山口フィナンシャルグループ（8418）企業分析レポート
株価: 1,667円（時価総額 約3,913億円）/ 市場: 東証プライム / 業種: 銀行業
1. 企業情報
- 概要: 山口銀行・もみじ銀行・北九州銀行を中核に、証券、リース、クレジットカード、保険代理、信用保証、債権回収、投資運用、農業・クラウドファンディングなどを展開する地域金融グループ。地域の総合金融サービスを標榜。
- 地域基盤: 山口県・広島県・北部九州を主な地盤に、個人・中小企業向けに幅広い金融サービスを提供。
- バランスシート構成（2025/3期・連結の構成比目安）
- 資金（預金など）: 普通53%、定期34%、当座4%、他9%
- 資産: 貸出金66%、有価証券16%、現預け金14%、他4%
- 融資内訳: 中小企業等向け62%、住宅・消費者向け17%
- 主要規模感（2026/1Q末・連結）: 貸出金約8.60兆円、預金約10.33兆円、有価証券約2.13兆円、現預け金約1.82兆円
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 中国・九州北部エリアの有力地銀グループ。3行体制により広域で顧客接点を保有。
- 競争優位性
- 幅広い非金利ビジネス（証券・リース・カード・保険・保証等）による収益多角化
- 地域密着の顧客基盤とソリューション提供力（事業承継・M&A、農業関連支援 等）
- 課題
- 地域の人口減少・事業者数減少による貸出需要の構造的縮小
- 預金コスト上昇局面での利鞘確保、保有有価証券の金利・価格変動リスク管理
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/戦略: 「地域の総合金融グループ」化の推進。金利依存からの脱却と収益源の多様化、グループ横断でのクロスセル強化。
- 重点施策（開示資料・短信等からの要点）
- 非金利収益の拡大（証券仲介、リース、保険、カード、信用保証等）
- 企業ソリューション強化（事業承継・M&A、資本政策、サステナビリティ/トランジション支援）
- コスト効率化（OHR改善、チャネル最適化）とリスク管理の徹底
- 地域産業支援（農業・クラファン事業等による地域活性化）
- 業績見通し（会社予想・2026/3期）
- 当期純利益: 315億円、EPS: 149.30円（前期比減益見通し）
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 預貸金業務（利鞘）+ 非金利収益の多角化。広域の預金基盤と中小企業ネットワークが基盤。
- 適応力:
- 金利環境の変化に合わせた資産・負債ミックス調整（貸出・預金金利、ALM）
- 非金利ビジネス強化による景気・金利循環への耐性向上
- リスク/注目点: 預金コスト上昇、信用コストの上振れ、保有証券の評価変動、地域経済の構造課題。
5. 技術革新と主力製品
- 技術/サービス動向: デジタルチャネルの高度化、キャッシュレス・オンライン手続き、データに基づく与信・ソリューション提案の強化（一般的な地銀の取り組みと整合的）。
- 収益牽引領域: 企業向けソリューション収益、証券・リース・保険等の手数料/役務収益、カード・保証等の非金利収益。
6. 株価の評価（バリュエーション）
- 現在値/指標
- 株価: 1,667円
- PER（会社予想）: 11.17倍（業界平均 10.7倍 ≒ ややプレミアム）
- PBR（実績）: 0.56倍（業界平均 0.4倍 ≒ プレミアム）
- BPS: 2,997.89円（PBRは簿価に対し約44%ディスカウントの水準）
- 配当利回り（会社予想）: 3.84%（DPS 64円、予想配当性向 ≒ 約43%）
- コメント: 業界平均と比べPER・PBRともにやや高め。収益安定性や非金利収益多様化、資本政策の実績（自己株保有約9.5%）が評価要因となる一方、予想では減益見通し。
7. テクニカル分析（短期）
- トレンド: 直近10営業日で終値は1,777円→1,667円へ下落基調。出来高は10/14に増加。
- 移動平均: 50日移動平均 1,766円の下、200日移動平均 1,654円の上。中期は軟調、長期はサポート圏。
- 価格帯: 年初来高値 1,874円/安値 1,301円。レンジ内中位〜上位寄り。目先は1,650円前後（200日線・10/14安値付近）がサポート、1,700–1,750円がレジスタンス。
