シップヘルスケアホールディングス(3360)企業分析レポート
株価:2,274.5円(2025-10-17終値ベース)
1. 企業情報
- 概要:医療・ヘルスケア領域の総合プラットフォーム。医療機器・設備の一括販売(トータルパックプロデュース、以下TPP)、医療消耗品等のメディカルサプライ、介護施設運営等のライフケア、調剤薬局を展開。
- セグメント(売上構成比・セグメント利益率の目安)
- トータルパックプロデュース:20%(利益率約9%)
- メディカルサプライ:70%(約1%)
- ライフケア:5%(約6%)
- 調剤薬局:5%(約10%)
(2025年3月期表記)
– 主な提供価値
– 病院新設・移転に伴う企画・調達・施工・保守・管理の一括提供、医療情報システム開発、運営支援、医療施設向け不動産リース
– 消耗品・機器の継続供給
– 介護施設運営・給食、通所支援
– 調剤薬局運営
– 上場区分:東証プライム/業種:卸売業(17業種:商社・卸売)
– 本社:大阪府吹田市春日3-20-8
– 代表者:大橋 太
– 従業員:8,043人
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:医療機器・設備の一括提供と、消耗品・薬局・介護までを束ねる垂直統合モデル。病院建設・移転を起点に、納入・保守・消耗品供給へとつなげる関係性構築が特長。
- 競争優位性(示唆)
- TPPによる大型案件対応力と、メディカルサプライの広域供給網の組み合わせ
- 病院のライフサイクル全体をカバー(企画→調達→施工→運営支援→更新・保守→消耗品供給)
- 調剤・介護の安定収益セグメントを併せ持つポートフォリオ
- 課題
- 卸売中心のため業界構造上マージンが薄い(全社粗利率約9.8%、営業利益率約3.7%)
- 薬価・介護報酬改定、医療機器の価格競争、入札環境など政策・制度影響
3. 経営戦略と重点分野
- ビジネスの方向性(公開情報からの整理)
- TPP:病院再編・建替え需要への対応、企画・調達・施工・IT・保守までの一体提供強化
- メディカルサプライ:スケール活用による調達力・物流効率の向上、継続供給による安定収益
- ライフケア/調剤:稼働率・効率性の向上、地域包括ケアや在宅ニーズへの適合
- 医療情報システム:医療DX・データ利活用領域での付加価値向上
- 参考イベント
- 決算発表予定:2025-11-11
- 権利落ち予定:2026-03-30
(中期計画の数値目標等は本データからは未確認のため記載省略)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:TPPの案件収益(変動)+メディカルサプライ・介護・調剤の継続収益(安定)の組合せ。
- 需要環境:高齢化、医療DX、病院の老朽化更新等は構造的需要。ただし、制度改定や価格競争は恒常的。
- 適応力:複数セグメント保有による分散と、案件起点のリレーション深化で安定度を確保しやすい構造。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・製品領域:医療情報システム開発、手術室内装、無影灯、医療ガス配管、リハビリ設備、特浴などの設計・施工・保守。
- 収益ドライバー:売上の約70%を占めるメディカルサプライ(薄利多売)と、TPP・調剤の高採算領域のバランス。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(会社予想ベース)
- PER:13.84倍(業界平均PER 12.1倍)
- PBR:1.47倍(業界平均PBR 1.0倍)
- EPS:164.39円、BPS:1,544.43円
- 配当:60円(予想)、配当利回り:2.64%、配当性向:約36%
- EV/Sales(試算)
- 時価総額:約2,145.9億円
- 現金同等物:約805.7億円/有利子負債:約315.6億円 → ネットキャッシュ約490億円
- 企業価値(EV)≒約1,655.9億円、売上高(LTM)約6,863億円 → EV/S ≒ 0.24倍
- 評価コメント:PER・PBRは業界平均に対しプレミアム、EV/Sは流通・卸売らしい低水準。配当は利回り2.6%台・性向36%で持続可能性は確保されやすい水準。
7. テクニカル分析
- トレンド指標:終値2,274.5円は50日移動平均2,259円、200日移動平均2,074円を上回る上昇基調。
- 位置づけ:52週高値2,400円まで約-5%、52週安値1,758.5円から約+29%。レンジ上側に位置。
