1. 企業情報
- 企業名:日本ライフライン(Japan Lifeline Co., Ltd.)[東証プライム:7575]
- 概要:循環器領域に強みを持つ医療機器メーカー兼ディストリビューター。心臓ペースメーカやICD/CRT、S-ICDなどのリズムデバイス、電気生理(EP)/アブレーション関連カテーテル、人工血管・ステントグラフト(FET含む)などを国内病院へ供給。脳血管・消化器領域にも展開。輸入から自社製造へ軸足を移し、収益性の高い自社製品比率の拡大に取り組む。
- 事業構成(売上構成、2025.3):リズムデバイス23%、EP/アブレーション49%、心血管関連22%、脳血管関連3%、消化器3%
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内の循環器・EP/アブレーション領域で実績を持つ有力プレイヤー。主要総合病院向けの販売網と、海外先端機器の導入力+自社開発力の両輪が特徴。
- 競争優位性:
- 高収益な自社製品群(EP/アブレーション、人工血管・FET等)と、海外先端機器の導入実績による幅広い品ぞろえ
- 国内病院ネットワークの厚みと臨床現場に密着した製品開発フィードバック
- 高い自己資本比率・健全なバランスシートに基づく投資余力
- 課題:
- EP領域でPFA(パルスフィールドアブレーション)が急速に普及し、従来型の一部自社EP製品(例:食道温モニタリング等)に需要シフトの影響
- 保険償還価格の改定による単価下押し
- 一部領域で輸入依存の仕入調達に伴う競争・価格圧力
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略(中期計画 2024–2028の要旨)
- 競争力ある製品の継続的導入(海外先端機器の適時導入と自社製品強化)
- 新領域の拡大(脳血管・消化器など循環器周辺領域の拡張)
- 重点施策(足元の具体例)
- EP/アブレーションの症例増に対応、PFAトレンドを見据えた開発(PFAシステム開発にR&D投資)
- 心血管のFET等の伸長分野への注力
- リードマネジメントデバイスの販売開始(2025年5月)
- 自社製品比率の持続的引き上げ(1Qはミックス変化で55.6%、前年同期比-2.6pt)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:高付加価値の自社製品(高粗利)と、輸入品の幅広いラインアップを組み合わせたハイブリッド型。自社開発の進展と症例数の増勢が利益成長ドライバー。
- 環境変化への適応:
- PFAの普及など技術パラダイム転換に対し、自社R&Dを強化
- 償還価格改定による単価下押しは数量増・製品ミックスで吸収を志向
- 高い自己資本比率(約80%)と低D/Eにより投資・M&A耐性を確保
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発:EP/アブレーション関連、自社PFAシステムの開発投資を継続。FET(Frozen Elephant Trunk)等の低侵襲トレンド対応製品にも注力。
- 主力・成長ドライバー(1Q実績トピック)
- EP/アブレーション:症例増で堅調(+2.5%)。一方、PFA普及が一部自社EP製品に影響
- 心血管:FET等が市場拡大を背景に好調(+8.1%)
- 脳血管:塞栓コイル、血栓吸引カテーテル等の採用拡大(+61.9%)
- リズムデバイス:ペースメーカ低迷も、S-ICDは二桁成長
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:1,533円、時価総額:約1,092億円
- 予想EPS:133.38円 → 予想PER:約11.49倍(業界平均PER 12.1倍比で小幅ディスカウント)
- 実績BPS:832.15円 → PBR:約1.84倍(業界平均PBR 1.0倍比でプレミアム)
- 配当:予想54円 → 配当利回り:約3.52%、想定配当性向:約40%
- EV/EBITDA(概算):EV ≒ 1,053億円(時価総額1,092-現金75+負債36)/ LTM EBITDA約142.7億円 ≒ 約7.4倍
- EV/Sales(概算):約1.8〜1.9倍(LTM売上約5,662〜5,722億円のデータに基づく概算)
- 所見(比較観点の整理):PERは平均近辺で妥当圏、PBRは高ROE(LTM約16–17%)を反映した水準。配当利回りは5年平均(約3.44%)と同程度。
7. テクニカル分析
- トレンド:終値1,533円は50日線(約1,491円)・200日線(約1,482円)を上回る上昇トレンド基調。
