紀文食品(2933)企業分析レポート
株価:1,102円(2025-10-17終値)/市場区分:東証プライム/時価総額:約251億円
1. 企業情報
- 概要:水産練り製品(カニ風味かまぼこ、はんぺん、ちくわ、おでん種など)と惣菜・玉子加工品、珍味等の加工食品を国内外で製造・販売。自社ECや流通を通じて展開。創業1938年、本社は東京都中央区。
- 特徴:正月・冬季商戦に売上・利益が偏重(下期偏重)。マルハニチロと資本業務提携。
- 事業構成(連結):国内食品71%、海外食品11%、食品関連(物流等)18%。海外売上比率約11%(2025/3期)。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:練り製品で高いブランド認知を持つ老舗。国内の簡便調理・総菜分野でも展開。
- 競争環境:
- 価格競争:原材料(冷凍すり身)やエネルギー・物流コスト上昇を販売価格へ転嫁できるかが収益の鍵。
- ブランド・開発力:食感・品質の差別化、簡便・高たんぱく等の健康訴求が優位性に。
- 課題:原材料価格と為替の変動、少子高齢化による需要の質的変化、プライベートブランドとの競合。
- 市場シェア:公表値は不明。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略(中期経営計画2026の継続)
- 既存事業の確実な成長(主力カテゴリーの深耕、付加価値商品の拡充)
- 事業領域の拡大(海外の高付加価値品強化、物流関連の収益化)
- 資本効率の改善(収益力回復と運転資本効率化)
- 経営基盤の整備(自働化・共同配送などの効率化)
- 直近期の施策(短信より)
- 秋冬商戦からの商品価格改定(原材料高・コスト上昇への対応)
- 物流での価格改定・積載率向上、自働化推進
- 海外(米国・中国)での付加価値カニカマ等の販売拡大
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:ブランド力ある定番品+季節性商材(おせち・冬季商戦)。物流関連を含む周辺事業で安定化。
- 適応力:
- 強み:ブランド認知、商品開発力、海外での高付加価値品の伸長、物流事業の増益基調。
- リスク:原材料(すり身)価格・為替の変動、季節性による業績の振れ、価格転嫁の遅れ。
- 総論:需要は底堅い一方、コスト環境次第で利益変動が大きく、価格改定と効率化の継続が重要。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:練り製品の食感・品質を左右する配合・製法、冷凍・チルド流通の知見。健康志向(高たんぱく・低脂質)や簡便性の付加価値化。
- 収益牽引:
- 国内:カニカマ・おでん種・中華惣菜等の数量増(原材料高で採算は圧迫)
- 海外:米国・中国での付加価値カニカマの伸長(セグメント利益増)
- 物流:新規顧客・効率化で増益
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 予想EPS:131.41円、BPS:876.05円
- 指標比較(現株価1,102円)
- PER(予想):8.39倍(業界平均19.5倍)
- PBR(実績):1.26倍(業界平均1.3倍)
- 参考EV/EBITDA(概算):約6.6倍[EV≒431億円=時価総額251億+ネット有利子負債約179億、EBITDA LTM約65.7億円]
- P/S(LTM):約0.23倍
- 参考試算(単純比較)
- 業界平均PER適用:131.41円×19.5=約2,560円相当
- 業界平均PBR適用:876.05円×1.3=約1,139円相当
- 補足:PERは利益水準と季節性・一過性の影響を受けます。上記は参考指標であり、投資判断を意図しません。
7. テクニカル分析
- トレンド位置:終値1,102円は
- 50日移動平均(約1,152円)を下回り
- 200日移動平均(約1,095円)を僅かに上回る水準
- 52週レンジ:978〜1,224円の中位付近(下限から約+13%)
- 直近10日:1,100〜1,130円の狭いレンジで小動き、出来高は3カ月平均(約7.4万株)を下回る
- 評価:短期は弱含み(50日線下)、中期は200日線近辺で中立。ボラティリティは低め(β0.39)。
8. 財務諸表分析
