戸田建設(1860)企業分析レポート
株価: 1,018.5円(前日比 -6.5円)
1. 企業情報
- 概要: 準大手ゼネコン。建築・土木に加え、国内外グループ、投資開発、環境・エネルギー(浮体式洋上風力等)を展開。病院・学校などの公共性の高い施設に強み。1881年創業、東京本社。堅実な経営姿勢。
- セグメント(参考・売上構成イメージ 2025.3期): 建築約53%、土木約20%、国内投資開発約8%、国内グループ約9%、海外グループ約10%、環境・エネルギーは現状小規模かつ投資先行。
- 従業員: 7,314人、平均年齢44.6歳、平均年収968万円。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 準大手ゼネコンの一角。スーパーゼネコン(大林・清水・鹿島・大成、非上場の竹中など)に次ぐ規模帯。医療・教育分野の施工実績で競争力。
- 競争優位性:
- 病院・学校分野でのノウハウ・実績。
- 開発(SECC: スマート・エネルギー・コンプレックスシティ)や再エネ等の非建設領域との連携。
- 課題:
- 資材価格・労務費の高止まりによる採算圧迫。
- 技能者不足、公共工事の需給変動。
- 大型案件の採算管理・為替影響(海外)。
※ 定量的な市場シェアは会社開示になし。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期経営計画「中計2027」(2025年公表)の方向性:
- タテ展開(現場・営業での提供価値向上)とヨコ展開(建設×戦略事業の連携)で収益力強化。
- 重点管理事業: SECC(街区開発×エネルギー)、環境・エネルギー(浮体式洋上風力等)、海外事業。
- 財務KPI目標(中長期): ROE 10%以上、ROIC 5%以上を志向。投資審査の厳格化・資本効率重視。
- 2026年3月期の会社計画(連結):
- 売上高 6,400億円(前期比+9.1%)
- 営業利益 240億円(同-9.9%)
- 純利益 210億円(同-16.6%)、EPS 69.98円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 元請による建築・土木工事の粗利+開発・保有・再エネ等の収益を組み合わせるハイブリッド型。粗利は低位安定、案件管理の巧拙が利益を左右。
- 持続性評価の観点:
- 医療・教育施設の需要は景気循環の影響を比較的受けにくい。
- コスト上昇局面では契約条件の適正化・価格転嫁力が鍵。
- 洋上風力やSECCなど非建設領域の育成によりポートフォリオ分散を進める方針。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:
- 浮体式洋上風力の技術開発に注力(環境・エネルギー領域の柱候補)。
- 医療・教育施設での設計・施工ノウハウ蓄積。
- 収益牽引領域:
- 現状は建築(大型案件進捗が四半期売上を牽引)。
- 将来はSECC、再エネ、海外の拡大余地を示唆。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提数値:
- 株価 1,018.5円、時価総額 約3,286億円
- 予想EPS 69.98円、BPS 1,126.56円
- 予想PER 14.55倍、PBR 0.90倍
- 予想配当 40円、配当利回り 3.93%、配当性向 約36%
- 業界平均: PER 14.0倍、PBR 1.1倍
- 評価比較:
- PERは業界平均並み〜やや上(14.6倍程度)。
- PBRは業界平均を下回る(0.90倍 vs 1.1倍)。
- EV/S(概算): EV ≒ 3,286 +(有利子負債2,446−現金802)= 約4,931億円。売上(LTM)約5.87〜6.06兆円 → EV/S 約0.81〜0.84倍。
- 総合所見: 収益力・資本効率(ROE 7%台)を踏まえると、指標は概ね平均圏内の水準感。
7. テクニカル分析
- 52週レンジ: 758.3円〜1,079円。現状はレンジ上方寄り(高値比約-5.6%)。
- 移動平均: 50日線 1,033.6円、200日線 943.7円。株価は50日線をやや下回り、200日線を上回る(中期は上向き、短期はもみ合い・やや弱含み)。
- 直近10日: 1,000〜1,040円のボックス推移。出来高は3カ月平均(約51万株)を下回る日が多く、短期モメンタムは落ち着いた状態。
- 信用動向: 信用倍率 1.69倍、買い残・売り残ともに減少。過度な偏りは見られにくい。
8. 財務諸表分析
- 成長:
- 売上高(通期・連結): 2022/3 5,015億円 → 2023/3 5,472億円 → 2024/3 5,224億円 → LTM 約5,867億円
- LTM対前年成長率: 約+12%(5,224→5,867)
- 3年CAGR(2022→LTM): 約+5.4%
- 2026/3期1Q 売上高: 1,313億円(YoY +17.5%)
- 収益性(LTMベースの概算):
- 粗利率: 約13%(粗利 768億円 / 売上 5,867億円)
- 営業利益率: 約4.5%(営業益 266億円 / 売上 5,867億円)※1Qは約3.1%
- 当期純利益率: 約4.3%(251億円 / 売上 5,867億円)
- EBITDA: 約401億円、EBITDAマージン約6.8%
- 効率・資本:
- ROE(実績): 7.29%(LTM 7.42%)
- ROA: 2.19%
- 安全性・流動性:
- 自己資本比率: 37.1%(1Q末 38.0%)
- D/E(総負債/資本、目安): 有利子負債/資本 70%程度
- 流動比率: 約1.37倍
- 現金等: 約802億円、有利子負債 約2,446億円(ネット有利子負債 約1,645億円)
- その他:
- 営業外収益・特別利益(投資有価証券売却益等)の変動が純利益に影響。
- 1Qは売上総利益の増加で営業利益黒字転換、特別利益の縮小で純利益は小幅減。
(注)一過性損益は評価から除外する方針。
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 2026/3期予想 年間40円(前期30円から増配予定)。配当性向 約36%。5年平均利回り 3.37%に対し、現行利回り 3.93%。
- 自己株式: 発行済の約6〜7%を保有(時点により差異あり)。直近で大規模な新規自己株買いの開示は確認できず。
- 基本姿勢: 中計下で資本効率の向上を掲げ、安定配当を維持しつつ成長投資を実行する方針。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 中期は上向き(200日線上)。短期は50日線を下回り、調整〜持ち合い基調。
- 出来高: 直近10日平均(約34万株)は3カ月平均(約51万株)を下回り、短期の買い意欲は落ち着き。
- 関心材料:
- 11月13日(予定)の決算発表。
- 洋上風力・大型案件の受注/進捗、コスト動向(資材・労務)。
- 配当権利・実施時期(権利落ち 2026/3/30予定)。
11. 総評
- 事業面: 医療・教育等に強みを持つ準大手ゼネコン。建設に加え、SECCや浮体式洋上風力、海外事業への展開で収益源の多角化を指向。
- 財務面: 売上は回復基調、利益率は低位ながら改善余地。ROEは7%台で、中計では10%以上を目標。自己資本比率は4割弱、流動性は概ね良好。
- 株価・指標: PERは業界平均並み、PBRは平均を下回る水準。配当利回りは5年平均を上回る。短期モメンタムは持ち合い気味。
- 重点注視点: コストインフレ下での採算管理、再エネ・開発の収益化スピード、受注環境(官公庁/民間)の変化。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
理由: LTM売上YoY約+12%、3年CAGR約+5%と増収基調。1Q売上も+17.5%。
– 収益性: B
理由: 粗利率約13%、営業利益率3〜4%台。建設業平均レンジ内とみられるが突出はしていない。
– 財務健全性: B
理由: 自己資本比率37%前後、流動比率約1.37倍、D/E約70%で概ね中立。
– 株価バリュエーション: B
理由: PERは業界平均並み、PBRは平均以下、EV/Sも妥当圏。総合で中立評価。
参考データ(抜粋)
– 株価レンジ: 52週高値 1,079円 / 安値 758.3円
– 指標: 予想PER 14.55倍、PBR 0.90倍、ROE 7.29%、自己資本比率 37.1%
– 配当: 年間40円予想(利回り 3.93%、配当性向 約36%)
– LTM(概算): 売上高 約5.87兆円、営業利益 約266億円、純利益 約252億円、EBITDA 約401億円
今後のイベント
– 2025-11-13: 決算発表予定(Earnings Date)
– 2026-03-30: 配当権利落ち日予定(Ex-Dividend)
企業情報
銘柄コード | 1860 |
企業名 | 戸田建設 |
URL | http://www.toda.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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