日精エー・エス・ビー機械(6284)企業分析レポート
最終更新: 2025-10-20
本資料は公開情報に基づく客観的な企業分析であり、投資助言ではありません。
1. 企業情報
- 概要
- PETボトル等のプラスチック容器向け「射出延伸ブロー(ISBM)」成形機を中心に、金型、付属機器、部品を開発・製造・販売する専業メーカー。海外売上比率は約93%。
- 非飲料系(化粧品・医薬・調味料等)容器用途に強みがあり、ワンステップISBMにおける技術力と実績を背景に世界トップクラスのポジション。
- インド生産拠点を活用し、汎用機(中小型〜大型機)の拡販とコスト競争力を強化。
- 事業内訳(連結)
- ストレッチブロー成形機 49%、金型 32%、付属機器 5%、部品他 14%(2024.9期)
- 上場区分
- 東証プライム、機械(17業種/33業種)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- ワンステップISBMのリーディング企業。非飲料用途の多種少量・高付加価値ボトルで優位。グローバルでの設置台数・納入実績が厚く、アフター(部品・金型リピート)につながる。
- 競争優位性
- 一体型工程(成形一貫)による品質・歩留まり・意匠対応力、軽量化や省エネ設計、rPET対応やバリア技術などの開発力。
- 海外売上9割・インド生産の原価優位、グローバルな販売・サービス網。
- 課題
- 規制・ESG動向によるプラスチック利用低減圧力。原材料・為替の変動リスク。大型案件の期ズレ・受注集中による業績変動性。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方針
- 「高い技術・サービスによる恒久的存続」と「人と社会への豊かさの提供」を掲げ、事業規模の持続的拡大に注力。
- 重点施策
- 受注拡大:中小型〜大型機の需要を取り込み、地域別に最適提案(米州・欧州・南西アジア・東アジア)。
- 収益性強化:インド拠点の活用、標準機ラインナップ拡充、サプライチェーン最適化。
- リカーリング強化:金型・部品などのリピート収益を拡大(売上の約46%が金型・部品他)。
- 技術開発:rPET/リサイクル対応、バリア・軽量化、省エネ、難加工樹脂への適用拡大。
- 進捗(2025年9月期3Q累計)
- 受注高 327.4億円(前年比+2.6%)、売上高 327.5億円(+23.8%)、営業利益 84.6億円(+63.2%)で過去最高更新。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 新規設備(成形機)による大型売上+既存設備に紐づく金型・部品・保守を継続的に供給するハイブリッド型。設置台数拡大が将来のリカーリングを押し上げる構造。
- 需要変化への適応
- 非飲料・高付加価値領域はガラス/金属代替や軽量化・衛生面ニーズで底堅い。環境対応(rPET等)や省エネ性能向上で規制・ESG要請にも対応。
- リスク耐性
- 地域・用途の分散と高自己資本・ネットキャッシュによる耐性は相対的に高い一方、大口案件・為替による四半期ブレは残存。
5. 技術革新と主力製品
- 技術
- ワンステップISBMに強み。高精度・高透明・形状自由度の高い容器成形、軽量化、エネルギー効率向上、PCR/rPET対応、バリア層技術など。
- 主力
- 中小型〜大型のストレッチブロー成形機、用途別カスタム金型、付属機器、保守・部品供給。直近は中小型・大型機の販売が牽引。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提
- 株価 6,710円、予想EPS 490.29円、実績BPS 3,790.98円
- 業界平均 PER 16.6倍、PBR 1.4倍
- 指標比較
- PER(会社予想): 13.69倍(業界平均比で低水準)
- PBR(実績): 1.77倍(業界平均比で高水準)
- EV/売上: 約1.77倍(EV=約762億円、LTM売上=約430.7億円)
- EV/EBITDA: 約5.8倍(LTM EBITDA約131億円)
- 配当利回り(会社予想): 2.98%、配当性向 約31.3%
- 目安比較(参考計算)
- 業界平均PER適用: 490.29円×16.6倍 ≈ 8,150円
- 業界平均PBR適用: 3,790.98円×1.4倍 ≈ 5,310円
- 指標間で示唆が分かれるため、収益性・資本効率の継続性が評価の焦点。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 終値 6,710円は50日移動平均 6,997円を下回り、200日 5,780円を上回る。中長期上昇基調の中で短期調整局面。
- 位置
- 52週高値 7,360円・安値 3,970円のレンジで上方(約81%位置)。年初来高値圏に近いが、50日線が上値抵抗。
- 需給・モメンタム