- 損益(連結、百万円)
- 売上高:LTM 108,912(2024/3期 106,516、2023/3期 105,692、2022/3期 99,203)
- 営業利益:LTM 4,513(営業利益率 約4.1%)、当1Qの営業利益率 約1.45%(季節性・原材料高影響)
- 親会社純利益:LTM 2,588(純利益率 約2.4%)
- 粗利率:LTM 約23.1%
- EBITDA:LTM 約6,566(EBITDAマージン 約6.0%)
- 四半期(2026/3期1Q)
- 売上+7.6%、営業益▲20.3%、純益▲79.2%。国内食品は赤字転化、海外・物流は増益。
- 安全性・効率性(2025/6末)
- 自己資本比率:28.4〜28.7%
- 流動比率:約110%
- 総資産回転率(1Q年換算なしの参考):0.35(四半期ベース)
- 有利子負債:約2,377億円?→注)単位は百万円表記のため23,770百万円(約238億円)
- 現金同等物:5,848百万円(約58億円)
- ネットデット:概ね179億円、ND/EBITDA ≒ 2.7倍
- 金利負担:支払利息LTM約5.9億円、EBIT/利息カバレッジ≒約7.9倍
- 備考:1Qは現金減少・在庫増。季節性(下期偏重)を考慮。
9. 株主還元と配当方針
- 会社予想配当:年間23.5円(期末のみ、配当利回り約2.13%)
- 配当性向(予想):約17.6%
- 直近実績:前年は年間20円
- 自社株買い:開示情報上は不明
- 権利落ち日:2026/3/30(予定)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 信用動向:信用買残 5.5万株(前週比+9,300)、信用売残 4.24万株(前週比▲18,800)、信用倍率1.30倍
- 解釈:売り方の買い戻しと買い方の積み上がりで、足元は中立〜やや強含みの需給に改善。
- 52週変化率:▲0.54%でほぼ横ばい。出来高は直近減少傾向。
11. 総評
- 売上は緩やかに成長(LTM YoY約+2〜3%、1Q+7.6%)。一方、原材料高・為替影響で採算は変動しやすく、1Qの利益率は低下。
- 海外と物流は増益でポートフォリオの多角化が進展。国内食品は価格改定と秋冬商戦での回復が焦点。
- 財務健全性は自己資本比率約28%、流動比率約110%と中位。ネットデット/EBITDA約2.7倍、利払い余力は一定。
- バリュエーションはPERが業界平均を大きく下回り、PBRは概ね平均並み〜やや下。季節性と原材料動向を織り込む必要。
- テクニカルは50日線下・200日線上で短期は弱含みながら、中期は中立圏。出来高は低め。
12. 企業スコア
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上YoY約+2〜3%、3年CAGR約+3%、直近1Q売上+7.6%。
- 収益性:B
- 根拠:LTM営業利益率約4.1%、EBITDAマージン約6%、粗利率約23%。1Qは季節性・コスト高で低下。
- 財務健全性:C
- 根拠:自己資本比率約28%、流動比率約110%、D/E(有利子負債/自己資本)相当指標約116%、ND/EBITDA約2.7倍。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PER8.39倍(業界平均19.5倍を大きく下回る)、PBR1.26倍(平均並み)、EV/EBITDA概算約6.6倍、EV/S約0.40倍。
【補足データ(抜粋)】
– 年初来高値/安値:1,224円 / 978円
– ROE(実績):13.10%、ROA(LTM):約3.9%
– 重要イベント:2026-03-30 権利落ち(予定)
– 主要株主:公益財団法人紀文・保芦記念財団(15.91%)、マルハニチロ(9.9%)ほか
企業情報
銘柄コード | 2933 |
企業名 | 紀文食品 |
URL | https://www.kibun.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 食品 – 食料品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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