ダイト(4577)企業分析レポート
以下は公開情報に基づく客観的な企業分析です。投資判断を目的とした助言は行いません。
1. 企業情報
- 概要:ダイトは医薬品の原薬(API)製造と製剤の製造受託(CDMO/OEM)を主力とするメーカー。ジェネリック(後発医薬品)メーカー向けの供給に強み。高薬理活性原薬に対応可能な設備・品質管理体制を持ち、国内外に販売。
- 事業内訳(連結、2025.5):原薬45%、製剤54%、健康食品他0%
- 上場区分:東証プライム/医薬品
- 従業員:1,073人、平均年齢39.0歳、平均年収486万円
- 本社:富山市
- 最近の組織再編:2025/6/1に大和薬品工業を吸収合併(連結範囲から除外)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内ジェネリックサプライチェーンで、APIから製剤まで一貫した受託能力を持つ中堅プレイヤー。高薬理活性対応など品質・適合性に強み。
- 追い風:国の目標(数量シェア80%以上、金額シェア65%以上)によりジェネリック需要は長期的に底堅い見込み。
- 課題:再編進行・品質規制強化・薬価改定による価格下落圧力、原材料・為替の変動、供給安定への投資負担。
- 市場シェア:公表データなし(—)。ただし製剤売上の拡大と原薬の特定領域(止血剤・抗凝固薬等)でのプレゼンスが示唆。
3. 経営戦略と重点分野
- 中計:Daito Transformation Plan 2027
- 安定供給体制の強化(品質・コンプライアンス、BCP)
- 製剤(ジェネリック・OTC)の拡大、CDMO機能の強化
- 高薬理活性・高付加価値領域への選択と集中
- 生産性向上(自動化・原価低減)、資本効率の改善
- 進捗(2026/5期1Q):製剤が堅調、原材料費の低下や棚卸評価減縮小で利益率改善。通期見通しは据え置き。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:長期安定需要のジェネリック向けAPI・製剤供給+製造受託のストック性が一定の安定性を付与。一方で薬価改定と価格競争でマージンは構造的に圧迫。
- 適応力:製剤比率の上昇、設備更新(高薬理活性対応・リース活用)、原価低減・為替影響緩和等で回復を図る動き。Q1で利益率に改善の兆し。
- リスク管理:供給不安の長期化・規制強化・原材料/為替変動に対し、在庫・調達・品質体制の強化が鍵。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・設備:高薬理活性原薬の取り扱い、GMP準拠の品質管理、製剤・包装まで一貫対応可能なCDMO機能。
- 主力領域:止血剤原薬、抗凝固薬原薬など(1Qはこれら一部が減少)。製剤(ジェネリック・一般用医薬品)が売上を牽引。
- 動向:製剤の伸長が続き、ミックス改善とスケールで収益性の底上げを目指す方針。
6. 株価の評価(バリュエーション指標の比較)
- 株価:1,217円、時価総額:約366億円
- 会社予想EPS:76.70円 → 予想PER:約15.87倍(提供データ一致)
- 実績BPS:1,739.88円 → PBR:約0.70倍
- セクター平均(医薬品・ジェネリック):PER 27.8倍、PBR 1.4倍
- EV/売上高(LTM):EV≈466億円(概算=時価総額366+有利子負債119−現金21)→ EV/S≈0.91倍
- EV/EBITDA(LTM):約6.4倍(EBITDA 72.7億円)
- 比較観点:
- PER・PBRとも業界平均を下回る水準。
- BPS対比のPBR0.70倍は解散価値比の割安感を示す一方、ROEの低さ(実績3.7%)と整合。(評価は中立比較)
- 参考換算(単純計算):業界平均PER×EPS=約2,130円、業界平均PBR×BPS=約2,436円(目安比較であり目標値ではない)。
7. テクニカル分析
- トレンド位置:終値1,217円は50日線1,229.8円をわずかに下回り、200日線1,093.1円を上回る。中期上昇基調の押し目圏。
- 52週レンジ:970〜1,311円の範囲で、現在値はレンジ上中段(高値から約7%下、安値から約25%上)。
- モメンタム:直近10日で往来相場。10日平均出来高8.6万株>3カ月平均6.6万株で短期の関心はやや高めだが、本日の出来高は4.8万株と鈍化。
- 需給:信用買残8.76万株(前週比+2.75万)、倍率4.34倍。短期的には買い残の積み上がりが上値の重さ要因になる可能性。
