジネス・プロセス・アウトソーシング）サービスや、SE派遣を含むSES共創ビジネスも展開しています。主要セグメントは「コンサルティング・システム開発」（2025年3月期売上構成比71%）と「マネージメントサービス（BPO）」（同29%）で構成されており、近年BPO事業にも注力しています。代表者は小宮一浩氏、本社は東京都港区にあります。従業員数は2,186人、平均年齢39.1歳、平均年収は707万円です。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社は、経営・ITコンサルティングおよびシステム開発において、会計システムに関する深い専門知識と長年の実績を競争優位性としています。顧客企業の業務改革やDX推進を支援する強みを持っています。BPO事業においても、専門人材を活用することで高品質なサービス提供を可能にしています。市場シェアに関する具体的なデータは提供されていませんが、専門分野特化型のアプローチにより、特定のニッチ市場で確固たる地位を築いていると推測されます。
3. 経営戦略と重点分野
同社は、従来の経営・ITコンサルティングとシステム開発を基盤としつつ、BPO事業を成長ドライバーとして位置づけています。2026年3月期 第1四半期決算より、事業セグメントを「コンサルティング・システム開発」、「SES共創ビジネス」、「BPO＆マネージドサービス」の3区分に変更し、より明確な事業戦略を推進しています。経営会計系やPLM（製品ライフサイクル管理）関連のコンサルティング・システム開発が好調に推移しており、BPOサービスでは人事給与BPOやオンサイトBPOが業績に貢献しています。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の事業モデルは、企業の経営基盤を支えるコンサルティング、システム開発、BPO、SESといったサービスから成り立っています。これらのサービスは、企業のDX推進や業務効率化のニーズが継続的に存在するため、安定的な需要が見込まれます。特に会計システムに関する専門性と、専門家によるBPOサービスは、顧客企業の継続的な利用を促進する要因となります。セグメント区分の再編など、市場ニーズや事業環境の変化への適応を図る姿勢も見られ、事業モデルの持続可能性は高いと考えられます。
5. 技術革新と主力製品
同社は「会計システム」に強みを持つことを特徴としています。具体的な主力製品としては、経営会計情報システムなど、事業所の会計情報から経営層までを一貫してサポートする情報システムが挙げられます。技術開発の動向や独自性に関する具体的な情報はデータからは読み取れませんが、専門分野におけるソリューション提供を通じて収益を牽引しているものと推測されます。
6. 株価の評価
現在の株価は2,977.0円です。
– PER（会社予想）: 12.59倍
– PBR（実績）: 1.11倍
– EPS（会社予想）: 236.40円
– BPS（実績）: 2,673.74円
これらの指標に基づき、現在の株価で計算されるPERとPBRは以下の通りです。
– PER: 2,977.0円 ÷ 236.40円 = 12.59倍
– PBR: 2,977.0円 ÷ 2,673.74円 = 1.11倍
情報・通信業の業界平均PERが23.2倍、PBRが2.3倍であると比較すると、同社のPERおよびPBRは業界平均を下回っており、これらの指標からは割安感が示唆されます。
7. テクニカル分析
現在の株価は2,977.0円です。
– 年初来高値: 3,140円
– 年初来安値: 2,041円
– 52週高値: 3,140.00円
– 52週安値: 1,768.00円
– 50日移動平均線: 2,913.08円
– 200日移動平均線: 2,615.58円
現在の株価は、50日移動平均線および200日移動平均線を上回る水準にあります。直近10日間の株価は2,815円から3,050円の範囲で推移しており、本日は2,977円で取引を終えています。年初来高値圏からはやや下落していますが、年初来安値からは大きく上昇しており、中長期的な視点では上昇トレンドにあると見ることができます。
売上・利益
- 売上収益:
- 2022年3月期: 32,345百万円
- 2023年3月期: 37,062百万円
- 2024年3月期: 34,217百万円 (2025年3月期実績値は38,803百万円と判断し、前期比+13.4%の増収)
- 過去12か月（2025年6月期）: 40,120百万円 (対前年同期比+17.24%)
- 2026年3月期 第1四半期（2025年4月-6月）: 10,051百万円（前年同期比+15.0%）
近年は増収傾向が続いており、直近四半期も堅実な成長を見せています。
– 営業利益:
– 2025年3月期: 2,872百万円（営業利益率 約7.4%）
– 2024年3月期: 2,535百万円（営業利益率 約7.4%）
