東建コーポレーション(1766)企業分析レポート

株価:14,130円(2025-10-17終値)/時価総額:約1,903億円

1. 企業情報

  • 概要:賃貸住宅の建設請負を軸に、サブリース・賃貸管理・仲介まで一貫で展開。地主向けに賃貸経営を提案し、建設から入居者募集・運営・更新までをグループで提供。子会社で住宅設備・建材や与信(融資関連)・インターネット広告、ホテル・ゴルフ場運営等も手がける。
  • 事業構成(2025/4 期・連結):建設 41%(営業利益率約10%)、不動産賃貸 58%(同約7%)、その他 1%(同約3%)
  • 強み:一気通貫型モデル(施工・管理・仲介)と高水準の稼働(入居率97.8%、2026/4期1Q末)。名古屋本社を拠点に全国展開。
  • 最近のトピック(2026/4期1Q):売上高934.8億円(前年比+5.0%)、営業利益56.1億円(+8.6%)、純利益42.2億円(+19.8%)

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:賃貸住宅の「請負+サブリース・管理」の大手。主要競合は大東建託系、積水・大和ハウス系など。地域地主向けに強み。
  • 競争優位性:
    • 一貫モデルによる提案力・運営ノウハウ、入居率の高さ
    • 価格改定・仕様見直し等で資材・労務費上昇への対応を継続
    • 受注残の積み上がり(単体受注残 2,384億円、+11.3%)で先行きの可視性向上
  • 課題:
    • 住宅着工の減少(業界全体の需要鈍化)とコスト上昇圧力
    • サブリースの賃料保証・長期契約に伴うリスク管理
    • 競合による地主・法人顧客獲得競争の激化
  • 市場シェア:定量データは未開示(大手グループの一角と推定)

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・基本方針:安定的な賃貸経営プラットフォームの提供と収益性の確保。受注の質向上と管理戸数増加でストック収益を強化。
  • 重点施策(短信・開示より)
    • 建設:価格改定後物件の比率増で完成工事総利益率を改善。受注増(1Q:+12.1%)と受注残積み上げ。
    • 不動産賃貸:高稼働維持(入居率97.8%)、管理物件数拡大で賃料・管理収入を伸長。
    • コスト対応:資材・労務費の上昇に対して仕様・価格見直し、標準化で原価抑制。
    • デジタル/広告:インターネット広告・仲介ネットワークで集客効率の改善。
  • 通期見通し(26/4期、変更なし)
    • 売上高 3,868億円(+5.5%)
    • 営業利益 211億円(-5.1%)
    • 純利益 147億円(-7.1%)、EPS 1,090.8円
    • 期中は「受注→完成」への転換進捗を見極める姿勢

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:
    • 建設(フロー):請負工事の完成・引渡しで売上計上。マージンは市況・コスト転嫁状況に影響。
    • 賃貸(ストック):サブリース・管理による安定収益。入居率・家賃水準・管理戸数に依存。
  • 持続性の観点:
    • 管理ストック拡大で景気変動耐性を補完。高稼働の維持が鍵。
    • コスト上昇局面では価格転嫁・設計標準化・調達力が収益性を左右。
    • 法規制(省エネ基準強化等)への適合は新規受注の商機とコスト要因の両面。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・運営:
    • 標準化・工期短縮・建材内製の活用で原価低減・品質安定を図る。
    • 省エネ基準対応や設備仕様のアップデートで競争力確保。
    • デジタル広告・仲介DXでリーシング効率化。
  • 主力領域:
    • 賃貸アパート・マンションの請負・完成工事
    • サブリース・賃貸管理(家賃・管理料収入が収益を牽引)

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 現在値:14,130円
  • 予想EPS:1,090.77円 → 予想PER 12.95倍(業界平均 14.0倍 ≒ ややディスカウント)
  • 実績BPS:9,932.87円 → 実績PBR 1.42倍(業界平均 1.1倍 ≒ プレミアム)
  • 配当:予想360円、配当利回り 2.55%、配当性向 約28%(5年平均利回り 2.67%)
  • 補足:
    • トレーリングEPS 1,174.2円 → 実績PER 約12.0倍
    • 強固な自己資本比率と多めの現金保有(現金同等物 約1,268億円、当1Q末)が評価の下支え要因。

