高千穂交易(2676)企業分析レポート

株価:1,955円(2025-10-20終値)/市場:東証プライム/業種:卸売業(商社・卸売)

1. 企業情報

  • 概要:1952年創業の独立系エレクトロニクス技術商社。主力はビジネスセキュリティ(商品監視EAS、監視カメラCCTV、入退室管理、顔認証、RFID、クラウド・保守)と、エレクトロメカニクス(通信・電源デバイス、センサー、GPUボード、機構部品、ガススプリング等)。小売向けの映像センシング・行動分析クラウドや無人決済ソリューション(IQ Lane)などサービス型ビジネスも展開。
  • 事業構成(参考):クラウドサービス&サポート13%(利益率目安22%)、システム36%(同4%)、デバイス51%(同6%)。海外売上比率26%(2025年3月期)。
  • 特色:商品監視・店舗セキュリティで実績。サブスク(クラウド/保守)によるストック型収益を拡大。セコム等との関係性も一部見られる(同社が上位株主)。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:国内の独立系技術商社の中堅。小売・オフィス向けセキュリティと、産業・通信向けデバイスの二軸で展開。大手SI/警備会社・同業商社・海外メーカー直販などが競合。
  • 競争優位性:
    • 小売セキュリティ領域の導入実績と、ハード+クラウド+保守の一貫提供体制。
    • マルチベンダー調達と海外ネットワークによるソリューション提案力。
  • 課題:
    • デバイス(景気・在庫サイクル・大型案件)に業績が振られやすい。
    • 為替変動や外貨建取引の影響(為替差損が損益に波及)への耐性強化が論点。

3. 経営戦略と重点分野

  • 中計(2025–2027):キーワード「Security. Solutions. Synergy.」
    • ロイヤルカスタマー戦略の深化(大口・継続顧客のLTV最大化)
    • サービスビジネス(クラウド/保守)の成長
    • 新規事業・グローバル強化、成長投資総額約60億円
    • セグメント再編(2025/4/1):ビジネスセキュリティ(旧クラウド+システム統合)、エレクトロメカニクス(旧デバイス)
  • 重点領域:
    • 小売DX(映像解析、年齢推定、棚前滞在時間分析、ゼロ待ち決済)
    • 物理セキュリティ×IT(アクセス制御、IPカメラ、ネットワークセキュリティ)
    • 産業・通信の高付加価値デバイス(電源、パワーモジュール、GPU、IoT)

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:機器販売(案件依存・変動)に、クラウド/保守の定期収入を組み合わせたハイブリッド型。セキュリティ領域のストック比率が安定化に寄与。
  • 適応力:リテール領域のDX需要、監視・入退室管理の更新需要に対応。デバイスは景気・在庫調整の影響を受けやすく、ポートフォリオのサービス比率拡大が鍵。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性:映像センシング/行動分析のクラウド、顔認証・RFIDの統合、ゼロ待ちレーン等のソリューション化。マルチベンダー製品を統合しユースケースに最適化。
  • 収益牽引:
    • リテールソリューション(監視カメラ・EAS):2026年3月期1Qは小売向けが好調(同社開示)
    • メカニクス/エレクトロニクス:前期大型案件の反動減や需要調整の影響を受けやすい局面あり

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提データ:
    • 株価1,955円、時価総額約397.7億円、現金約56.8億円、借入約3.36億円
    • 会社予想EPS 80.65円、BPS 862.11円、PER(予想)24.24倍、PBR 2.27倍
    • LTM売上約280.98億円、EBITDA約23.66億円
  • 単純比較(業界平均:PER 12.1倍、PBR 1.0倍)
    • PER比較:24.24倍 vs 業界12.1倍(相対的に高めの水準)
    • PBR比較:2.27倍 vs 業界1.0倍(同)
    • EV/S:約1.23倍(EV=397.7−56.8+3.4≈344.3億円、売上≈281.0億円)
  • 参考レンジ(単純モデル、助言ではありません)
    • 業界平均PER適用価格 ≈ 80.65円×12.1= 約976円
    • 業界平均PBR適用価格 ≈ 862円
    • 事業特性(セキュリティ×サービス)や成長投資は平均乖離の一因となり得ます。

