7226 極東開発工業 分析レポート
株価: 2,636円(2025-10-17終値)
市場区分: 東証プライム/輸送用機器(17業種:自動車・輸送機)
時価総額: 1,058億円
1. 企業情報
- 事業概要
- 特装車の総合首位。建設向け(ダンプ・コンクリートポンプ・ミキサー等)、物流・環境向け(ごみ収集車、テールゲートリフター、タンク車、車両運搬車、コンテナキャリア等)に強み。
- 環境装置(破砕機、RDFシステム等)や立体駐車装置・コインパーキング運営も展開。
- 連結事業構成(2025.3):特装車85%(OPM 4%)、環境10%(OPM 20%)、パーキング5%(OPM 10%)。
- 基本データ
- 本社:大阪市中央区淡路町2-5-11/設立:1955年
- 従業員:3,530人、平均年齢42.0歳、平均年収680万円
- 代表者:布原 達也
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内特装車分野の総合首位。コンクリートポンプ車、粉粒体運搬車、トレーラー等のニッチ領域で高い競争力。
- 競争優位性
- 多品種少量の設計・架装力、国内サービス網、自治体・建設業向けの長期関係、ストック型保守の蓄積。
- 課題
- サイクル要因(公共投資、建設・物流需要)への感応度。
- 原材料・シャシ供給の変動、規制・認証対応コスト、価格転嫁のタイムラグ。
- 公取委関連の独禁法手続きに伴う一時的費用・不確実性。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画(Creating The Future As One Ⅱ:2025–2027)
- 高付加価値化(製品価格改定、製品ミックス改善)
- 生産性向上(部品センター再編、海外拠点整備、テクニカルセンター新設)
- 電動化・環境対応(BEV向けe-パッカー投入、バイオマス・RDF等の環境プラント)
- ストックビジネス強化(保守・更新、駐車場運営、EV充電サービス「Charge‑mo」)
- 資本政策の検討(自己株活用、株主還元方針の継続)
- 2026年3月期1Qの実行例
- 特装車の価格改定・生産性改善、EV対応製品発売、海外子会社整備。
- 環境でのバイオマス案件受注・竣工、メンテ受託強化。
- パーキングでの更新・保守中心、稼働率改善とEV充電拡大。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 製品販売(特装車・装置)+ライフサイクル保守・更新(ストック収益)。
- パーキングは運営・保守・更新により粘着性が高い。
- 構造的支え
- 社会インフラ・廃棄物処理・建設需要に根ざす堅調な需要基盤。
- 電動化・環境規制強化は新製品需要や更新需要を喚起。
- リスクへの適応
- 価格改定と生産性改善でコスト変動に対応。部品センター再編やサプライチェーン整備を進行。
- 規制リスク(独禁法)は一時的損失を計上、見積りは今後変動可能性あり。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・製品
- 高圧・大容量コンクリートポンプ、BEV対応ごみ収集車「e-パッカー」、RDF・破砕等の環境プラント。
- 立体駐車装置のリニューアル・保守、EV充電連携サービス。
- 特徴
- ニッチ領域での設計・架装技術と信頼性、アフターサービスの蓄積が差別化要因。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 参考指標(現在値ベース)
- 株価: 2,636円、時価総額: 約1,058億円
- 予想EPS: 68.85円 → 予想PER: 38.3倍(提供データ)
- LTM EPS: 151.74円 → LTM PER: 約17.4倍
- BPS: 2,791円 → PBR: 0.94倍
- 配当: 140円(会社予想)→ 配当利回り: 5.31%
- EV/EBITDA(概算): EV≒1,188億円、EBITDA 112.6~132.2億円 → 約9.0~10.6倍
- 業界平均との比較(参考)
- 業界平均PER 13.3倍、PBR 0.8倍に対し、PERは会社予想ベースで高め、PBRはやや高め~同水準。
- なお、予想EPSは独禁法関連の一時損失影響を含むため、LTM水準と乖離。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日線: 2,718円 > 現在値 2,636円(短期はやや弱含み)
