1. 企業情報

株式会社DTSは、1972年設立の独立系情報サービス業大手です。主な事業内容として、システムインテグレーションサービスを日本国内で提供しており、特に金融機関や通信事業者向けのソフトウェア開発に強みを持っています。
同社の事業は大きく3つのセグメントに分かれます(2025年3月期実績):
* 業務&ソリューション (42%): 公共向けシステム開発、銀行のモダナイゼーション(システム刷新)などが含まれます。
* テクノロジー&ソリューション (34%): クラウド基盤関連、基幹システム刷新、製造業向けソリューションなどを提供します。
* プラットフォーム&サービス (24%): システム運用・基盤構築、ハードウェア販売、運用サービス(ReSMなど)を手掛けています。

従業員数は連結で6,361名、平均年齢は39.6歳、平均年収は643万円です。

2. 業界のポジションと市場シェア

DTSは、情報サービス業界において大手の一角を占め、特に金融・通信分野で強い顧客基盤と技術力を有しています。独立系の企業であるため、特定のハードウェアベンダーやソフトウェアベンダーに依存せず、顧客にとって最適なソリューションを提供できる点が競争優位性の一つです。
市場全体としては、企業のIT投資は情報系・顧客接点系へのシフト、データドリブン経営、クラウドシフト、AI活用といったトレンドが加速しており、DTSはこれらのニーズに対応するサービス領域(クラウド、データ、セキュリティ、Enterprise Application Services、IoT、AIなど)を強化することで、市場での競争力を維持・向上させています。具体的な市場シェアの数値に関するデータは提供されていません。

3. 経営戦略と重点分野

DTSは中期経営計画「Vision 2030 の 2nd Stage(2025–2027)」を推進しています。この計画は以下の3つの柱で構成されています。
フォーカスビジネスの進化と堅守ビジネスの深化: 成長が期待される領域を「集中投資領域」と「先行投資領域」に分け、投資を加速させています。
* 集中投資領域(5領域): クラウド&モダナイゼーション、データ活用、セキュリティ&マネージドサービス、Enterprise Application Services、IoT&エッジ
* 先行投資領域: AI・生成AI、CX(顧客体験)など
* 目標として、2028年3月期までにフォーカスビジネス比率57%を目指しており、直近の第1四半期では60.7%と計画を上回る進捗を見せています。
戦略的アライアンスの実行: 他社との協業を通じて、提供価値の向上を図ります。
グループ経営基盤の強化: 基盤として人的資本投資やガバナンス強化を進め、生成AIビジネス推進室の新設なども行っています。

特に生成AI関連では、2030年度に100億円の売上目標を掲げ、将来の成長ドライバーとして位置付けています。

4. 事業モデルの持続可能性

DTSの事業モデルは、システムインテグレーションを中核とし、顧客のITシステム開発から運用・保守まで一貫して支援することで収益を上げています。このモデルは、企業のIT投資が継続的に行われる限り安定した需要が見込めます。
市場ニーズの変化に対しては、中期経営計画で掲げた「フォーカスビジネス」を通じて積極的に適応しようとしています。特に、クラウド、データ活用、AIといった成長分野への集中投資は、今後の市場変化に対応し、持続的な成長を可能にするための重要な要素です。長年の実績と多岐にわたる顧客基盤、独立系の強みを活かし、特定の産業や技術トレンドの変化に柔軟に対応できる体制を構築しようとしています。

5. 技術革新と主力製品

DTSは多岐にわたる製品とサービスを提供しています。技術開発においては、オープン・Web系の技術力強化とともに、最新のテクノロジーへの投資を進めています。
主力製品・サービスの一例として以下のものがあります。
* クラウド移行・活用: Amazon Workspace, Snowflakeなどのデータ活用プラットフォーム。
* ノーコード・ローコード開発: ASTERIA Warp (データ連携), Unifinity (モバイルアプリ), Outsystems (AI powered low-code platform)
* 基幹システム・ERP: intra-mart, mcframe (グローバルSCM), SAP製品の導入支援。
* セキュリティ・運用: ReSM (運用サービス), AMLion (アンチマネーロンダリングソフト), RiskRecon by Mastercard (サイバーリスク評価), PCI DSS対応。
* AI・データ活用: DAVinCI LABS, Geminiot (AIベースBI), Pasteriot.mi (製造データ活用), DataStudio@WEB。
* その他: SkyPDF (ペーパーレス), TRM labs (暗号資産追跡・管理ツール)など。

金融・通信分野で培った知見を活かしつつ、DX推進やAI活用といった新たなニーズに対応するソリューション開発に注力している点が特徴です。

6. 株価の評価

現在の株価1,268.0円に対し、各種指標は以下の通りです。
* EPS(会社予想): 68.52円(2026年3月期通期予想、株式分割考慮後)
* PER(会社予想): 18.50倍 (1,268.0円 ÷ 68.52円)
* BPS(実績): 349.56円(直近四半期)
* PBR(実績): 3.63倍 (1,268.0円 ÷ 349.56円)

業界平均と比較すると、
* 業界平均PER: 23.2倍
* 業界平均PBR: 2.3倍

DTSのPERは業界平均と比べて割安な水準にあります。一方、PBRは業界平均よりも割高です。これはDTSが高いROE(過去12か月: 19.18%)を維持していることの反映と解釈される場合があります。

