地主(3252)企業分析レポート

株価(終値):2,917円(2025-10-17)
時価総額:629億円/配当利回り(予想):3.43%/PER(予想):9.85倍/PBR(実績):1.30倍

1. 企業情報

  • 概要と事業内容
    • 地主株式会社(旧 日本商業開発)は、土地に特化した不動産投資「JINUSHIビジネス」を主力とする不動産会社。
    • 特徴:土地(底地)を取得し、テナントと長期の定期借地契約を締結。建物投資はテナント側が負担するため、同社は建物を保有せず、災害・減価・設備投資負担の影響を受けにくいのが特徴。
    • 収益源:
    • 不動産投資(フロー+ストック):物件売却益・地代収入等(売上の約96%、2024年12月期実績)
    • 不動産賃貸(サブリース等)
    • 資産運用(私募REIT「地主リート」等の運用報酬)
    • 企画・仲介(その他)
    • 本社:東京都千代田区丸の内/設立:2000年/従業員:115名

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 底地・定期借地の組成・売却に特化したニッチ分野でプレゼンス。テナント誘致・スキーム組成に強み。
    • 私募REIT(地主リート)の運用を通じ、パイプラインの循環(取得→運用→売却)が機能。AUM拡大が成長ドライバー。
  • 競争優位と課題
    • 優位性:建物を保有しないため資本効率が比較的高く、自然災害・設備更新リスクの影響が相対的に小さい。テナント(スーパー、ホスピス等)の実需系案件で安定性を志向。
    • 課題:取引はフロー色が強く、期ズレによる業績変動が大きい。金利上昇局面では資金調達コスト上昇。仕入・売却環境(CRE/PRE動向、資産売却需要)への依存度も高い。
  • 市場シェア
    • 定量的なシェアは非開示(–)。不動産サービス大手と比べると専門特化型のプレーヤー。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・戦略
    • 「土地に投資する金融商品化ビジネス(JINUSHIビジネス)」を軸に、売却フローと安定的なフィー・地代のストック収益を併走。
    • 私募REITの資産規模拡大により、安定的な運用報酬(ファンドフィー)を積み上げ、収益のブレを緩和。
  • 中期計画の重点施策
    • 仕入加速:2025年は1~7月で累計700億円の仕入に到達し、年次目標を早期達成。
    • 地主リートのAUM拡大:取得時鑑定評価額ベース2,576億円→短中期3,000億円、早期5,000億円を目標。
    • 期ズレ平準化:下期計上を見込む案件組成を継続、通期ガイダンス(売上700億円、営業益95億円、純益61億円)は据え置き。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • フロー:底地案件の開発・売却による売上・利益が期中に集中(ボラティリティ要因)。
    • ストック:地代収入・サブリース・ファンドフィーで収益の基盤を強化。
  • 持続性評価(観点)
    • ニーズ面:企業のCRE/PRE(保有不動産の最適化)促進、東証の資本効率要請が追い風。
    • 金利環境:調達コスト上昇は利鞘圧迫要因。期ズレ・在庫(水準の高い販売用不動産)の管理が鍵。
    • テナント信用:生活密着型テナント(スーパー等)中心で比較的ディフェンシブだが、与信分散・契約年数・更新条件が重要。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・スキーム
    • 独自性は「建物非保有×長期定借×私募REIT運用」の組み合わせにあり、証券化・ファンド運用の組成力がコアコンピタンス。
  • 主力領域
    • 底地投資案件(実需テナント向け)、地主リート関連の運用ビジネスが収益を牽引。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 現在値:2,917円
  • 指標(会社予想・実績)
    • EPS(予想):296.16円 → PER(予想):9.85倍
    • BPS(実績):2,237.86円 → PBR:1.30倍
    • EV/Sales(LTM概算):約1.89倍(EV≈989億円=時価総額629億円+純有利子負債約352億円)
  • 参考比較(業界平均)
    • 業界平均PER:13.6倍、PBR:1.6倍
    • 相対評価:PER・PBRは業界平均を下回る水準。EV/Sは目安値(業界中央値情報は–)。
  • 参考シナリオ(単純比較)
    • 業界平均PER適用価格:296.16円×13.6倍 ≈ 4,028円
    • 業界平均PBR適用価格:2,237.86円×1.6倍 ≈ 3,581円
    • 注:単純比較であり、成長・収益性・リスク差異は未調整。

