4681 リゾートトラスト 分析レポート(2025-10-18時点)
重要事項:本レポートは公開情報の整理・分析であり、投資助言を目的としません。数値は原資料に依存し、一過性損益は可能な限り除外・補足に留めます。
1. 企業情報
- 事業概要
- 会員制リゾートホテルで国内首位。「エクシブ」「サンクチュアリコート」など高級会員制リゾート・シティホテルを全国展開(国内42、ハワイ1)。ゴルフ場14を運営。
- セグメント:会員権(ホテル会員権販売・関連金融)、ホテル・レストラン(運営収益)、メディカル(会員制医療サービス、健診、在宅等)、その他(清掃・保険代理店・物販等)。
- 会員権はタイムシェア制度を採用。未開業ホテルの会員権販売は、開業時に不動産収益を一括認識する会計特性あり。
- 基本データ
- 設立:1973年、本社:名古屋市
- 従業員:9,735人、平均年齢36.1歳
- 上場市場:東証プライム
- 代表者:伏見 有貴
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 会員制リゾートホテル領域で首位。高価格帯・会員制という参入障壁とブランド力(エクシブ等)が強み。
- ホテル運営に加え、会員金融(割賦)、メディカル会員のクロスセルを持つ独自モデル。
- 競争優位性
- 強固な会員基盤と全国ネットワーク、ラグジュアリー志向の顧客層、価格改定を受け止める受益性。
- メディカル領域への多角化により景気循環の平準化に寄与。
- 課題
- 設備投資・開発負担の大きさ、人件費・物価上昇のコスト圧力。
- 未開業物件の収益認識タイミングに業績が左右されやすい構造。
- 会員の世代交代対応、稼働率・単価維持、医療規制・人材確保など。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・中期方針(2025年4月~2030年3月)
- メディカル事業の積極投資(設備拡張、会員増)。
- ホテル事業の商品・サービス高度化(高付加価値施設の開業・稼働率/客単価の両立)。
- 会員権販売の強化と販売スキームの磨き込み(未開業案件の販売・前受金拡大)。
- 具体トピック
- 新規開業:サンクチュアリコート琵琶湖(24年10月開業寄与)、サンクチュアリコート日光(26年2月予定)。
- 会社独自の「評価営業利益」(繰延利益を実力値として試算)を用い、進捗を可視化。
- 価格改定・商品改良・会員CRM強化を併用。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益の柱
- 会員権販売(開発×販売×金融)+運営収益(宿泊・飲食)+メディカル会員・健診。
- 特性と適応力
- 会員制に基づく需要の安定性とクロスセル余地が強み。一方で、開業時一括認識の時点差・開発負担がボラティリティ要因。
- 健康志向・富裕層需要の構造的追い風。価格改定・ラインアップ拡充でインフレ環境へ適応。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・運営面
- 運営効率化(予約・収益管理、稼働最適化)、メディカル機器・検査能力の拡張が競争力を補強。
- 主力
- 高級会員制ホテル群(エクシブ、サンクチュアリコート)。
- メディカル会員サービス・人間ドック等の健診収益。
- Q1実績ではホテル運営とメディカルが増収、会員権は未開業中心で繰延影響。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価1,860円、時価総額約4,036.9億円
- 会社予想EPS:89.69円 → PER約20.74倍(業界平均PER17.0倍比で高め)
- BPS(実績):674.32円 → PBR約2.76倍(業界平均PBR1.8倍比で高め)
- EV/売上(LTM):約1.63倍(EV≒時価総額+有利子負債39.2−現金33.75=約4,091億円、売上≈2,511.8億円)
- EV/EBITDA(LTM):約11.0倍(EBITDA≈371.7億円)
- まとめ:PER・PBRは業界平均を上回る水準。成長性・ブランド・利益率改善への期待が価格に織り込まれていると整理される。
7. テクニカル分析
- 現在値1,860円は50日移動平均(1,878円)をやや下回り、200日(1,660円)を上回る水準。
- 52週高値2,037円まで約-8.7%、安値1,307.5円からは約+42.3%。レンジの上半分で推移。
- 直近10日:1,833~1,891円のレンジで方向感は中立。出来高は3カ月平均70.1万株に対し直近10日59.2万株とやや減速。
- 信用倍率1.31倍は過熱感は限定的。β(5年)0.29で市場連動性は低め。
8. 財務諸表分析
- 成長(売上)