7. テクニカル分析

  • トレンド位置:50日MA 1,955.6円と同水準、200日MA 2,001.5円をやや下回る。中期は持ち合い〜やや下向き、短期はジリ高基調。
  • 価格帯:年初来高値2,252円・安値1,595円の中間域。直近は1,900円台前半から後半へ戻り。
  • 需給:信用倍率0.76倍(売り越し基調)。出来高は3カ月平均約43千株、直近10日約33千株と落ち着いた商い。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益(LTMベース、単位:百万円)
    • 売上:28,098(2024/3:25,224、2023/3:23,361、2022/3:20,785)で増収基調(3年CAGR約+10%)
    • 営業利益:2,080(2024/3:1,465、2023/3:1,376、2022/3:1,024)
    • 粗利率:約24.6%(6,910/28,098)、営業利益率:約7.4%(2,080/28,098)、EBITDAマージン:約8.4%
    • 純利益:1,458、純利益率:約5.2%
  • 直近期(2026年3月期1Q)
    • 売上6,068(前年比−5.5%)、営業利益183(−60.5%)、純利益68(−85.0%)
    • 四半期粗利率約23.9%、営業利益率約3.0%。為替差損の影響等で収益性が一時的に低下。
  • 効率・資本
    • ROE実績8.66%(参考指標に6.58%の記載もあり)、ROA約5%台
    • 自己資本比率71.8%、流動比率約322%、D/E約2%と保守的な財務構造
  • キャッシュ
    • 現金同等物約56.8億円(1Q時点)、前期末比▲3.47億円。四半期CF計算書は未作成(短信注記)。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当予想:年間80.50円(中間34.50円、期末46.00円)予想、予想利回り約4.1%
  • 配当性向:前期実績ベースは高水準(トレーリング比約197%)、今期予想はEPS80.65円に対し約100%程度
  • 自己株式:期末自己株式数1,745,580株(発行済の約8.6%)。自社株買いの新規方針はデータ内記載なし。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 52週騰落:−6.9%。ベータ0.47で相対的に低ボラティリティ。
  • 直近の変動要因:
    • 1Qでの為替差損計上・デバイス反動減による利益鈍化
    • セキュリティ領域(リテール)の堅調さ、サービス比率の上昇期待
    • 2Q・通期見通しは変更なし(中計投資の進捗に注目)
  • 近未来イベント:決算発表(次回目安:2025/10下旬〜11上旬想定、提供データ上は7/31–8/4の窓もあり)、配当権利落ち(2026/3/30)

11. 総評

  • セキュリティ×クラウド/保守のストック収益が安定化に寄与し、LTMでは増収増益基調。中計はサービス比率向上とグローバル強化に軸足。
  • 一方、直近四半期はデバイスの反動減と為替差損で利益が落ち込み、短期収益性は揺らぎあり。為替管理・価格転嫁・案件平準化が論点。
  • バリュエーションはPER/PBRとも業界平均比で高め。サービスシフトや収益性の持続改善が進むかが水準感の評価に影響。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • 根拠:LTM売上+約11%、3年CAGR約+10%。直近1Qは減収ながら中長期は拡大基調。
  • 収益性:B
    • 根拠:LTM営業利益率約7%台・粗利率約25%。ただし1Qは為替要因等で営業3%台に低下。
  • 財務健全性:S
    • 根拠:自己資本比率72%、流動比率3.2倍、D/E約2%と強固。
  • 株価バリュエーション:C
    • 根拠:PER24.2倍、PBR2.27倍、EV/S約1.2倍は業界平均比で高めのレンジ。

(注記)
– 本資料は提供データに基づく客観的整理であり、投資助言ではありません。数値は四捨五入等により合計が一致しない場合があります。最新の正式開示(決算短信・有価証券報告書等)も併せてご確認ください。


企業情報

銘柄コード 2676
企業名 高千穂交易
URL http://www.takachiho-kk.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。

投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。

なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。

企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By シャーロット

ジニーは、Smart Stock NotesのAIアシスタントです。膨大なデータとAIの力で、企業や市場の情報をわかりやすくお届けします。投資に役立つ参考情報を提供することで、みなさまが安心して自己判断で投資を考えられるようサポートします。