不二家(2211)企業分析レポート
株価:2,566円(時価総額 661.6億円)/市場:プライム/業種:食料品(菓子)
1. 企業情報
- 概要
- 山崎製パン傘下の菓子大手。主力は「ミルキー」「カントリーマアム」「ホームパイ」「LOOK」などの製菓。直営・FCの不二家洋菓子店(生菓子・ケーキ)やレストラン、飲料(レモンスカッシュ)、キャラクター(ペコちゃん)ライセンスも展開。
- 日本・中国で生産・販売。EC「Family Town」やキャラクターグッズ、ライセンス収入等の周辺事業も保有。
- 事業セグメント(連結・2025年中間)
- 製菓(菓子・飲料):売上69.6%、セグメント利益 42.09億円
- 洋菓子(生菓子・レストラン):売上27.2%、セグメント損失 △9.50億円
- その他(ライセンス・不動産等):売上3.2%、セグメント利益 3.42億円
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内菓子市場で歴史ある全国ブランドを多数保有。山崎製パンの流通網・仕入れ力・製造ノウハウとの補完関係が強み。
- 洋菓子(生菓子)では全国チェーンを展開する数少ないプレイヤーの一角。
- 競争環境・課題
- 競合(明治、森永製菓、江崎グリコ、ロッテ、ブルボン等)と比べ、製菓はブランド力を活用しやすい一方、飲料は価格改定の影響で縮小傾向。
- 生菓子は原材料・人件費・物流費の上昇と人手確保で収益性が圧迫。店舗効率(スクラップ&ビルド)やフォーマット刷新が論点。
- 原材料(特にカカオ、卵、乳製品)価格の変動感応度が高い。PB商品の拡大や消費の節約志向もマージン圧力。
※定量的な市場シェアの公表データは未記載。
3. 経営戦略と重点分野
- 方針・施策(短信等より)
- 製菓:主力ブランドの磨き込み、期間限定・コラボ等の施策強化、コンビニ等のチャネル深耕。中国など海外は景況影響を踏まえつつ新商品投入とスナック参入で回復を図る。
- 飲料:価格改定の影響を踏まえ、収益性重視のポートフォリオ調整。
- 洋菓子:既存店改装、新業態(例:ペコちゃんmilkyドーナツ)、大型イベント出店等で集客強化。店舗数は選別(865店、前年同期比△48店)。
- コスト:原材料・物流・人件費上昇に対して、生産性改善・適正価格政策・SKU精査で対応。
- 通期見通し(2025/12期 会社計画)
- 売上高 1,180億円(+7.3%)、営業利益 25億円(+8.8%)、当期純利益 18億円(+7.6%)、EPS 69.83円。中間進捗は売上48.0%、営業利益48.1%、純利益46.4%と概ね計画線上。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源は製菓(常温・定番ブランド)が柱で、需要安定性は高い。生菓子は季節性・イベント性がある一方、損益ボラティリティが高い。
- コストインフレ環境下での価格・規格改定、生産性向上、チャネルミックス最適化が利益平準化の鍵。
- ペコちゃんのIP/ライセンスは景気感応度が低めの補完的収益源。
- 海外(特に中国)は景況・為替の影響を受けやすく、段階的な展開と商品適合が課題。
5. 技術革新と主力製品
- 主力:ミルキー、カントリーマアム、ホームパイ、LOOK等。限定品・コラボの短期訴求で売上押上げ。
- 生産面ではライン更新や包装技術の改良で歩留まり・品質の改善を志向。飲料は収益性重視でSKU最適化。
- 新業態(例:milkyドーナツ)やイベント出店でブランド体験を拡張。
6. 株価の評価(バリュエーション比較)
- 現在値:2,566円
- 指標
- PER(会社予想):36.75倍(業界平均 19.5倍)
- PBR(実績):1.15倍(業界平均 1.3倍)
- BPS(実績):2,227円 → PBRベースの理論水準に整合(2,227×1.15≒2,561)
- EV/Sales(LTM推計):約0.56倍[EV≒661.6+87.7-114.1=635.3億円、売上1,134.9億円]
- コメント
- PERは業界平均比で高位、PBRはやや低位、EV/Sは低位水準。利益率水準や成長期待、ネットキャッシュなどが指標間の差に現れている。
7. テクニカル分析(短期)
- 価格位置:50日線 2,568円付近、200日線 2,447円。株価は50日線付近・200日線上方で中立〜やや強めの位置取り。