8. 財務諸表分析
- 売上高推移(百万円):43,464(2022)→45,101(2023)→46,895(2024)→50,643(過去12か月)
- 3年CAGR:約+5.2%、直近YoY(2024→LTM):約+8.0%
- 収益性(LTMベース、概算)
- 売上総利益:8,637 → 粗利率約17.1%(2022の26.4%から低下継続)
- 営業利益:2,620 → 営業利益率約5.2%(2022:15.1%→低下)
- 当期純利益:1,908 → 純利率約3.8%
- 1Q(2026/5期):営業利益率約7.7%、改善の兆し
- 効率性・資本収益
- ROE:3.67%(実績)、ROA:2.15%(LTM)
- 安全性
- 自己資本比率:66.7%
- 流動比率:約234%
- D/E(総有利子負債/自己資本):約22.9%
- キャッシュフロー
- EBITDA(LTM):約72〜74億円。減価償却費は増加傾向(設備投資・リース資産増の影響)。
- 四半期CF計算書は未作成注記のため詳細は—。
- コメント:売上は堅調だが、原材料・薬価改定などで粗利率・営業利益率が縮小。直近1Qは原価要因の改善と製剤伸長で回復傾向。
(注)一部のLTM指標に情報源間で差異があるため、損益テーブルの数値を主に採用しつつ、レンジ認識で記載。
9. 株主還元と配当方針
- 配当(会社予想):年間40円、予想利回り約3.29%、配当性向約55.8%
- 前期実績:年間70円(株式分割後換算の実額表示)
- 自己株式:2025/6/30に自己株式60万株を消却。継続的な自社株買い・総還元方針の明示は—。
- 参考:5年平均配当利回り2.21%(現状は平均を上回る水準)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落:+8.0%(S&P500換算比較データは参考値)
- 出来高:直近10日平均が3カ月平均を上回り、短期的関心は増加。ただし当日の出来高は鈍化。
- 需給・イベント:信用買い増加、11/27の配当落ち日が近接イベント。
11. 総評
- 需要面は政策支援で安定。一方、薬価改定・価格競争でマージンは下押しされやすい構造。2026/5期1Qは製剤伸長と原価要因改善で利益率が持ち直し。
- 財務体質は強固(自己資本比率約67%、流動比率>200%)。設備投資・リース活用で固定資産が増えつつもD/Eは低水準。
- バリュエーションは業界平均対比でPER・PBRとも低く、ROE水準の低さが評価に反映されている構図。収益性の改善が継続できるかが指標の見直し要因。
- テクニカルは中期上昇基調の範囲内でのもみ合い。短期は信用買いの積み上がりと出来高の推移に留意。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY約+8%、3年CAGR約+5%と安定成長。
- 収益性:B
- 根拠:営業利益率は中期で低下(2022→LTM)。直近1Qで改善の兆しも、同業平均超の根拠データは—。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率約67%、流動比率約234%、D/E約23%と健全。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PER15.9倍・PBR0.70倍は業界平均(PER27.8倍、PBR1.4倍)を下回る。EV/EBITDAも中庸〜低位のレンジ。
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データ出典:ご提供の決算短信要約、財務・株価データ。記載の数値は小数点以下の丸めや期間差により一部整合しない場合があります。必要に応じて最新IR資料・有価証券報告書でご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 4577 |
企業名 | ダイト |
URL | http://www.daitonet.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 医薬品 – 医薬品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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