7. テクニカル分析

  • トレンド
    • 直近10日:3,080円台から2,900円前後へ下落基調。終値は2,917円。
    • 50日移動平均:2,925円、200日移動平均:2,331円
    • 現在値は50日線付近、200日線上で中期は上昇トレンド、短期はやや調整。
  • 位置
    • 年初来高値:3,150円(現状比 -7%程度)/年初来安値:1,750円(現状比 +67%程度)
    • 高値圏と安値圏の中間~やや上位レンジに位置。
  • 需給
    • 信用買残:78.8万株、信用倍率:25.74倍(買い長)。短期の需給は変動しやすい構造。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益(百万円)
    • 売上高:2021年56,177 → 2022年49,887 → 2023年31,597 → 2024年57,068 → LTM 51,955
    • 営業利益:2021年5,475 → 2022年6,411 → 2023年6,155 → 2024年8,677 → LTM 5,773
    • 当期純利益:2021年3,124 → 2022年3,641 → 2023年4,709 → 2024年6,087 → LTM 3,625
    • コメント:フロー依存により期ズレで変動。LTMでは前年(2024年)比で減益。
  • 収益性(LTM)
    • 粗利率:約20.2%(10,501/51,955)
    • 営業利益率:約11.9%
    • 当期純利益率:約7.0%
    • ROE:8.77%(実績ROE16.03%は2024年基準)/ROA:3.24%
  • キャッシュフロー(LTM)
    • 営業CF:▲14.5億円、レバードFCF:▲48億円(在庫・仕入の影響で変動)
  • 財政状態(直近四半期)
    • 現金:269.9億円/有利子負債:622.1億円 → 純有利子負債:約352億円
    • 自己資本比率:38.6%(短信ベースでは40.1%)
    • 流動比率:1,474%(販売用不動産の比重が高く見かけ上高水準)
    • D/E(Debt/Equity):約134%、Net Debt/EBITDA(概算):約5.8倍、金利負担許容度(EBIT/金利):約7.5倍
  • 四半期動向(2025年上期)
    • 売上:398億円(前年比▲11%)/営業益:40.6億円(▲42%)/純益:27.8億円(▲47%)
    • 通期は下期偏重計画を前提に会社予想据え置き。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 年間配当(予想):100円(中間50円・期末50円、各5円の記念配当含む)
    • 予想配当性向(予想EPSベース):約34%/トレーリング配当性向:57.7%
    • 5年平均利回り:3.23%
  • 自社株
    • 自己株式:4.11%(88.7万株)を保有(継続的な買付の有無は–)。
  • イベント
    • 権利落ち予定日:2025-12-29

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 直近は反落基調(3,100円超から2,900円付近へ)。50日線近辺での攻防。
    • 200日線は上向きで中期は堅調トレンド維持。
  • 投資家関心・材料
    • 私募REITのAUM拡大、仕入進捗、下期の売却計上タイミングが関心事。
    • 金利動向(資金調達コスト)と不動産売買市場の流動性が株価感応度の高い要素。
    • 信用買い長の需給は短期ボラティリティ要因。

11. 総評

  • 地主は「建物を持たない」底地×定期借地モデルと私募REIT運用を組み合わせた独自モデルで、フロー(売却)とストック(地代・フィー)の両輪で収益化する。災害・設備投資リスクを抑えつつも、期ズレ・金利・仕入環境に業績が左右されやすい点が特性。
  • 2025年上期は減益だが、下期偏重の計画と仕入進捗(年次目標を7月に達成)を踏まえ、通期予想は据え置き。私募REITの資産規模拡大が中期的な収益の安定化に寄与。
  • バリュエーションはPER・PBRとも業界平均を下回る水準にあり、足元は50日線付近での持ち合い。短期は需給や金利、案件計上のタイミングに左右されやすい。

12. 企業スコア

  • 成長性:C
    • 根拠:LTM売上成長率は前年(2024年)比で減少(約▲9%)。四半期ベースでも前年比減収減益。フロー特性による変動が大きい。
  • 収益性:B
    • 根拠:LTM営業利益率約12%、純利益率約7%。安定した水準だが、直近は前年より低下。
  • 財務健全性:B
    • 根拠:自己資本比率38.6%、Current Ratio高水準、D/E約134%。在庫・レバレッジ水準は中位。
  • 株価バリュエーション:A
    • 根拠:PER(予想)9.85倍、PBR1.30倍と業界平均(PER13.6倍、PBR1.6倍)を下回る。EV/S約1.9倍は参考値。

参考データ抜粋

  • 通期会社予想(据え置き):売上700億円、営業益95億円、純益61億円、EPS予想295.54~296.16円
  • 重要日程:2025年8月上旬 決算発表ウィンドウ/2025年12月29日 権利落ち予定日
  • 直近株価水準:50日線2,925円、200日線2,331円、年初来高値3,150円・安値1,750円、Beta 0.11(低ボラティリティ)

企業情報

銘柄コード 3252
企業名 地主
URL https://www.jinushi-jp.com/
市場区分 プライム市場
業種 不動産 – 不動産業

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。

投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。

なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。

企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By シャーロット

ジニーは、Smart Stock NotesのAIアシスタントです。膨大なデータとAIの力で、企業や市場の情報をわかりやすくお届けします。投資に役立つ参考情報を提供することで、みなさまが安心して自己判断で投資を考えられるようサポートします。