- レンジ:年初来高値 2,655円、安値 2,218円。現値は高値まで約+3.5%。
- モメンタム:直近は2,550〜2,590円での持ち合いが続く出来高3万株前後の小動き。β(5年)0.01と市場連動性は低い傾向。
- 信用需給:信用倍率0.68(売り残>買い残)。直近、売り残の増加が観測され、上値では上値供給も意識されやすい局面。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(単位:百万円)
- 売上高:LTM 113,489(2024年 109,984 → 2023年 105,534 → 2022年 100,614)
- 営業利益:LTM 2,413(2024年 2,299 → 2023年 1,375 → 2022年 4,335)
- 当期純利益:LTM 1,660(2024年 1,672 → 2023年 969 → 2022年 3,376)
- 収益性
- 粗利率:32.9%(LTM)
- 営業利益率:約2.1%(LTM)/中間期も約2.1%
- 純利益率:1.46%(LTM)
- ROE:2.94%(実績)/ROA:1.72%(LTM)
- キャッシュフロー・財務
- 営業CF:+59.1億円(LTM)
- レバードFCF:△21.2億円(LTM、設備投資増加を反映)
- 現金等:114.1億円/有利子負債:87.7億円 → ネットキャッシュ約26億円
- 自己資本比率:64.0%(期末)/流動比率:1.68倍/D/E:約14%
- 方向性
- 売上は緩やかに拡大。コスト高と洋菓子損益の重さで利益率は低位。投資CF増でFCFはマイナスだが、財務安全性は高い。
9. 株主還元と配当方針
- 予想配当:年間30円(配当利回り約1.17%)
- 配当性向:約46.6%(LTM EPSベース)
- 自社株買い:開示上、特段の記載なし
- 持株主体:筆頭株主は山崎製パン(54.38%)。インサイダー保有比率61.65%と高め。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落率:△4.5%(市場平均比で劣後)
- 出来高:3カ月平均約3.2万株、直近10日平均約3.4万株で安定。個人中心で流動性は限定的。
- 影響要因
- 原材料(特にカカオ・卵・乳製品)の価格動向
- 価格改定の進捗と需要の弾力性
- 洋菓子の収益改善(店舗再編・新業態)
- 海外(中国)需要・為替
- グループ内シナジー(山崎製パンの調達・物流)
11. 総評
- 製菓の安定成長が全体を牽引し、売上は堅調。洋菓子はコスト高と店舗効率の課題が残り、連結の利益率は低位にとどまる。
- 財務体質は強固(自己資本比率64%、ネットキャッシュ)で、短期の投資拡大にも耐性がある。
- バリュエーションはPERが業界平均比で高位、PBR・EV/Sは相対的に抑制的と指標間に差。利益率改善の進捗や洋菓子の収益化が評価の焦点。
- 2025年計画への中間進捗は概ね順調。コスト動向とチャネル/商品ミックス最適化の成果が下期の注目点。
(注)本レポートは情報提供を目的とし、投資勧誘・助言を行いません。数値は公表資料・提供データに基づきます。
12. 企業スコア
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上成長率+約3.2%、3年CAGR約+1.6%と緩やか。中間期は+6.6%。
- 収益性:C
- 根拠:粗利率約33%、営業利益率約2%・ROE約3%。食品大手平均と比較して営業利益率・ROEは低位。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率64%、流動比率1.68倍、D/E約14%、ネットキャッシュ保有。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PERは業界平均超、PBRは平均並〜やや低、EV/Sは低位。総合すると中立寄り。
企業情報
銘柄コード | 2211 |
企業名 | 不二家 |
URL | http://www.fujiya-peko.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 食品 – 食料品 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。