サックスバー ホールディングス(9990)企業分析レポート
株価:783円(本日終値)/時価総額:約233.8億円/市場:東証プライム
業種:小売(バッグ・財布等の専門小売/製造・卸を含む)
1. 企業情報
- 概要・事業内容
- バッグ、財布、ファッション雑貨の小売・製造・卸売を展開。主力はショッピングセンター(SC)内の専門店「SAC’S BAR」。他に「GRAN SAC’S」「kissora」「efffy」「Beau Atout」等の店舗ブランド、アクセサリー業態「Tees Cees」「Banana」などを運営。
- 直営などの小売が中心だが、キャリーケース等の製造・卸売も併営。修理サービスも提供。
- 店舗数は約600店(2026年3月期1Q末:573店)。
- 連結売上構成(2025.3):メンズ・トラベル40、PB・NPB26、財布・雑貨22、カジュアル4、インポート4、ハンドバッグ3(合計約99、比率目安)。
- 会社基礎情報
- 設立:1974年/本社:東京都葛飾区/従業員:577人(平均年齢44.9歳、平均年収499万円)
- 旧社名:東京デリカ(2014年に現社名へ)
2. 業界のポジションと市場シェア
- SC中心のバッグ・雑貨専門小売として全国規模の店舗網を持つ大手の一角。製造・卸も持つ垂直統合要素により商品回転・粗利改善に取り組める点が特長。
- 競争環境
- 競合は百貨店・専門店、ブランド直営店、量販店、ECモールなど幅広い。高額インポートは為替・インバウンド動向に敏感、カジュアル・トラベルは価格競争が厳しい。
- 競争優位・課題
- 優位:PB・NPBやキャラクターコラボによる差別化、全国SC網による集客力。
- 課題:高額・インポートの需要鈍化局面での売上確保、在庫回転の改善、ECの台頭への対応。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針(短信・開示より)
- 高額皮革・インポート偏重からのバランス化。PB・NPB、キャラクターコラボ強化で粗利改善と価格帯拡張。
- 店舗ポートフォリオ最適化(第1Q末で前年同期比-14店)。収益性重視の出退店。
- 製造・卸を活かしたキャリーケースなどの開発・供給拡大。
- 2026年3月期の会社計画(据え置き)
- 通期予想:売上534.6億円(+2.2%)、営業利益41.5億円(+2.7%)、純利益26.6億円(+4.5%)、EPS 91.5円。
- 上期進捗:1Q売上118.2億円(上期予想に対する進捗約45.6%)。
- 重点領域
- PB・キャラクター商品の強化、価格訴求と粗利改善の両立。
- 為替影響の大きいインポート比率の調整。
- 旅行需要の回復を捉えたトラベル・キャリーケース強化。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 小売の売買差益(粗利)+製造・卸(スケール利益)で構成。PB/NPB拡大は粗利率の底上げに寄与。
- 適応力
- 需要変動に合わせた品揃え(キャラクター・PB)、出退店で固定費抑制を図る一方、為替・インバウンドへの感応度は残る。
- 在庫管理の巧拙が利益に直結(1Qは在庫増、現金・売掛減)。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・開発
- ハイテク志向の業種ではないが、自社開発(PB・NPB)とコラボ商品で商品企画力を強化。
- 主力領域
- メンズ・トラベル(構成比が大きい)、キャリーケース(キャラクター系が伸長)。
- 女性向けバッグ・財布は価格帯や為替の影響を受けやすく、選別強化。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(現在株価783円ベース)
- 予想PER:8.56倍(業界平均21.3倍)
- PBR:0.78倍(業界平均1.8倍)
- 予想EPS:91.48円、BPS:998.55円
- EV:約200億円(時価総額233.8億+有利子負債14.1億−現金47.7億)
- EV/EBITDA:約4.3倍(LTM EBITDA約46.3億円)
- EV/売上:約0.38倍(LTM売上約522.9億円)
- コメント
- 主要バリュエーション(PER、PBR、EV/S、EV/EBITDA)は業界平均と比較して低位水準。利益水準や需要トレンド、成長期待の織り込み度合いが反映されているとみられる。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均:約798.8円、200日移動平均:約845.8円。終値は両移動平均を下回り、中期的には弱めのトレンド。