- 200日線: 2,546円 < 現在値 2,636円(中期は上向き維持)
- 位置
- 52週高値 2,835円まで-7%、安値 1,954円から+35%:レンジ中腹~やや上段。
- 直近の値動き・需給
- 直近10日で緩やかな戻り売り基調(高値・終値とも切り下がり)。
- 出来高は3カ月平均並み。信用倍率31.4倍と信用買い偏重で、イベント時のボラティリティに注意。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益推移(連結)
- 売上高:116,910(2022)→113,089(2023)→128,026(2024)→140,449(2025/LTM)
- 営業利益:6,974 → 992 → 4,825 → 6,656
- 当期純利益:14,274 → 3,580 → 3,501 → 5,820(単位:百万円)
- 収益性
- 粗利率:17.6%(2025/LTM)、営業利益率:4.7%(同)
- ROE:4.99%(実績)、ROA:2.4%(LTM)
- 一過性損益の影響大(2026/1Qに独禁法関連引当金5,924百万円を特損計上)。
- キャッシュ創出力
- EBITDA:132億円(2025/LTM)、減価償却42.9億円。
- 安全性
- 自己資本比率:61.8%(前期末)→ 59.4%(2026/1Q末)
- 流動比率:1.68倍、有利子負債:約298.9億円、ネットD/Eは低位~中位。
- 2026年3月期1Q
- 売上+16.9%、営業利益+3.8%と増収増益だが、特損計上で純損失計上。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年3月期:年間158円
- 2026年3月期(会社予想):年間140円(中間70円・期末70円)
- 予想配当利回り:5.31%
- 配当性向:提供データでは104%(トレーリング)。予想EPS68.84円に対する年間140円は一時的に高水準となる見込み(会社は通期予想維持)。
- 自社株
- 自己株式比率:4.31%。報酬目的での自己株処分の開示あり。継続的な自己株買いの明示はなし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落率:+3.94%。ベータ0.50で指数連動性は低め。
- 直近は短期調整色、200日線上を維持するレンジ推移。
- 関心材料
- 公取委の独禁法手続き進展(課徴金等の確定額)。
- 建設・物流・自治体向け需要、価格改定の浸透、EV・環境関連の案件獲得。
- 次回決算・見通し維持可否(Earnings Date: 2025-08-05〜12予定と記載)。
11. 総評
- 需要基盤はインフラ・環境・物流に根ざし、特装車の首位ポジションとストック収益が安定性を支える。価格改定や生産性向上で収益性は回復基調。
- 2026年3月期1Qの特別損失計上によりEPS予想が一時的に低下、予想PERは高く見える一方、PBRは1倍割れ水準。独禁法関連の最終影響と、その後の正常化が評価のカギ。
- 技術面ではBEV対応や環境プラント、パーキング×EV充電など構造成長領域を押さえる。中計の施策は進行中。
- テクニカルは中立圏。信用買い偏重のため、イベント時の需給変動に留意が必要。
(本資料は公開データに基づく客観的整理であり、投資判断を目的とした助言ではありません。)
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- LTM売上YoY +9.7%、1Q売上+16.9%、過去3年CAGR約+6%台と堅調。
- 収益性:B
- 粗利率17~18%、営業利益率4~5%。業界水準比で中位、回復途上。
- 財務健全性:A
- 自己資本比率59~62%、流動比率1.68倍、D/E 27.6%と健全。
- 株価バリュエーション:C
- 予想PERは業界平均を上回る水準。PBRは0.94倍で平均近辺。EV/EBITDAは9〜11倍台。なお、一過性損失影響を除くLTM基準では中立寄り。
企業情報
銘柄コード | 7226 |
企業名 | 極東開発工業 |
URL | http://www.kyokuto.com/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 自動車・輸送機 – 輸送用機器 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。