小野建(7414)企業分析レポート
株価: 1,394円(時価総額: 350.23億円)/取引市場: 東証プライム
1. 企業情報
- 概要: 独立系の鋼材・建設機材専門商社。鋼板(熱延・縞板・酸洗・表面処理等)や異形棒鋼の販売・加工(レベラー・シャー等)、建材販売、工事請負(鉄筋工事・外装工事等)を展開。輸入鋼材の取り扱いに強み。北九州を地盤に全国展開。
- 事業構成(連結、2026年3月期見通しベースの実績内訳に準拠)
- 鉄鋼・建材商品販売: 79%
- 工事請負: 21%
- 不動産賃貸等: 0%
- 拠点・設備: 倉庫・加工センターの増強(福山新倉庫、静岡センター本稼働など)。在庫充実・加工設備強化・配送体制の拡充を推進。
- 従業員: 1,105人、平均年齢38.6歳、平均年収542万円
- 代表者: 小野 剛
- 本社: 北九州市小倉北区
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 鉄鋼流通(一次・二次商社)/建材流通領域の独立系中堅。全国ネットワークと輸入調達、加工機能、工事請負までの一貫対応を持つ。
- 競争優位性
- 調達多様性(輸入材の確保)と全国供給網
- 加工・配送・請負を含むフルライン対応により顧客利便性が高い
- 課題
- 鉄鋼価格の市況変動および建設需要の変動に業績が影響されやすい
- 産業特性としての低マージン構造(薄利多売)
- 人手不足・施工遅延による工事進捗のブレ
- 市場シェア: 定量的な業界内シェアは開示情報からは不明
3. 経営戦略と重点分野
- 方針(短信要約)
- 在庫・加工設備・配送体制の強化による需要回復時の取り込み
- 拠点投資(倉庫・センター等)の継続と効率化(静岡センター本稼働、福山新倉庫など)
- 地域別(九州中国/関西中京/関東東北)での案件獲得と工事大型案件の進捗管理
- 業績見通し(会社計画、2026年3月期)
- 売上高 2,757億円(+1.4%)
- 営業利益 61億円(-10.4%)
- 経常利益 60億円(-13.1%)
- 親会社純利益 40億円(-18.1%)
- 1株利益(EPS)約159.22円
- 中計の数値目標等: 非開示(短信には詳細記載なし)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 鋼材・建材の卸売(在庫回転・価格スプレッド)、加工付加価値、工事請負収益の組み合わせ。サイクル影響は受けやすいが、加工・請負を併用することで利益源の分散を図る。
- 変化対応
- 市況下落局面では在庫評価・粗利率に圧力。加工・配送・請負の強化で単価・稼働の下支えを狙う。
- 輸入調達の活用により仕入多様化とコストコントロールを追求。
- 課題: 運転資本負担(売掛・在庫)、有利子負債水準と減価償却増加による固定費の上昇にはモニタリングが必要。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・設備: レベラー・シャーリング等の鋼板加工設備、センター運営の最適化、物流効率化。独自の先端技術というより、設備投資とオペレーション改善が中心。
- 主力商材・サービス: 熱延・酸洗・表面処理鋼板、縞板、異形棒鋼、建材各種、鉄筋・外装等の工事請負。収益は鋼材・建材販売が中心、工事請負が補完。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提: 株価1,394円、EPS(会社予想)159.55円、BPS 3,892.69円
- 指標
- PER: 8.74倍(業界平均12.1倍を下回る水準)
- PBR: 0.36倍(業界平均1.0倍を下回る水準)
- EV/Sales: 約0.31倍(EV≒845億円、売上≒2,719億円)
- EV/EBITDA: 約7.7倍(EBITDA≒110億円)
- 配当利回り(会社予想): 約4.95%、配当性向 約36%
- コメント: 複数の指標で業界平均比で低めの水準が観測される。利益水準やサイクル感応度、ROE水準が指標に織り込まれている可能性。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均: 1,425円/200日: 1,450円。現値は両移動平均を下回るレンジ。
- 52週レンジ: 1,250〜1,563円。現値は安値比+11.5%、高値比-10.8%付近。
- 直近10日: 1,390〜1,400円近辺での狭いレンジ推移、出来高は3カ月平均(約5.4万株)を下回る日が多い。
- 需給
- 信用買残 352,600株(前週比 +62,200)、信用倍率 20.6倍。買い残偏重の状態。
- 総合所見: 短期は持ち合い基調でモメンタムはやや鈍化。移動平均を下回り、相対的には中立〜弱含みの位置づけ。