- 2022/3: 1,577.8億円 → 2023/3: 1,698.3億円 → 2024/3: 2,018.0億円 → LTM: 約2,493.3億円
- LTM YoY:約+23.6%、3年CAGR:約+16.5%(力強い回復・拡大)
- 利益水準(LTM)
- 営業利益:約263.7億円、営業利益率:約8.6%(会社指標)
- 当期純利益:約201.4億円、純利益率:約8.3%
- EBITDA:約371.7~388.5億円、EBITDAマージン:約15%前後
- ROE:14.7~14.8%、ROA:約3.4%
- セグメント(2026/3期1Q)
- 会員権:売上128.7億(-9.3%)、利益40.1億(-8.7%)
- ホテル:売上261.8億(+8.0%)、利益9.1億(大幅改善)
- メディカル:売上135.8億(+9.9%)、利益18.2億(+0.6%)
- 会社の「評価営業利益」:78.7億(+31.1%)と実力値は堅調。
- 安全性・資本
- 自己資本比率:29.3%(前期末ベース 1Qは28.5%)
- 流動比率:約1.14倍、有利子負債:392億円、手元資金:337.5億円、ネット有利子負債:概ね54.5億円
- 付帯債務(前受金・割賦債権等)の増加は開発・販売の進捗に起因。
- トレンド総括
- コロナ後の回復を経て増収増益基調。営業利益・ROEの改善が継続。自己資本比率は3割弱で保守的とは言い難く、運転資本・開発投資の動向に留意。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2026/3期予想:年32円(中間16・期末16)、予想配当利回り:約1.72%
- 直近の配当性向:約32.6%、5年平均利回り:1.78%と同水準
- 自己株式・その他
- 2025/4/1に1→2株の株式分割実施。
- 自己株式は期末ベースで約520万株(約2.4%)。新規の自己株買い方針は開示情報上は確認できず。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価は52週で+32.8%と堅調。S&P500の+13.8%を上回る伸び。
- 直近はレンジ推移でモメンタムは中立。出来高は平常よりやや低下。
- イベント
- 決算発表予定:2025/11/13
- 開業予定:サンクチュアリコート日光(2026年2月予定)
- 配当前最終売買日:2026/3/27(想定、権利落ち3/30)
- 需給
- 信用買残16.4万株・売残12.6万株、信用倍率1.31倍。インサイダー保有21.7%、機関保有23.3%で浮動株は限定的。
11. 総評
- 事業面:会員制リゾートでの強いブランドとメディカルの多角化で、売上・利益ともに回復から成長局面へ。ホテル運営とメディカルが実需ベースの伸びをけん引。
- 財務面:ROEは約15%と良好。一方、自己資本比率は3割弱で、開発投資・運転資本需要が資金繰りに影響しやすい構造。ネット有利子負債は小さく、金利感応度は相対的に限定的。
- バリュエーション:PER・PBRともに業界平均を上回る水準。成長とブランド価値、利益率改善期待が株価に反映されている整理。
- テクニカル:200日線上、50日線近辺で中立。決算・新規開業進捗(繰延収益の認識タイミング)が短期の株価ドライバー。
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY +23.6%、3年CAGR +16.5%。Q1でもホテル・メディカルが増収。
- 収益性:A
- 根拠:営業利益率約8.6%、EBITDAマージン約15%、ROE約15%。サービス業として良好な収益性。
- 財務健全性:B
- 根拠:自己資本比率29.3%、流動比率1.14、有利子負債は手元資金でほぼ相殺。資本厚は中立。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PER20.7倍・PBR2.76倍は業界平均(PER17倍・PBR1.8倍)を上回る。
参考データ(抜粋)
– 株価レンジ:年初来高値2,037円/安値1,308円
– 予想EPS:89.69円、予想配当:32円、予想配当性向:約32.6%
– LTM売上:約2,511.8億円、LTM純利益:約207.7億円
– 自己資本比率:29.3%、ROE:14.7~14.8%、ROA:3.4%
出典:決算短信(2026年3月期1Q、2025/8/13公表)、株価・財務データ(提供データ一式)。不明項目は記載を省略しました。
企業情報
銘柄コード | 4681 |
企業名 | リゾートトラスト |
URL | http://www.resorttrust.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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