1. 企業情報
- 概要: サーバープラットフォーム事業を中核に、電子書籍/マンガ配信アプリの企画・開発・運用を一括提供。大手出版社の公式マンガアプリ(MANGA Plus, Manga UP!, Gangan ONLINE, Sunday Webry, Comic FUZ, MangaONE, Manga Park など)の開発・運営に強み。自社提供ではQRコード読取「ICONIT」、クリエイター向け統合PF「Xfolio」、動画メディア「PIVOT」、英語学習「Pocket Gogaku」、防災「ゆれしる」など。
- 収益構成(2025年7月期・IFRS): リカーリングサービス約89%(レベニューシェア+月額固定のストック型)、初期/保守開発サービス約11%。
- 組織: 2013年設立。2024年2月にLink-U Inc.からLink-U Group Inc.へ社名変更。従業員187名、平均年齢32.4歳。
- 市場区分: 東証プライム・情報通信業。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 電子書籍/マンガ市場の中で、B2Bのアプリ・配信基盤の提供者。出版社直営アプリの裏側を支える“開発〜運用一体型”のインフラ/アプリパートナー。
- 競争優位性
- 高トラフィック対応の独自サーバー/配信最適化技術。
- 大手出版社との継続的取引に基づくリカーリング収益比率の高さ。
- 開発(獲得)→運用(レベニューシェア/固定)の導線を備えたモデル。
- 課題
- 市場の主役はLINEマンガ、ピッコマ、Kindle等の巨大PF。対外的な“プラットフォーム”としてのブランドではなく、B2B色が強い分、外部からのシェア把握は難しい。
- 主要取引先への売上集中・契約更改リスク、競争激化によるレベニューシェア低下・獲得コスト上昇。
- 会計訂正(売上原価計上漏れ)の発生は内部統制/ガバナンス面の注視点。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/戦略(中期)
- グローバル展開強化(ローカライズ/流通の拡充)。
- 自社IP創出と制作体制強化(出版社以外への受注、AI活用)。
- リカーリング中心の収益基盤拡大とM&Aの活用。
- 計画数値(会社開示)
- 2026年7月期(予想): 売上収益60.0億円、営業利益6.0億円、親会社帰属当期利益3.08億円、EPS 21.73円。
- 最近の動き
- ビューン、Romanzの追加取得(連結強化、のれん増加)。
- 2025年7月期よりIFRS適用。訂正は売上原価の計上漏れに起因。
4. 事業モデルの持続可能性
- モデル: 初期開発(受託)で導入→運用期にレベニューシェア+月額固定のストック型に移行。主力はリカーリング(約89%)。
- 強み: 継続課金/広告を含む運用収益の積み上げ、マルチタイトル/マルチ出版社による分散。
- 留意点: コンテンツ原価・決済手数料・配信コスト等の上昇で粗利率が下押し。市場成長は継続見込みだが、競争激化・集客コスト上昇には適応が必要。
5. 技術革新と主力製品
- 技術/独自性: オリジナルサーバー/キャッシュ・配信最適化で大規模同時アクセスに対応。アプリUX、分析/レコメンド、広告運用最適化など周辺技術も一体提供。
- 収益牽引:
- 出版社公式マンガアプリ群の運用(レベニューシェア+固定)。
- 防災「ゆれしる」、QR「ICONIT」、クリエイターPF「Xfolio」等の自社/連結サービス拡充。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価: 1,106円、時価総額 約156.8億円、発行済株式数 1,417万株。
- 指標(会社予想・実績)
- EPS(会社予想): 21.73円 → PER 約50.9倍。
- BPS(実績): 182.69円 → PBR 約6.05倍。
- EV/Sales(概算): EV ≈ 156.8 + 19.8 − 16.5 = 約160.1億円、売上 48.35億円 → 約3.3倍。
- 業界平均との比較(参考)
- 業界平均PER 23.2倍、PBR 2.3倍。
- 参考水準: PER平均適用の仮想株価 ≈ 21.73×23.2=約504円、PBR平均 ≈ 2.3×182.69=約420円。
- 現状は業界平均に対してプレミアム評価。
7. テクニカル分析
- 直近の値動き(10日)
- 293円(年初来安値)から急騰後、10/15に1,814円(年初来高値)を付け、その後反落。10/17終値1,106円(当日安値1,036円)。
- 出来高急増(3カ月平均約85万株に対し直近10日平均約306万株)。
- トレンド位置
- 50日移動平均 539円、200日移動平均 417円。現株価は50日線比+約105%、200日線比+約165%と中長期平均に対して高位。
- 52週高値1,814円からは約−39%の調整局面。