– 過去12か月（2025年6月期）営業利益率: 6.52%
– 2026年3月期 第1四半期: 655百万円（前年同期比+105.4%、営業利益率 約6.5%）
営業利益は安定して推移しており、直近四半期は大幅な増益を達成しています。
– 親会社所有者に帰属する当期利益:
– 2025年3月期: 2,469百万円
– 2024年3月期: 14,140百万円（※この金額には18,154百万円の「Total Unusual Items」が含まれており、一過性の要因によるものです。この特殊要因を除いた「Normalized Income」は1,650百万円となっています。）
– 2023年3月期: 1,838百万円
– 2022年3月期: 1,781百万円
特殊要因を除けば、当期利益は増加傾向にあると言えます。
収益性・効率性
- ROE（過去12か月）: 9.83%
- ROA（過去12か月）: 4.52%
財務健全性
- 自己資本比率（実績）: 64.3%
- 流動比率（直近四半期）: 2.33
- 総負債／株主資本比率（D/E比率）（直近四半期）: 8.94%
これらの指標からは、同社の財務健全性が極めて高いことが示されています。自己資本比率の高さと負債の少なさから、堅固な財務基盤を有していると評価できます。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 2.99%
- 1株配当（会社予想）: 89.00円
- 配当性向（Payout Ratio）: 36.37%
同社は安定的な配当を実施しており、2026年3月期は年間89円の配当を予想（2025年3月期実績は78円）しています。配当性向は36.37%と、利益に応じた適切な水準で株主還元を行っています。さらに、2025年8月に自己株式の消却（1,109,800株）を決議しており、これは発行済株式数減少による1株当たり利益の向上や資本効率改善を通じた株主価値向上策として評価できます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価の直近の変動傾向:
直近10日間の株価は2,815円から3,050円の範囲で推移しており、安定した動きを見せています。株価は50日移動平均線（2,913.08円）および200日移動平均線（2,615.58円）を上回っており、中長期的に上昇傾向にあると推測されます。
投資家関心:
直近10日間の平均出来高は約2.36万株と比較的安定しています。信用買残が74,500株に対し、信用売残が200株と非常に少ないため、信用倍率は372.50倍と高い水準です。これは投資家の買い意欲が強いことを示していますが、信用買残の状況は今後の需給に影響を与える可能性があります。
株価への影響を与える要因:
企業の堅調な業績、特に増収増益の継続は株価を支える要因となり得ます。また、自己株式消却を含む積極的な株主還元策も、投資家の関心を持続させる要因として考えられます。
11. 総評
ビジネスブレイン太田昭和は、会計システムに強みを持つ経営・ITコンサルティングおよびシステム開発を核とし、BPO事業を成長分野とする企業です。売上は堅調に成長しており、直近四半期も増収増益を達成しました。財務体質は極めて健全であり、自己資本比率や流動比率が高水準です。株主還元にも積極的で、増配予想に加え自己株式消却を実施しています。現在の株価バリュエーションは業界平均と比較して割安感がある一方、株価は中長期的に上昇トレンドにあり、投資家の関心も一定程度保たれています。
12. 企業スコア
- 成長性: A
- LTM売上成長率は約17.24%（前年同期比）と堅調に伸びており、2026年3月期 第1四半期売上も前年同期比+15.0%と高成長を維持しています。
- 収益性: B
- 過去12か月の営業利益率が約6.52%、粗利率が約22.1%です。情報・通信業においては平均的な水準と判断されます。セグメント別ではSES共創ビジネスの利益率低下が見られますが、全体としては安定した収益を上げています。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率64.3%、流動比率2.33、D/E比率8.94%といずれも非常に高く、極めて健全な財務体質です。
- 株価バリュエーション: S
- PER（会社予想）12.59倍、PBR（実績）1.11倍は、業界平均PER23.2倍、PBR2.3倍と比較して割安な水準にあります。
企業情報
| 銘柄コード | 9658 |
| 企業名 | ビジネスブレイン太田昭和 |
| URL | http://www.bbs.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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