9658 ビジネスブレイン太田昭和(BBS)分析レポート
株価: 2,977円(2025-10-17終値)/時価総額: 約345.8億円
1. 企業情報
- 概要・事業内容
- 経営・ITコンサルティング、会計・経営管理領域に強みを持つシステム開発・導入、運用保守が主力。
- 会計・人事給与・労務・ITのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)やマネージドサービスも展開。
- 専門人材(公認会計士・税理士・社労士・SE等)を活用したコンサル+SI+BPOの一気通貫型が特徴。
- 連結事業構成(2025.3期実績の目安)
- コンサルティング・システム開発:約71%(セグメント利益率目安 8%)
- マネージメントサービス(BPO):約29%(同 6%)
- セグメント(2026.3期から3区分)
- コンサル・システム開発、SES共創ビジネス、BPO&マネージドサービス
- 設立・本社等
- 1967年設立、東京都港区。従業員2,186名、平均年齢39.1歳。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 会計・管理会計を中核に、上流(業務改革・要件定義)から開発・運用、BPOまでを提供する独立系SIer/BPO事業者。
- SI大手(NTTデータ、TIS、NRI等)や会計パッケージ系、BPO大手と競合。専門人材による業務知見と会計領域の蓄積が競争力。
- 競争優位と課題
- 優位性:会計・管理会計やPLMなど特定ドメインの深い知見、コンサルからBPOまでの統合提供、長期の運用・保守/アウトソーシングによる継続収益。
- 課題:SESや準委任比率の上昇時は粗利率が下がりやすい。人件費・外注費の上昇、採用・育成コストの増大が利益率の重し。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方向性(開示に基づく要点)
- 管理会計・PLM等のコンサルと、請負型のシステム開発・導入・保守を伸長。
- BPO・マネージドサービスを拡大し、ストック/継続収益比率を高める。
- SES共創は人件費・外注費の上昇を踏まえ採算管理を強化。
- 具体策(2026.3期1Qの示唆)
- 受注高・受注残ともに2桁増で推移。コンサル・BPOが増収増益、SESは採用・外注コスト増で採算低下。
- 自己株式の消却(約110.98万株、2025/8/29予定)により資本効率の改善を志向。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- コンサル・SIのプロジェクト収益に加え、運用保守・マネージドサービス・BPOによる継続収益を組み合わせるハイブリッド。
- 持続性評価
- 会計・人事給与などはスイッチングコストが高く、BPO/保守は長期契約が多い一方、人件費上昇時のマージン圧迫がリスク。原価管理・価格転嫁力が重要。
5. 技術革新と主力製品・サービス
- 技術・独自性
- 管理会計情報システムやPLM関連の知見、会計×ITのドメイン深耕が強み。運用・保守、マネージドサービスを含むトータル提供。
- 主力領域
- 経営会計・PLMコンサル、会計・ERP周辺のシステム開発・導入、HR/会計BPO、オンサイトBPO、製品保守・運用サービス。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(現状)
- PER(会社予想連結):12.59倍(業界平均 23.2倍)
- PBR(実績連結):1.11倍(業界平均 2.3倍)
- EPS(会社予想):236.4円、BPS(実績):2,673.74円
- 予想配当:89円(利回り約2.99%)
- EV/売上・EBITDA(概算)
- EV ≒ 時価総額345.8億 + 有利子負債26.2億 − 現金98.4億 ≒ 273.6億円
- LTM売上 ≒ 401.2億円、EBITDA ≒ 46.2億円
- EV/S ≒ 0.68倍、EV/EBITDA ≒ 5.9倍
- コメント
- 業界平均に比べPER・PBRともディスカウント。EV/EBITDAも中小型SIのレンジ内で割安感がある一方、利益率(後述)は平均並~やや控えめ。
- 参考比較(機械的試算):業界平均PER 23.2倍を前提にした理論株価=約5,485円(236.4円×23.2)。単純比較で割安に見えるが、成長率・利益率・規模差を考慮する必要あり。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 直近株価 2,977円は50日線(約2,913円)・200日線(約2,616円)を上回り、中期・長期とも上昇トレンド。
- 年初来高値 3,140円に対し約95%の位置。上値抵抗は3,030~3,140円帯、サポートは2,900円前後と50日線付近。
- 需給
- 信用買残 74,500株、信用倍率 372.5倍と買いに偏重。短期では需給の逆風/期近の振れに留意。