7. テクニカル分析

DTSの株価は、年初来安値851円から年初来高値1,352円まで上昇しました。直近の株価1,268.0円は、年初来高値からは約-6.2%の下落ですが、年初来安値からは約+49.0%の上昇となります。
移動平均線を見ると、現在の株価1,268.0円は50日移動平均線(1,296.21円)を下回っています。しかし、200日移動平均線(1,167.31円)は上回っており、中期的な上昇トレンドは継続している可能性があります。直近10日間の株価推移では、10月8日の1,339円をピークに、やや軟調な動きとなっており、短期的には調整局面にあると見られます。

8. 財務諸表分析

売上高:
過去数年間で堅調な成長を続けています。
* 2022年3月期: 94,452百万円
* 2023年3月期: 106,132百万円 (+12.4%)
* 2024年3月期: 115,727百万円 (+9.0%)
* 過去12か月実績: 125,908百万円 (+8.8%)

直近の2026年3月期第1四半期も売上高32,908百万円(前年同期比+13.9%)と二桁成長を維持しており、通期予想(+7.2%)に対して順調な滑り出しです。
利益:
* 売上総利益 (過去12か月): 28,370百万円
* 営業利益 (過去12か月): 14,493百万円
* 純利益 (過去12か月): 10,635百万円

2024年3月期は純利益が一時的に減少しましたが、これはおそらく非経常的な要因(ただし、提供データから詳細な要因は不明)による可能性があり、過去12か月および直近の第1四半期では純利益が大幅に改善しています(前年同期比+32.1%)。
収益性指標:
* 粗利率 (LTM): 22.53%
* 営業利益率 (過去12か月): 11.40%
* ROE (実績): 17.68% (過去12か月): 19.18%
* ROA (過去12か月): 12.35%

これらの利益率は、情報サービス業として良好な水準を示しており、高い収益性を維持しています。
財務健全性:
* 自己資本比率 (実績): 72.2% (直近四半期: 74.6%)
* 流動比率 (直近四半期): 3.06倍

自己資本比率が非常に高く、流動比率も3倍以上と、財務基盤は極めて堅固です。負債が非常に少ないことから、財務健全性は非常に高いと評価できます。
キャッシュフロー:
四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されていませんが、現金及び預金は直近四半期で25,278百万円を保有しています。

9. 株主還元と配当方針

DTSは安定的な株主還元を目指しています。
* 配当利回り(会社予想): 2.76%
* 1株配当(会社予想): 35.00円(株式分割考慮後)
* 配当性向(実績): 50.04%

2026年3月期の配当予想は、株式分割(1株を4株に分割)を考慮すると、中間配当60.00円、期末配当20.00円です。分割前の年間配当は140円相当とされ、前年度(127円)から増配基調です。
また、DTSは自社株買いによる株主還元も積極的に実施しており、決算短信には約25億円の自己株式取得・消却を行った記載があります。これは、資本効率の向上と1株当たり価値の向上に寄与する施策です。

10. 株価モメンタムと投資家関心

DTSの株価は、過去52週間でS&P 500の騰落率(+13.84%)を大きく上回る+28.57%を記録しており、市場全体をアウトパフォームしてきました。しかし、直近10日間の株価はやや調整局面に入っており、高値圏から下落するモメンタムが見られます。
信用倍率は1.49倍と、買い残が売り残を上回る状況です。平均出来高(3ヶ月35.5万株、10日34.5万株)は比較的安定しており、強い売り圧力や極端な買い意欲が見られる状況ではありません。今後の決算発表(11月5日)や中期経営計画の進捗、IT投資トレンドが株価に影響を与える要因と考えられます。監査リスクに関する注記も短期的な不透明感を生む可能性があります。

11. 総評

株式会社DTSは、情報サービス業大手として、金融・通信分野を中心に安定的なシステムインテグレーション事業を展開しています。中期経営計画「Vision 2030」に基づき、クラウド移行、データ活用、AIなどの成長分野に経営資源を集中投入しており、事業構造の変革と持続的な成長を目指しています。
財務面では、高い自己資本比率と潤沢な流動性を持ち、極めて堅実な財務基盤を築いています。収益性も高く、ROEも高水準を維持しています。株主還元にも積極的で、増配基調に加え、自社株買いも実施しています。
株価評価においては、PERは業界平均を下回る水準で割安感がある一方、PBRは業界平均を上回っています。これは高い収益性と成長期待の反映と見られます。直近の株価は高値圏からやや調整していますが、中期的な移動平均線は上向きであり、堅調な財務と成長戦略が評価されています。ただし、一部海外子会社における不適切支払いのリスクに関する注記には留意が必要です。

12. 企業スコア

  • 成長性: A
    • LTM売上成長率約8.8%、3年CAGR約10%と堅調な成長を続けており、直近四半期も売上高+13.9%と二桁成長。中期経営計画で成長戦略を明確に打ち出しています。
  • 収益性: A
    • 過去12か月営業利益率11.40%、ROE19.18%と高い水準を維持しており、情報サービス業として良好な収益性を有しています。直近四半期も営業利益率11.4%を維持しています。
  • 財務健全性: S
    • 自己資本比率72.2%(直近四半期74.6%)、流動比率3.06倍と、極めて強固な財務体質を誇ります。負債も少なく、非常に健全な状況です。
  • 株価バリュエーション: A
    • PER(会社予想)18.50倍は業界平均23.2倍と比較して割安な水準にあります。PBR(実績)3.62倍は業界平均2.3倍より割高ですが、これは高いROEに裏付けられていると考えられます。総合的に見て割安感が強いと評価します。

企業情報

銘柄コード 9682
企業名 DTS
URL http://www.dts.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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By ジニー

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