- 直近推移:10/8に年初来高値2,400円接近後、出来高を伴い調整→2,250円近辺での持ち合い。出来高は3カ月平均(約34万株)対比で直近10日平均はやや低下。
- 価格帯意識:2,350~2,400円に上値抵抗、2,200~2,250円に下値観測(価格帯の目安であり将来の値動きを示唆するものではありません)。
8. 財務諸表分析
- 売上高(百万円)
- 2022: 514,353 → 2023: 572,285 → 2024: 630,988 → LTM/2025: 678,229
- 3年CAGR:約9~10%、LTM伸長率:約+7.5%
- 収益性(LTM)
- 粗利率:約9.8%(66,743/678,229)
- 営業利益率:約3.7%(24,781/678,229)
- 当期純利益率:約2.2%(15,128/678,229)
- 補足:別データに「営業利益率1.81%」の表記あり(定義差の可能性)。本分析では損益計算書データに基づく試算値を併記。
- ROE/ROA(実績)
- ROE:10.48%、ROA:4.34%
- キャッシュ・財務体質(直近四半期)
- 現金等:約805.7億円、有利子負債:約315.6億円 → ネットキャッシュ
- 流動比率:1.38倍、自己資本比率:39.1%、D/E:約21.6%
- EBITDA:3,219.6億円(LTM、百万円表記換算で約321.96億円)/EBITDAマージン約4.7%
- 収益トレンド:営業利益は21,148→24,542→24,781(百万円)と増加基調も、マージンは案件・ミックスで変動。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:1株配当60円(予想)、利回り2.64%、配当性向約36%(持続性に配慮された水準)。
- 自己株式:保有比率7.2%(過去の自己株取得等の結果とみられる)。
- 権利落ち予定:2026-03-30。
(追加の還元方針・中計目標は本データからは未確認)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落率:-3.27%(同期間の海外株指数は上昇、相対的には見劣り)。
- 信用動向:信用買残32.1千株(前週比+7.5千)、信用売残21.9千(+2.8千)、信用倍率1.47倍と中立圏。
- 出来高:直近10日平均約25万株<3カ月平均約34万株で、短期的には様子見ムード。
- 価格ドライバー(例):大型TPP案件進捗、医療機器・消耗品の価格動向、薬価・介護報酬改定、病院建替え需要、医療DX関連の受注状況、決算(2025-11-11)。
11. 総評
- ビジネス面:TPPを起点にした総合ヘルスケア・プラットフォームで、継続供給(サプライ・介護・調剤)との組合せにより安定性を持つ構造。高齢化・病院建替え・医療DXの潮流は需要面の追い風。
- 収益性:卸売主体でマージンは構造的に薄い一方、セグメントミックスと規模によって一定の利益率を確保。ROEは約10%。
- 財務:ネットキャッシュ、D/E低位、自己資本比率は4割弱で概ね健全。
- バリュエーション:PER・PBRは業界平均に対しプレミアム、EV/Sは低位。安定成長を織り込む一方、割安感は限定的。
- テクニカル:中期上昇トレンドを維持しつつ、年初来高値手前での持ち合い。
(本レポートは公開データに基づく客観的整理であり、投資勧誘・助言ではありません)
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY約+7.5%、3年CAGR約9~10%。
- 収益性:B
- 根拠:営業利益率約3.7%、EBITDAマージン約4.7%。卸売業の水準を踏まえると中位~やや良好だが、構造的に薄利。
- 財務健全性:A
- 根拠:ネットキャッシュ、D/E約22%、流動比率1.38倍、自己資本比率39.1%と概ね健全。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PER13.8倍・PBR1.47倍は業界平均(PER12.1倍、PBR1.0倍)に対しプレミアム。EV/Sは低水準だが、利益率水準を勘案。
以上。
企業情報
銘柄コード | 3360 |
企業名 | シップヘルスケアホールディングス |
URL | http://www.shiphd.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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