- 信用動向: 信用倍率 23.38倍（買残増）。短期的な需給の偏りに留意。
8. 財務諸表分析
- 成長性
- 売上高（経常収益相当・連結）: 2022/3 1,319億円 → 2023/3 1,310億円 → 2024/3 1,425億円 → 過去12か月 1,682億円
- 3年CAGR ≒ +8%程度、LTMは前年比+約18%と拡大。一方、2026/1Qは増収ながら減益（費用増の影響）。
- 収益性
- 純利益（LTM）: 353億円、利益率（参考）約20%
- ROE: 5.3–5.6%（目安）、ROA: 0.26%（銀行として標準的な水準）
- OHR（26/1Q）: 55.83%（効率性は中位）
- 安全性・資本
- 自己資本比率（会計・B/Sベース）: 4.8%（銀行はこの数値が低く見えやすい）
- 規制上の資本比率（連結・国際統一基準）: 総自己資本比率 13.62%、Tier1 12.15%（適正レンジ）
- 不良債権比率: 1.67%（26/1Q末、安定）
- バランスシート
- 貸出金 8.60兆円、預金 10.33兆円 → 貸出/預金比 ≒ 83%（流動性バッファ確保）
- 有価証券 2.13兆円（市場リスク管理が重要）
- キャッシュフロー: 四半期CFは短信未作成。
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 前期 60円 → 今期予想 64円（増配方針継続）
- 予想配当性向: 約43%（会社予想EPS149.3円ベース）
- 自社株: 自己株式約9.5%保有（過去の自己株買いの蓄積を示唆）。新規の自己株買い方針は現時点不明。
- 総還元: 現行は安定配当重視。資本余力・業績動向に応じた機動的還元の可能性は開示次第で確認。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 直近は50日線下で弱含み、200日線上で下値を模索。52週騰落+7.97%と市場平均（S&P500換算情報）比ではやや劣後。
- ボラティリティ: β -0.22（低ベータ）
- 需給・関心: 信用買い残増（倍率高水準）。決算（11/14予定）や配当権利取り前後（権利落ち予定 3/30/2026）に関心が集まりやすい。
11. 総評
- 地域密着の広域プラットフォームと非金利収益の多様化で、収益構造の安定化を進めている。LTMでは増収増益トレンドが確認できる一方、今期は費用増やALM環境から会社計画は減益見通し。
- 資本は規制比率で適正水準、不良債権比率も安定。預貸バランス・流動性は堅実。
- バリュエーションは業界平均比ややプレミアム。配当は安定的で、自己株保有の厚みも株主還元の蓄積を示す。短期は信用需給と金利・市場要因、決算進捗に注目。
12. 企業スコア（S/A/B/C/D）
- 成長性: A
- 根拠: 売上高LTMで前年比+約18%、3年CAGRもプラス。足元1Qは減益だが通期では増収計画を維持。
- 収益性: B
- 根拠: ROE約5–6%、OHR約56%と中位。業界平均超過の明確エビデンスが限定的なため中立評価。
- 財務健全性: B
- 根拠: 規制自己資本比率（連結）13.6%、NPL 1.67%で安定。B/Sベース自己資本比率は銀行特性上低く見えるが、総合的に中位評価。
- 株価バリュエーション: C
- 根拠: PER・PBRとも業界平均よりやや高め（プレミアム）。配当利回りは平均的。
データ出所・補足
– 2026年3月期1Q決算短信・説明資料、提供の財務・株価指標を基に作成。数値は連結ベース中心。一過性損益は除外に留意。記載の将来見通しは会社公表値に依拠し、実績とは乖離する可能性があります。
企業情報
| 銘柄コード | 8418 |
| 企業名 | 山口フィナンシャルグループ |
| URL | http://www.ymfg.co.jp |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 銀行 – 銀行業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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