8. 財務諸表分析
- 売上推移(百万円)
- 2022: 222,759 → 2023: 262,653 → 2024: 281,933 → 過去12か月: 271,942
- LTM YoY: 約-3.5%、3年CAGR: 約+6.9%
- 収益性(LTM目安)
- 粗利率: 約10%(27,041/271,942)
- 営業利益率: 約2.0%前後(1.9〜2.5%のレンジで推移)
- EBITDAマージン: 約4.0%
- 当期純利益率: 約1.6〜1.8%
- ROE(実績): 5.09%/ROA: 1.72%
- コスト・費用
- 販管費は増加傾向(減価償却増、拠点投資費用等)。営業利益は2022年117.6億→LTM 68.1億と縮小。
- 財務安全性
- 自己資本比率: 47.8%
- 流動比率: 約135%
- 有利子負債: 約550億円/現金約55億円 → ネット有利子負債 約495億円
- Net Debt/EBITDA: 約4.5倍
- 金融費用: 金利負担は漸増(LTM利息費用約23.4億円)。営業外費用の増加が最終利益を圧迫。
- キャッシュフロー: 期中CF計算書は未開示(短信)。運転資本の動向(売掛・在庫)は減少方向だが固定資産は増加。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想
- 2025年3月期実績: 年間69円
- 2026年3月期会社予想: 年間69円(中間34円・期末35円)
- 配当性向: 約36%(目安)
- 自己株式: 発行済の約2.6%(直近期に自己株式取得の増加記載あり)
- 5年平均配当利回り: 約5.33%
- 権利落ち日(予定): 2026/3/30
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 52週で-8.7%(S&P500 +13.8%との比較では相対的に弱い)。Beta 0.21で低ボラティリティ。
- 出来高: 直近は3カ月平均(約5.4万株)並みかやや下回る日が多い。
- 需給面: 信用買い残の積み上がりが続いており、短期の値動きに影響する可能性。
- イベント
- 決算発表想定ウィンドウ: 2025年8月上旬〜中旬実施済
- 次回権利落ち: 2026年3月末予定
11. 総評
- 事業: 鋼材流通に加工・工事を組み合わせたモデル。市況影響は受けるが、在庫・加工・配送・請負の一体運用で需要変動に対応。
- 収益: 直近は販売数量減と市況下落、減価償却増で営業利益率が低下。ROEは5%程度。
- 財務: 自己資本比率約48%、流動比率約135%と財務は安定的。ネット有利子負債はEBITDA比で約4.5倍。
- 株価・指標: PER・PBRともに業界平均より低い水準が観測される一方、短期モメンタムは移動平均下で中立〜弱含み。配当は利回り約5%水準を継続見通し。
- 中期: 拠点・設備投資と加工・物流強化により、需要回復局面での数量取り込みと収益性改善を目指す方針。
(注)本レポートは公開データに基づく客観的な情報整理であり、投資勧誘や特定の投資判断の推奨を目的とするものではありません。数値には出所により差異があるため、最新の公式開示をご確認ください。
12. 企業スコア
- 成長性: B
- 根拠: LTM売上YoYは約-3.5%と減速、一方で3年CAGRは約+6.9%と中期では増加。
- 収益性: B
- 根拠: 粗利率約10%、営業利益率約2%前後、純利1.6〜1.8%。業界特性としての低マージン水準。大幅な乖離を示す比較データは未入手。
- 財務健全性: A
- 根拠: 自己資本比率約48%、流動比率約135%、D/E(有利子負債/自己資本)約0.56倍。Net Debt/EBITDAは約4.5倍だが総合的には良好。
- 株価バリュエーション: A
- 根拠: PER 8.74倍(業界平均12.1倍比で低位)、PBR 0.36倍(同1.0倍比で低位)、配当利回り約5%。EV/EBITDAは約7.7倍。
データハイライト
– EPS(会社予想): 159.55円/BPS: 3,892.69円
– ROE: 5.09%/ROA: 1.72%
– 50日/200日MA: 1,425円/1,450円
– 信用倍率: 20.62倍(買い残偏重)
– 予想配当利回り: 約4.95%(配当性向約36%)
企業情報
銘柄コード | 7414 |
企業名 | 小野建 |
URL | http://www.onoken.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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