- 直近10日で戻り鈍化(高値切り下げ)。出来高は10日平均(約2.86万株)比でやや低下。信用倍率 2.89倍は買い越し。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上(百万円):2022/9 30,277 → 2023/9 34,798 → 2024/9 36,778 → LTM 約43,070
- LTM売上成長率(YoY): 約+17%/3年CAGR: 約+12%。
- 収益性(LTM)
- 粗利率 約48%(20.8/43.1)、営業利益率 27.5%、EBITDAマージン 約30%、純利益率 約17.9%。
- ROE 13.86%、ROA 9.22%(改善基調)。
- 安全性
- 自己資本比率 72.6%(FY24)、3Q時点 74.0%。流動比率 4.62。Debt/Equity 約11%。実質ネットキャッシュ約243億円(現金308億円−有利子負債65億円)。
- セグメント/地域(2025年3Q累計)
- 売上:米州 +19%、欧州 +11%、南西アジア +25%、東アジア +53%。
- いずれも増益で収益性改善。
- 損益推移(連結)
- 営業利益:2022/9 5,556 → 2023/9 7,166 → 2024/9 7,907 → LTM 約9,952(百万円)。
- キャッシュフロー
- 3Q短信ではCF計算書未作成。手元流動性は厚い。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2024年期末 150円、2025年通期予想 200円(増配)。予想配当利回り 2.98%、配当性向 約31%。
- 自社株
- 2025年8月31日に自己株式 357,612株を消却予定(発行済の約2.3%相当)。1株価値の希薄化抑制に寄与。
- 方針
- 業績連動を基本に、財務余力を踏まえた安定配当。ネットキャッシュ体質で追加的株主還元余地も考えられるが、公表方針は未記載。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落 +47.6%。短期は50日線を下回り調整、長期は200日線上で上昇トレンド維持。
- 投資家構成
- インサイダー保有 47.1%、機関 28.5%、フロート約789万株。流通株が相対的に限定され、材料出尽くし/新規材料でボラティリティが振れやすい可能性。
- 関心テーマ
- rPET・循環型素材対応、エネルギー効率、非飲料高付加価値容器、インド需要、米欧消費関連設備投資、為替動向。
11. 総評
- 強み
- ワンステップISBMの技術・実績、非飲料高付加価値分野の強み、海外比率の高さ、ネットキャッシュと高自己資本、二桁成長と高い営業利益率。
- 注目点
- 受注は過去最高水準で、金型・部品のリカーリング拡大が収益の底上げ要因。インド拠点による原価優位も継続。
- 留意点
- 為替・原材料・地政学の不確実性、規制・ESGトレンドによる需要ミックス変化、案件期ズレによる四半期ブレ。東アジアの大型案件の剥落など地域別の振れもあり得る。
- バリュエーション
- PERは業界平均比で低位、PBRはやや高位。高ROE・高マージンがPBRプレミアムを支える一方、短期はテクニカルに調整気味。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
- LTM売上+約17%、3年CAGR約+12%と継続成長。受注・売上ともに過去最高更新。
- 収益性: A
- 営業利益率約27.5%、EBITDA約30%、粗利率約48%。専業機械として高水準。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率74%前後、流動比率4.6倍、ネットキャッシュ。D/E低位。
- 株価バリュエーション: B
- PERは平均比で低位、PBRは平均超、EV/EBITDA約5.8倍・EV/S約1.8倍。総合的に中立域。
参考データ
– 株価レンジ/移動平均: 50日 6,997円、200日 5,780円、52週高/安 7,360/3,970円
– 予想業績(2025/9期、会社計画): 売上 430億円、営業益 104億円、経常益 105億円、純益 73.5億円、EPS 490.29円
– 次回イベント(提供情報ベース): 配当権利落ち 2025-09-29、決算発表ウィンドウ 2025-08-05〜08-12
– 本資料は公開情報に基づく一般的な企業分析であり、特定の投資行動を推奨するものではありません。数値は端数処理により一致しない場合があります。
企業情報
銘柄コード | 6284 |
企業名 | 日精エー・エス・ビー機械 |
URL | http://www.nisseiasb.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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