1. 企業情報

  • 概要:リチウムイオン二次電池向けセパレーターの専業メーカー。韓国子会社(W-SCOPE CHUNGJU PLANT:現在は持分法適用会社)を中心に製造。欧米・韓国向けの販売が多い。加えてイオン交換膜(BPEDモジュール等)を展開。
  • 事業構成(連結):セパレーター(主力)/イオン交換膜
  • 特徴:湿式セパレーター技術をベースに、安全性・熱安定性を重視。主要顧客は韓国系電池大手など。2024年以降はEV需要の減速を受け、ESS(蓄電システム)用途への販路も模索。
  • 基本データ:プライム上場、従業員314名、平均年齢44.4歳、平均年収779万円、代表取締役社長 崔 元根

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界構造:電池セパレーターは参入障壁が高く、量産品質・歩留まり・安全性が競争力の源泉。上位は旭化成、東レ、SK IE Technology、上海恩捷などの大手が占める。
  • ポジション:国内では数少ない専業だが、グローバル市場での規模は大手に及ばず。価格競争・品質認証・大量投資の継続が課題。
  • 課題と優位性
    • 優位性:湿式技術のノウハウ、韓国顧客網、専門性。イオン交換膜でのPOSCO連携など新領域の広がり。
    • 課題:EV需要の変動に対する脆弱性、顧客集中度、WCPの持分法化に伴う売上・損益のボラティリティ、短期流動性の確保。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・方針(短信等より)
    • 需要動向に応じた販売先の柔軟化(EV向け偏重からESS等へ分散)
    • 製造コスト削減(人件費・光熱費・梱包運搬費の削減、成膜ラインの新工法・自動化)
    • 事業ポートフォリオの拡充(イオン交換膜事業を第2の柱に)
  • 具体的施策
    • イオン交換膜:POSCOグループ向けBPED関連で受注・供給契約(~2027年)。下期から製造・出荷開始見込み。
    • セパレーター:欧州需要回復は限定的との前提のもと、コスト最適化と用途転換の推進。
  • 連結範囲の変更対応:WCPを持分法へ移行。販売・損益認識の変化を前提に経営管理を再構築。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:量産セパレーターの供給(長期認証・継続取引が前提)+ イオン交換膜のモジュール供給。規模の経済と歩留まり改善が採算の鍵。
  • 需給環境:短期は欧米EVの伸び鈍化、政策時期変更等の影響。中期はEV・蓄電の普及トレンドは継続との前提だが、回復時期は不確実。
  • 適応力:用途分散(ESS等)と新規事業(イオン交換膜)での補完が進展。WCPの業績影響(持分法)や為替も利益変動要因。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術動向:湿式セパレーターの高耐熱・高安全性化、成膜・コーティング工程の大型化・自動化。コスト低減と品質安定化が焦点。
  • イオン交換膜(BPED):リチウム回収・精製やリサイクル工程での使用が進む領域。POSCO向けの採用進展が示唆。
  • 収益牽引:
    • 当中間期はセパレーターが赤字、イオン交換膜が黒字(セグメント損益:セパレーター -2,596百万円、イオン交換膜 +198百万円)。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提:株価 237円、時価総額 13,199百万円、BPS(実績)821.79円、EPS(会社予想)-132.91円、LTM売上 3.44百億円、現金 0.16百億円、総有利子負債 8.02百億円
  • PER(予想):赤字のため算出不可
  • PBR(実績):株価 237円 ÷ BPS 821.79円 ≈ 0.29倍(業界平均1.6倍を下回る)
  • EV/Sales(LTM):EV ≈ 13.2 + 8.02 − 0.16 = 約21.1百億円、EV/S ≈ 21.1 ÷ 3.44 ≈ 約6.1倍
  • コメント:PBRは低位だが、売上縮小期のためEV/Sは高めに見える。赤字局面ではバリュエーション指標間で示唆が分かれる点に留意。