- 10日平均出来高約2.4万株と流動性は中程度の小型~準中型。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益
- LTM売上:約401億円(前年比 +二桁増、1Q売上 +15.0%)
- LTM営業利益率:約6.5%(1Q営業利益率 6.5%)
- LTM粗利率:約22%(1Qは約21.8%)
- LTM EBITDAマージン:約11~12%
- FY2024に巨額の一過性項目(約181億円)があり、当期純利益・EPSは歪み。一過性を除いた実力値はLTM/会社予想ベースを見るのが妥当。
- 効率・資本性
- ROE:実績 8.5%(LTM目安 9.8%)
- ROA(LTM):4.5%
- 自己資本比率:64.3%(1Q 64.6%)
- 流動比率:2.33倍、有利子負債/資本(D/E):約9%
- 現金同等物:98.4億円、純有利子キャッシュ状態に近い堅健なバランスシート。
- 推移(売上)
- 2022/3: 323億 → 2023/3: 371億 → 2024/3: 342億 → LTM: 約388~401億(データ差あり)と、2024/3の一服後に回復基調。
- 3年CAGR(2022→LTM):約+6~7%程度。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025/3実績:年78円、2026/3会社予想:年89円(配当性向 約36~38%)。
- 自己株式
- 自己株保有9.92%。2025/8/29に自己株式約110.98万株の消却を予定(資本効率/EPSの改善要因)。
- 総合
- 安定配当+自己株式の活用を通じた株主還元を実施。今後は利益成長と並行した増配余地に注目。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落率 +62.2%、200日線対比も大きく上回る強い基調。直近は2,950~3,040円のレンジで持ち合い気味。
- 投資家属性
- インサイダー保有約26%、機関保有約18%、フロート約637万株と流通株は多くない。信用買い偏重で短期的にボラティリティが出やすい局面も。
11. 総評
- 需要面では、会計・管理会計やPLM、BPOの堅調さが継続。1Qは受注・受注残とも2桁増で、通期ガイダンス(売上+9.8%、事業利益+14.9%)と整合的。
- 収益性は業界平均並~やや控えめ(LTM営業利益率 約6.5%)。SES領域の採算が課題だが、コンサル・BPOは増収増益で全体を牽引。
- 財務は極めて健全(自己資本比率 mid-60%、ネットキャッシュ相当)。自己株消却もEPS押し上げ寄与。
- バリュエーションはPER・PBR・EV/売上・EV/EBITDAいずれも業界平均比でディスカウント。利益率・規模・成長率の差を考慮しても相対的割安感は認めやすい。
- テクニカルは上昇トレンドを維持しつつ上値抵抗(3,100円台)を試す局面。信用需給の偏りには留意。
(注)本資料は公開情報に基づくファクト整理であり、特定有価証券の取得・売却等を勧誘するものではありません。一過性損益は適宜除外・補正。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- LTM売上は2桁増、1Q売上+15%、3年CAGR約+6~7%。
- 収益性:B
- 粗利率約22%、営業利益率約6.5%と同業平均並~やや控えめ。コンサル・BPOは改善、SES採算が課題。
- 財務健全性:S
- 自己資本比率64%台、流動比率2.33倍、D/E約9%、潤沢なキャッシュ。
- 株価バリュエーション:A
- PER 12.6倍、PBR 1.11倍、EV/S 0.68倍、EV/EBITDA 約5.9倍と同業比で割安圏。
参考計算・指標
– 予想配当利回り:89円 / 2,977円 ≒ 2.99%
– 予想PER:2,977円 / 236.4円 ≒ 12.6倍
– PBR:2,977円 / 2,673.74円 ≒ 1.11倍
– EV ≒ 345.8億 + 26.2億 − 98.4億 ≒ 273.6億円
– EV/S ≒ 273.6億 / 401.2億 ≒ 0.68倍
– EV/EBITDA ≒ 273.6億 / 46.2億 ≒ 5.9倍
今後の注目ポイント
– 通期ガイダンスの進捗(売上42,600百万円、事業利益3,300百万円)
– SES共創の採算改善(単価改定・人員ミックス・稼働率)
– BPO/マネージドサービスの受注・更新動向
– 自己株式消却反映後のEPS・ROEの推移
– 年初来高値(3,140円)ブレイク有無と信用需給の変化
企業情報
銘柄コード | 9658 |
企業名 | ビジネスブレイン太田昭和 |
URL | http://www.bbs.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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