- 価格レンジ
- 52週高値:1,002円、安値:750円。足元はレンジ下限圏に近い。
- 出来高・信用
- 3カ月平均出来高:約4.48万株、直近10日:約5.12万株(やや増加)。
- 信用買残20.5万株、信用倍率28.83倍と買い長。需給の振れに留意。
8. 財務諸表分析
- 損益(LTM/2025.3ベース)
- 売上高:522.9億円(2024.3:520.9億円、2023.3:472.4億円、2022.3:367.9億円)
- 粗利:259.8億円(粗利率約49.7%)
- 営業利益:40.4億円(営業利益率約7.7%)
- 当期純利益:25.5億円(純利率約4.9%)
- EBITDA:46.3億円(EBITDAマージン約8.9%)
- 成長トレンド
- 3年CAGR(売上):約+12%(2022→LTM)。直近1Qは前年比-3.9%と減収(高額・インポートの鈍化影響)。
- 効率・収益性
- ROE:8.87%、ROA:6.11%(実績ベース)
- 1Qの営業利益率は約4.7%(前年同期約6.6%)と低下。
- 財政状態(2025/6/30)
- 総資産:391.9億円、純資産:290.1億円、自己資本比率:74.0%
- 現金47.7億円、有利子負債14.1億円、流動比率3.67倍
- 在庫132.2億円(前期末比増)、現金・売掛は減少
- キャッシュフロー
- 四半期CFは未作成(注記)。在庫増は運転資金の負担要因。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年3月期:期末30円
- 2026年3月期(会社予想):期末35円、年間35円(利回り約4.47%)
- 配当性向:34.25%(データベース値)。参考:予想ベースでは約38%(35円/予想EPS91.5円)。
- 自己株式
- 自己株式保有比率:約2.69%。新規の自己株買い方針は開示ベースでは不明。
- 株主構成
- インサイダー保有:約37.7%、機関投資家:約17.5%、フロート約1,644万株。浮動株が相対的に少なめ。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落率:-14.33%。足元は安値圏での底値模索の推移。
- 直近10日:770〜785円の狭いレンジで推移、ボラティリティ低め。
- 需給・関心
- 信用買い残が積み上がり、上値では利益確定・整理の影響に留意。出来高は直近やや増加。
11. 総評
- 収益基盤はPB・NPBと全国SC網に支えられ、財務は自己資本比率74%・実質無借金に近い強固な構造。中期では製造・卸とPB強化による粗利の底上げが見込まれる一方、短期は高額・インポートの需要鈍化、在庫の積み上がり、販売費比率の上昇が収益圧迫要因。
- バリュエーションは主要指標で業界平均比低位。一方で、需給(高い信用買い残)や需要トレンドの減速、為替・インバウンド感応度など外部要因のブレに注意が必要。
- 業績計画は据え置き。上期進捗や在庫回転の改善度合い、PB・キャラクター商品の伸長継続が注目点。
(本情報は企業開示等に基づく客観的整理であり、投資判断を目的とした助言ではありません。)
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 3年CAGRは約+12%と拡大、LTMでも微増。ただし直近四半期は減収。
- 収益性:B
- LTM営業利益率約7.7%、EBITDAマージン約8.9%。直近期は利益率低下。
- 財務健全性:S
- 自己資本比率74%、流動比率3.67倍、D/E約4.8%と健全。
- 株価バリュエーション:S
- PER、PBR、EV/S、EV/EBITDAが業界平均比で低位水準。
参考データ
– 年初来高値/安値:987円/750円
– 50日/200日移動平均:798.78円/845.82円
– 予想配当:35円(利回り約4.47%)
– 次回決算想定ウィンドウ:2025/7/30〜8/4
– 権利落ち予定:2026/3/30
企業情報
銘柄コード | 9990 |
企業名 | サックスバー ホールディングス |
URL | http://www.sacs-bar.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 小売 – 小売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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