7. テクニカル分析

  • 現在値 239円(終値ベース)/ 50日移動平均 244.66円/ 200日移動平均 249.87円
  • 位置付け:短期・中長期移動平均をいずれも下回る水準。52週レンジ 174–372円の下半分。
  • 直近推移:10/6安値230円→10/20 239円へ戻り基調。出来高は3カ月平均(約75.6万株)を下回る日が多い。
  • 年初来:年初来高値299円・安値174円の中間よりやや下。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益(百万円)
    • 売上高:2020 18,479 → 2021 29,966 → 2022 45,100 → 2025/1期 31,047 → LTM 3,435(WCP持分法移行と需要減で縮小)
    • 営業利益:2022 7,829 → 2025/1期 -1,008 → LTM 営業赤字、売上総利益もマイナス
    • 当期純利益:LTM -10,422(持分法損失や為替差損の影響)
  • 収益性
    • 粗利率:LTMでマイナス(売上総損失計上)
    • 営業利益率:赤字(当中間期ベースで約-198%)
    • ROE:-7.2%(実績)
  • キャッシュフロー(中間)
    • 営業CF:+1,096百万円(在庫・売掛変動等でプラス)
    • 投資CF:-849百万円(有形固定資産の取得)
    • 財務CF:-318百万円(借入返済等)
  • 財政状態
    • 総資産 55,580百万円、純資産 45,243百万円、自己資本比率 81.2–82.5%
    • 現金同等物 158百万円、短期借入金 6,667百万円、流動比率 ≈45%
    • D/E ≈0.18倍(17.7%)とレバレッジは低い一方、短期流動性はタイト

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:会社予想 0円(配当利回り 0%)、直近も無配
  • 自己株買い:自己株式比率 0.54%(新規の自己株取得は確認できず)
  • 方針:当面は業績・資金繰りの安定化を優先する姿勢が読み取れる

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 信用動向:信用買残 406.4万株(前週比 +36.8万)、売残 87.5万、信用倍率 4.64倍。個人主体の需給色が強く、変動が増幅されやすい構造。
  • 流動性:3カ月平均出来高 約75.6万株、直近10日平均 約60万株。出来高はやや細り。
  • 外部要因:欧米EV需要・政策、顧客の生産計画、為替、WCPの業績(持分法)・評価差額などが株価感応要因。

11. 総評

  • セパレーター主力の需要減速とWCPの持分法化により、売上・利益は大きく調整。LTMでは粗利・営業段階とも赤字。
  • 財務面は自己資本比率が高くD/Eも低いが、現金残高と流動比率が低位で、短期資金繰りの管理が重要。
  • 事業面では、EV依存度の緩和(ESSなど)とイオン交換膜の育成が進展。POSCO向けの供給契約は下期以降の寄与が期待される一方、規模寄与・採算化の時期には不確実性。
  • バリュエーションはPBRが低位である反面、売上縮小下のEV/Sは高め。需給(信用買い偏重)と外部環境に影響を受けやすい。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:D
    • 根拠:四半期売上成長率(前年比)-95.2%、LTM売上も大幅縮小(構造変化含む)。
  • 収益性:D
    • 根拠:粗利マイナス、営業赤字、ROEマイナス。業界平均を下回る。
  • 財務健全性:B
    • 根拠:自己資本比率80%台、D/E低位。一方で流動比率≈45%と短期流動性は弱め。
  • 株価バリュエーション:B
    • 根拠:PBR≈0.29倍は業界平均(1.6倍)を大きく下回る一方、赤字・低売上局面でEV/S≈6.1倍と高水準。

参考データ
– 株価関連:株価 237円、時価総額 131.99億円、PBR 0.29倍、PER(予想)—、年初来高値 299円/安値 174円、50日線 244.66円/200日線 249.87円
– 2026年1月期会社予想:売上高 54億円、営業損失 -43億円、経常損失 -73億円、最終損失 -73億円、EPS -132.91円
– セグメント(中間):セパレーター売上 8.47億円(損失計上)、イオン交換膜売上 6.03億円(黒字)

注記
– 記載の数値は提示データに基づくもので、後日修正・開示により変動する可能性があります。


企業情報

銘柄コード 6619
企業名 ダブル・スコープ
URL http://w-scope.co.jp
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 電気機器

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By シャーロット

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