- 位置づけ:52週高値1,633円まで約-6%、52週安値1,167円比で約+31%。レンジ内ではやや高値圏寄り。
- 需給:信用倍率40.95倍と買い長。短期では需給の振れに留意。直近出来高は3カ月平均(約16.6万株)をやや下回る日が多い。
- 価格帯:1,500円近辺に支持、1,630円台に上値抵抗が意識されやすい構図。
8. 財務諸表分析
- 成長:
- 売上高(LTM):約5,661億円(前期5,138億円)で+約10%
- 3年CAGR(売上):約+3%(2022→LTMの概算)
- 収益性(LTMベース):
- 粗利率:約60%(売上総利益3,419億円/売上5,661億円)
- 営業利益率:約22%(営業利益1,233億円)
- 当期純利益率:約16%(純利益932億円)
- ROE:実績約15.8%/LTM約16.8%、ROA:約11.1%
- コスト/ミックス:
- 1Qは自社製品比率55.6%(前年同期比-2.6pt)で粗利率はやや低下も、数量増が吸収
- 安定性・効率:
- 自己資本比率:79.8%(直近1Q 82.0%)、流動比率:約3.4倍
- 総資産:7,117億円、現金預金:747億円、総有利子負債:359億円、D/E:約6%
- キャッシュフロー・株式数:
- 配当・税支払いで現金減少(1Q)。2025/5に自己株4,458,470株消却、発行済株式は7,130万株へ減少しEPS押し上げに寄与
- 過去推移(年度):
- 売上:5,147(2022)→5,175(2023)→5,138(2024)→5,661(LTM)
- 営業利益:998→1,084→1,089→1,233
- EPS:93.13→88.22→98.73→131.43
9. 株主還元と配当方針
- 配当:前期実績53円、今期予想54円(利回り約3.5%、Payout約40%)
- 自社株:2025/5/16に4,458,470株を消却。自己株式の活用・消却により資本効率を意識した株主還元を実施。
- 保有構造:インサイダー保有約24.9%、機関保有約21.6%、自己株約7.3%(参考データ)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週変化率+約24.8%。直近10営業日は1,470~1,550円レンジの推移で、50日線上での持ち合いから上抜けを試す局面。
- 関心要因:
- PFA普及やFET市場拡大など技術・市場トレンド
- 自社製品比率・粗利率の動向、償還価格改定の影響
- 10/29決算(予定)の進捗、通期ガイダンスの維持可否
11. 総評
- 事業:循環器・EP/アブレーションを核に、心血管(FET)・脳血管・消化器へ裾野を広げる製品ポートフォリオ。
- 成長・収益性:LTMで2桁増収、営業利益率約22%、ROE約17%と指標は良好。PFAへの構造転換が一部自社EP製品に逆風も、他製品で補完。
- 財務:自己資本比率約80%、D/E約6%と極めて堅健。自己株消却で資本効率も意識。
- バリュエーション:PERは業界平均並~ややディスカウント、PBRはROE水準を反映してプレミアム。配当利回りは約3.5%で安定的。
- テクニカル:50・200日線上で推移し、52週高値圏に近い。信用買い長の需給には留意。
- 注目点:PFAの進展速度、FET・脳血管の伸長継続、自社製品比率と粗利率の改善、通期計画の進捗。
※本情報は公開データに基づく客観的整理であり、投資助言ではありません。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上+約10%YoY、1Q売上+4.3%YoY。3年CAGRは+約3%と中程度だが、足元は加速。
- 収益性:A
- 根拠:粗利率約60%、営業利益率約22%、EBITDAマージン約25%(業界一般水準を上回る水準と判断)。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率約80%、流動比率約3.4倍、D/E約6%。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PERは平均並~小幅割安、PBRはプレミアム、EV/EBITDA約7.4倍・EV/S約1.8〜1.9倍で中立圏。
(参考)主要イベント
– 決算発表予定:2025年10月29日
– 権利落ち予定:2026年3月30日
企業情報
銘柄コード | 7575 |
企業名 | 日本ライフライン |
URL | http://www.jll.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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