7. テクニカル分析

  • 直近株価レンジ(10営業日):14,040〜14,460円中心のもみ合い→10/17終値 14,130円
  • 移動平均:50日線 14,518円(下回り)、200日線 13,471円(上回り)→ 中期は調整、長期は上昇基調維持
  • 位置:年初来高値 15,200円から約-7%、年初来安値 11,620円・52週安値 10,260円は上回る → 中位圏
  • 出来高:3カ月平均 15.7千株に対し直近やや軽め

8. 財務諸表分析

  • 売上推移(連結)
    • 2022/4:3,116億円
    • 2023/4:3,168億円
    • 2024/4:3,408億円
    • 過去12か月(〜2025/4):3,666億円(YoY +7.6%、3年CAGR 約+5.6%)
  • 収益性(〜2025/4 LTM)
    • 粗利率 約17.3%(635億円/3,666億円)
    • 営業利益率 約6.1%(223億円)
    • EBITDAマージン 約6.7%(244億円)
    • 当期純利益 158億円、純利率 約4.3%
    • ROE 実績 12.36%(LTM参考 12.9%)、ROA 約6.7%
  • 安全性
    • 自己資本比率 58.5%(2025/4実績)→ 60.1%(2025/7末)
    • 流動比率 約235%(2025/7末)
    • 負債/純資産 ≒ 0.67倍(2025/7末、D/E目安)
    • 現金同等物 約1,268億円と流動性は厚い(季節性・前受金性の資金性質に留意)
  • トレンド
    • 2023/4期を底に売上・利益が改善基調。1Q時点で粗利率・営業利益率が前年同期から小幅改善。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:前期実績 330円 → 今期予想 360円(増配計画)
  • 配当性向:目安 約28%(予想ベース)
  • 自社株買い:自己株式比率 0.21%と限定的(直近で大規模な買い付け情報はなし)
  • 参考:インサイダー持分 65.2%、機関保有 10.9% → 流通株は相対的に少なめ

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 52週騰落:+32.2%、ベータ 0.41(ボラティリティ低め)
  • 信用動向:信用倍率 0.72倍(売り残 > 買い残)。短期的には戻り待ち・ヘッジの影響が出やすい構図。
  • 需給・関心に影響する要因
    • 受注・受注残の推移、完成工事への転換ペース
    • 入居率・賃料水準、管理戸数の伸長
    • 資材・労務費動向と価格転嫁(粗利率)
    • 住宅着工・省エネ規制等の政策・需給環境
    • 配当・株主還元方針の変更有無
  • 直近1Qは増収増益、通期予想は据え置きで保守的なガイダンスを維持

11. 総評

  • 建設(フロー)+賃貸(ストック)の組み合わせで、景気感応度を抑えつつ成長を継続。入居率は高水準で、管理収益の安定性が強み。
  • コスト上昇環境下でも、価格改定・標準化で粗利率を改善し、受注残も増加。今後は受注から完成への転換速度と追加の価格転嫁が収益に影響。
  • 財務は健全(自己資本比率60%前後、流動比率>200%、現金水準厚め)。配当は増配計画で還元姿勢は堅実。
  • バリュエーションはPERで業界平均比やや割安、PBRではややプレミアム。安定性とストック収益の評価がPBRに反映されている可能性。
  • テクニカルは200日線上・50日線下の中位圏でもみ合い。業績進捗と原価動向、需給(信用売残)に注目。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • 直近売上YoY +7.6%、3年CAGR 約+5.6%。1Qも売上+5.0%、受注・受注残増で先行きの視認性あり。
  • 収益性:B
    • 営業利益率 約6〜6.5%、粗利率 約17%。建設×賃貸のミックスとしては中位水準。
  • 財務健全性:A
    • 自己資本比率 約60%、流動比率 約235%、D/E ≒ 0.67、現金水準厚め。
  • 株価バリュエーション:B
    • 予想PER 12.95倍(業界平均14倍比やや割安)、PBR 1.42倍(同1.1倍比やや割高)→総合では中立。

【補足データ(主な数値)】
– LTM売上高:3,666億円/営業利益:223億円/純利益:158億円
– 2026/4期1Q:売上 934.8億円、営業利益 56.1億円、純利益 42.2億円
– ROE:12.36%(実績)、自己資本比率:58.5%(実績)→60.1%(25/7末)
– 予想配当:360円(利回り2.55%)、Ex-Dividend:2026/4/28予定
– 50日線:14,518円、200日線:13,470円、年初来高値:15,200円、年初来安値:11,620円(52週安値:10,260円)


企業情報

銘柄コード 1766
企業名 東建コーポレーション
URL http://www.token.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – 建設業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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