1. 企業情報

日精エー・エス・ビー機械は、PETボトルをはじめとするプラスチック容器の生産機械の企画、開発、製造、販売を世界中で展開しています。特にPETボトルなどの食品・飲料容器成形機において世界大手であり、非飲料系プラスチック容器の成形機市場でも世界トップクラスの地位を占めています。事業内容はストレッチブロー成形機が49%、金型が32%、付属機器が5%、部品他が14%を占め、海外売上比率は93%とグローバルな事業展開を行っています。

2. 業界のポジションと市場シェア

同社は、PETボトルなどの食品・飲料容器成形機市場において世界大手であり、非飲料系プラスチック容器の成形機市場においても世界トップクラスのポジションを確立しています。国内外に広がる顧客基盤と、海外売上比率9割というグローバルな事業展開が強みです。

3. 経営戦略と重点分野

同社は「人と社会に豊かさを提供する」「高い技術、サービスで恒久的な存続を追求する」という経営理念のもと、事業規模の拡大に向けた施策に注力しています。中期経営計画の詳細な内容は開示されていませんが、決算短信からは中長期的な成長発展方針を継続し、戦略的施策の展開に力を入れていることが伺えます。主力の中小型機および大型機の販売が好調であり、これらが事業成長の牽引役となっています。また、海外比率が高いことから、米州、欧州、南・西アジア(特にインド)、東アジアといった各地域の市場成長を取り込む戦略を進めていると考えられます。

4. 事業モデルの持続可能性

同社の事業モデルは、ストレッチブロー成形機本体だけでなく、金型、付属機器、部品といったコンシューマブルな製品やサービスによって構成されており、安定的な収益源を確保しています。決算短信では、「安全で衛生的なプラスチック容器への需要が全世界で底堅く推移」しており、現在の事業環境は堅調であると認識されています。海外売上比率が非常に高く、地域分散が進んでいることは、特定の市場リスクを軽減する要因となります。長期的な観点では、プラスチック製品に対する環境規制やリサイクル需要の変化への適応力が重要となります。

5. 技術革新と主力製品

同社の主力製品は、「ストレッチブロー成形機」です。これに関連して、金型や付属機器、部品なども事業の重要な柱となっています。特に主力である中小型機と大型機の販売が好調で、収益を牽引しています。具体的な最新の技術革新に関する詳細な情報はありませんが、非飲料系プラスチック容器成形機市場で世界トップクラスの地位を維持していることから、高い技術力と製品開発能力を有していると推察されます。

6. 株価の評価

現在の株価は6,710.0円です。
会社予想EPS 490.29円に基づくと、予想PERは13.69倍です。業界平均PERが16.6倍であることと比較すると、PERの観点からは割安感がある水準にあります。
実績BPS 3,790.98円に基づくと、実績PBRは1.77倍です。業界平均PBRが1.4倍であることと比較すると、PBRの観点からは業界平均を上回る水準にあります。

7. テクニカル分析

現在の株価6,710.0円は、年初来高値7,360円と比較してやや下回る水準にあり、年初来安値3,970円と比較すると高値圏に位置しています。
50日移動平均線が6,997.00円、200日移動平均線が5,780.33円です。現在の株価は50日移動平均線よりは下回っていますが、200日移動平均線を上回っており、中長期的な上昇トレンドを示唆する可能性があります。
直近10日間の株価推移を見ると、6,800円台から7,000円台で推移していましたが、直近では6,710円まで調整が見られます。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 過去数年間は変動がありましたが、2024年9月期の売上高は36,778百万円を記録し、直近の過去12か月では42,032百万円、2025年9月期第3四半期累計では前年同期比+23.8%の32,754百万円と高い成長を示しています。通期予想も43,000百万円と増収を見込んでいます。
  • 利益: 過去12か月の営業利益は9,952百万円、営業利益率は27.47%と高い水準です。2025年9月期第3四半期累計の営業利益は8,457百万円で前年同期比+63.2%と大幅な増益を達成しており、親会社株主に帰属する四半期純利益も同+46.6%と好調です。
  • キャッシュフロー: 第3四半期連結累計期間に係るキャッシュ・フロー計算書は公開されていません。
  • ROE: 過去12か月のROEは13.86%と、企業の資本活用効率が高いことを示しています。
  • ROA: 過去12か月のROAは9.22%です。
  • 自己資本比率: 2025年9月期第3四半期末で74.0%と非常に高い水準を維持しており、財務健全性が優れています。
  • 流動比率: 直近四半期で4.62と非常に高く、短期的な支払い能力に余裕があります。
  • 負債比率 (D/E): 直近四半期で11.41%と低く、借入依存度が低い健全な財務体質です。

9. 株主還元と配当方針

会社予想の1株配当は200.00円であり、現在の株価に基づく配当利回りは2.98%です。配当性向は31.30%です。2024年9月期の実績配当は150円でしたが、2025年9月期は業績予想の上方修正に伴い、増配を予定しています。また、2025年8月31日付けで自己株式の消却も予定しており、株主還元策の一環と見られます。

10. 株価モメンタムと投資家関心

過去52週間の株価変化率は47.63%と、同時期のS&P 500の変化率13.84%を大きく上回っており、株価は強い上昇モメンタムを示してきました。
直近の出来高は21,700株と比較的低い水準です。信用買残が20,500株に対し、信用売残が7,100株、信用倍率2.89倍であり、信用買いが優勢の状態です。
2025年9月期の業績予想の上方修正と増配発表は、投資家の関心を引きつける要因となり、今後の株価に影響を与える可能性があります。旺盛なプラスチック容器需要を背景とした過去最高の受注高・売上高・利益の記録も、投資家からの評価に繋がる要素です。

11. 総評

日精エー・エス・ビー機械は、プラスチック容器成形機市場において世界的な競争力を持つグローバル企業です。直近の業績は、旺盛な需要に支えられ、過去最高の受注・売上・利益を記録し、通期業績予想も上方修正されるなど非常に好調に推移しています。財務体質は、自己資本比率74.0%、流動比率4.62、D/E比率11.41%と非常に健全です。株主還元策として増配や自己株式の消却も実施しており、株主還元にも前向きな姿勢が見られます。株価バリュエーションについては、PERは業界平均より割安感がある一方、PBRは業界平均を上回る水準です。株価は中長期的な上昇トレンドにあり、直近では調整局面にあるものの、好調な業績と健全な財務が下支えとなる可能性があります。

12. 企業スコア

  • 成長性: A (過去12ヶ月および直近四半期、通期予想において売上高および利益の大幅な伸びが見られるため)
  • 収益性: S (LTM営業利益率27.47%、粗利率47.05%と、高い水準を維持しており、直近四半期の利益成長も顕著なため)
  • 財務健全性: S (自己資本比率74.0%、流動比率4.62、D/E比率11.41%と非常に優れた財務指標を誇るため)
  • 株価バリュエーション: A (PERは業界平均を下回る水準である一方、PBRは業界平均を上回る水準。成長性と収益性を考慮すると、PERの割安感は相対的に魅力的であると考えられます)

企業情報

銘柄コード 6284
企業名 日精エー・エス・ビー機械
URL http://www.nisseiasb.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 機械 – 機械

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By ジニー

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