トーメンデバイス(2737)企業分析レポート

最終更新日: 2025-10-19
株価: 7,180円(前日比 -50円)
時価総額: 488億円 / 発行済株式数: 6,802,000株
市場区分: プライム(卸売業・商社・卸売)

1. 企業情報

  • 概要: 豊田通商グループの半導体・電子部品専門商社。サムスン電子製品に特化した取り扱いが大きく、DRAM・NAND等のメモリーが主力。システムLSI(SoC、ASIC、CIS等)、ディスプレイ(LCD/OLED)、受動部品(MLCC)も扱う。
  • 事業構成(2025/3期 連結・売上構成比): メモリー82%、システムLSI14%、ディスプレイ3%、その他1%。海外売上比率76%。
  • 特徴: サムスン製半導体の販売チャネルに強み。トヨタグループの商社機能を背景に、車載・スマホ・産業向け顧客基盤を持つ。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション: 半導体専門商社の中でも「メモリー比率が高い」点が特色。製品レンジは広いが、利益はメモリーの市況・為替の影響を受けやすい。
  • 競合: マクニカHD、加賀FEI、菱洋エレクトロ、リョーサン、レスターホールディングスなど。これらに比べると粗利率は低水準(メモリー比率が高いため)。
  • 競争優位性:
    • サムスン製品への強固なアクセス(主要株主に日本サムスン)。
    • 豊田通商グループとの連携による車載領域の顧客基盤。
  • 課題:
    • 顧客・仕入先集中リスク(サムスン依存度が高い)。
    • メモリー価格サイクルと為替の影響が大きく、粗利率が薄い。

3. 経営戦略と重点分野

  • 方向性(開示ベース):
    • 成長分野への注力: 高精細CIS(スマホ)、SiP、車載向けメモリーなど。
    • 外部環境: 為替・貿易政策・中国政策等の不確実性を注視。
  • 2026/3期1Q実績の示唆:
    • メモリーはPC/サーバー向けが弱含み。
    • システムLSI(特にCIS・SiP)が大幅伸長。
  • 中期的な狙い(資料整合性の範囲):
    • メモリー偏重からのポートフォリオ改善(CIS、SiP、車載領域の拡大)で収益性の底上げ。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 商社マージン(粗利率は約3〜4%)が中心で在庫回転・為替管理が鍵。
  • 強み: サムスン製品供給力、車載用途の案件増、CIS・SiPの伸長。
  • リスク:
    • サイクル性(メモリー価格・需給)、為替感応度。
    • 1Qで商品在庫・短期借入金が大幅増(在庫積み上がりと運転資金負担の増加)。
  • 適応力: 成長分野へのシフトは進捗(1QのシステムLSIが+45.2%)。メモリー依存度の段階的低下が継続できるかが持続性の要。

5. 技術革新と主力製品

  • 主力: DRAM・NAND(SSD/MCP含む)、CIS、ディスプレイドライバIC、OLED/LCD、MLCC等。
  • 技術動向:
    • AI/高速計算領域のメモリー需要、スマホの高精細化によるCIS需要、車載半導体の搭載増が追い風。
  • 独自性: メモリーに強い仕入ネットワークと、CIS/SiPの拡販でミックス改善を志向。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 予想EPS: 705.79円、BPS: 7,054.64円
  • 現在株価: 7,180円
  • 指標比較:
    • 予想PER: 約10.2倍(業界平均12.1倍比で割安圏)
    • PBR: 約1.02倍(業界平均1.0倍と同程度)
    • 予想配当利回り: 約3.62%(配当260円)
    • 概算EV/S: 約0.21倍(EV=時価総額488億 + 純有利子負債約406億 ≒ 894億、売上高4,217億円)
    • 概算EV/EBIT: 約8.8倍(LTM営業利益1,017億円換算/百万円表記に注意)
  • コメント: PERは業界平均比ディスカウント。PBRはほぼ横並び。資金調達増でEVがやや膨らむ点は留意。