- 評価: 中長期平均比では高値圏だが、直近高値からは調整入りのレンジ。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上(IFRS、2025/7期): 48.35億円(前年比+31.7%)。3年CAGR(2022→2025)約+28%。
- 直近四半期の売上成長率(YoY): −6.6%(データ提供値)と鈍化のシグナルもあり、短期はまちまち。
- 収益性
- 粗利率 約47.8%(前期約57.6% → IFRS移行/原価訂正の影響含む低下)。
- 営業利益 3.27億円、営業利益率 約6.8%(前年並み〜やや低下傾向)。
- 当期純利益(連結)2.25億円、親会社帰属1.48億円、親会社帰属純利率 約3.1%。
- ROE(実績)約5.8%。
- 安全性/効率
- 自己資本比率 45.3%、流動比率 約1.6倍。
- 総資産 57.2億円、負債 30.9億円、借入金約16.5億円、現金同等物約16.5億円(ネット有利子負債は概ね中立)。
- D/E(総負債/自己資本)約0.75、総資産回転率約0.85回。
- キャッシュフロー
- 営業CF +2.23億円、投資CF −1.13億円、財務CF −3.62億円。
- レバードFCF −0.42億円(投資・借入返済の影響)。
- 総評(財務)
- 売上は力強い一方、原価/販管費増で利益率はシングルディジット。資本構成は健全域で、ネット有利子負債はほぼゼロ。
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 中間・期末とも0円(無配)。Payout Ratio 0%。
- 自社株買い: 開示情報上は特段なし。
- 株主構成: インサイダー保有約72%と高く、浮動株は約384万株。流動性とボラティリティに影響しやすい構造。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 短期で急騰→急反落。10日平均出来高は3カ月平均の約3.6倍。信用倍率11.79倍、信用買残は前週比で減少も水準は高め。
- 影響要因
- IFRS初度適用および決算訂正(売上原価計上漏れ)のニュースフロー。
- 2026年7月期の増益計画(営業利益+72%予想)への期待と実現可能性評価。
- 電子書籍市場の拡大見通し、M&A/新サービスの進捗。
11. 総評
- 成長ドライバーは、出版社公式アプリの運用拡大とM&Aによるスケール、自社/連結サービスの多角化。売上のストック化比率が高く、モデルの安定性は相対的に高い。
- 一方で、2025期はIFRS移行と原価訂正の影響もあり粗利率が低下、営業利益率は一桁台にとどまる。短期的には利益率の改善トレンド確認が焦点。
- 株価は業界平均に対してPER/PBRでプレミアム。中期計画(売上60億・営利6億)が前提とする成長の実行度合いと利益率の回復が、評価維持のカギとなる。
- ガバナンス面では会計訂正が発生しており、内部統制の改善状況や監査済み開示の確認が注視点。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
理由: LTM売上+31.7%、3年CAGR約+28%。短期YoYは鈍化データもあるためSではなくA。
– 収益性: B
理由: 粗利率約48%、営業利益率約6.8%。アプリ/ソフト平均と比べ高くはなく中立。
– 財務健全性: A
理由: 自己資本比率45.3%、流動比率1.6倍、ネット有利子負債ほぼゼロ。
– 株価バリュエーション: C
理由: PER約50.9倍、PBR約6.05倍は業界平均(PER23.2倍、PBR2.3倍)を上回るプレミアム。
参考データ抜粋
– 株価: 1,106円(10/17終値)/ 時価総額 約156.8億円
– 52週高/安: 1,814円 / 293円
– 移動平均: 50日 539円、200日 417円
– 2025/7期(IFRS): 売上 48.35億円、営業利益 3.27億円、親会社帰属利益 1.48億円
– 自己資本比率 45.3%、営業CF +2.23億円
– 配当利回り 0.00%(無配)
– 今後イベント(予定): 2025/9/11–15 決算関連日程(提供データ)
注記
– 決算短信の訂正(売上原価の計上漏れ)は数値信頼性の観点で重要。監査済み有価証券報告書や追加IR資料での確認が有用です。
企業情報
銘柄コード | 4446 |
企業名 | Link-Uグループ |
URL | https://link-u.group/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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証券会社
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