7. テクニカル分析

  • トレンド: 50日移動平均6,516円、200日6,049円。現株価7,180円は両線上で上昇トレンド継続。
  • 位置づけ: 年初来高値7,310円に接近。高値圏に位置。
  • 直近値動き: 直近10日で7,000円台を維持しつつ上向き推移。出来高は平均2万株前後→直近やや落ち着き。
  • 需給: 信用倍率79.5倍(売り残が極小)。買い残は前週比で減少。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益(百万円)
    • 売上高: 462,822(2022)→ 417,621(2023)→ 370,676(2024)→ 421,671(LTM/2025)
    • 営業利益: 10,629 → 12,230 → 9,480 → 10,169
    • 当期純利益: 6,379 → 4,906 → 2,096 → 5,588(2024は一過性損益の影響あり)
  • 収益性
    • 粗利率(LTM): 約3.5%(14,696/421,671)
    • 営業利益率: 約2.4%(LTMベース)/1Qは約1.8%
    • 純利益率(LTM): 約1.3%
    • ROE: 11.75%、ROA: 3.42%
  • 安全性・効率性
    • 自己資本比率: 43.5%(前期末)→ 30.2%(2025/6末)
    • D/E(有利子負債/自己資本): 約101%(短期借入金増)
    • 流動比率: 約143%
  • コメント: 2025/1Qは在庫増と短期借入金増で総資産が急増、自己資本比率は低下。収益性は商社特性上薄利だが、LTMでは回復傾向。一過性影響の強かった2024期からの反発が確認できる一方、直近四半期は為替とミックスで利益率がやや低下。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績・予想: 2025/3期 300円 → 2026/3期予想 260円(期末一括)
  • 予想配当性向: 約36.5%
  • 5年平均利回り: 約4.63%(現在は3.62%)
  • 自社株買い: 開示情報上の記載なし
  • コメント: 収益・在庫動向を踏まえたバランス型。2026/3期は減配予想。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム: 52週騰落+18.9%、低ベータ(0.09)ながらもトレンドは堅調。
  • 流動性・株主構成: インサイダー保有62.8%、フロート約249万株と流通株は限定的。大株主は豊田通商、ネクスティ、 日本サムスン。需給の偏りに留意。
  • 価格ドライバー:
    • メモリー市況・為替動向
    • スマホ向けCIS、車載半導体の需要
    • 在庫水準・運転資金(短期借入金)の推移
    • 会社予想進捗(通期売上4,000億円・純利益48億円見通し)

11. 総評

  • 事業面: サムスン製メモリーに強みを持つ商社。CIS・SiP・車載向けの伸長により、メモリー依存度の緩和を進行中。
  • 収益・財務: LTMで売上・利益は持ち直し。1Qは為替・ミックスで利益率がやや低下。商品在庫・短期借入金の増加に伴う自己資本比率低下は注視ポイント。
  • バリュエーション: PERは業界平均比でディスカウント、PBRは横並び。配当利回りは3%台半ば。
  • 株価: トレンドは上向きで年初来高値圏。需給は信用買い優位・流通株限定により変動性の偏りに注意。
  • リスク: メモリーサイクル、為替、顧客・仕入先集中、在庫水準。成長分野(CIS・SiP・車載)の拡大が中期の鍵。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性: B
    • 根拠: LTM売上は前年比増(370,676→421,671)一方、3年CAGRは微減(2022→LTM)。直近1Qは売上横ばい〜微減。
  • 収益性: C
    • 根拠: 粗利率約3.5%、営業利益率約2%台と商社同業平均より低め。1Qの利益率低下も加味。
  • 財務健全性: B
    • 根拠: 自己資本比率30.2%、D/E約1.0、流動比率約143%。運転資金負担増はあるが、指標は中立水準。
  • 株価バリュエーション: A
    • 根拠: 予想PERが業界平均を下回るディスカウント。PBRは平均並み、EV/Sは低位。

補足・イベント
– 次回決算予定ウィンドウ: 2025年7月下旬(会社公表日程参照)※本日時点では既に1Q発表済み
– 権利落ち予定日(予想): 2026-03-30

注意事項: 本レポートは公開情報に基づく客観的な企業分析であり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。


企業情報

銘柄コード 2737
企業名 トーメンデバイス
URL http://www.tomendevices.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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